認知症になると預金は凍結される?──本人と家族が「できなくなること」

この記事の要点 認知症そのものではなく、「判断能力が低下したと金融機関が認識すること」が引き金になって、預金の引き出しなどが制限されることがあります 制限がかかると、家族であっても本人名義の口座から自由にお金を引き出せなくなる場合があります 対策には、判断能力があるうちに結ぶ「家族信託」や「任意後見契約」などがあります 判断能力が低下したあとは、家庭裁判所が関与する「法定後見」という制度で財産管理を支える仕組みがあります 制度の使い分けは個別事情によって変わるため、早めにお近くの司法書士にご相談ください 認知症になると、なぜ預金が引き出せなくなるのか 結論から言うと、預金口座は「認知症と診断された瞬間」に自動的に凍結されるわけではありません。実際に制限がかかるのは、窓口でのやり取りなどを通じて金融機関が「本人の判断能力が低下している可能性がある」と気づいたときです。 ...

2026年7月13日 · ひぐらしさとし

相続が始まったら何から?期限のある手続きの優先順位の整理

この記事の要点 相続には「3か月」「4か月」「10か月」「1年」「3年」など、複数の期限がある手続きが並行して存在する どれから手をつけるかは、期限が短いものから確認するのが一般的な考え方 具体的な優先順位は各家庭の事情で変わるため、あくまで確認の目安として使う 本文 身近な人が亡くなったあと、相続にかかわる手続きにはいくつもの期限があります。どれも「知らなかった」では済まされないものばかりですが、期限が短いものから順に確認していくのが基本です。ここでは代表的な期限を整理します。 ...

2026年7月12日 · ひぐらしさとし

戸籍の附票とは?相続登記で「亡くなった方の住所」を証明する書類の基礎

この記事の要点 戸籍の附票は、本籍地の市区町村が管理する「住所の履歴を記録した書類」 相続登記では、登記簿上の住所と戸籍の記載だけでは「同一人物」と確認できないときに附票が必要になる 附票が取得できない場合も、権利証など別の書類で対応できることがある 本文 相続登記の相談で必ずといっていいほど出てくる書類のひとつが「戸籍の附票」です。戸籍謄本と混同されがちですが、役割はまったく違います。 ...

2026年7月12日 · ひぐらしさとし

株式交換・株式移転とは──持株会社化で会社をグループ化するときの登記手続き

この記事の要点 株式交換・株式移転は、会社の株式を100パーセント異動させて「完全親会社・完全子会社」の関係をつくる手続き 事業承継やグループ再編の受け皿として持株会社をつくる場面でよく使われる 手続きは株主総会の特別決議→契約書・計画書の作成→効力発生→2週間以内の変更登記という流れ(株式移転は設立登記そのものが効力発生日にあたります) 登記が必要になるのは主に完全親会社側で、完全子会社側は登記事項の変更がないことが多い 税務上の扱いや株主間の対立が絡む場合は、税理士・弁護士への相談が必要になる 「会社をグループ化したい」「複数の会社を1つの持株会社の傘下にまとめたい」というとき、よく使われるのが株式交換と株式移転という手続きです。名前が似ていて紛らわしいのですが、どちらも「ある会社の株式を100パーセント、別の会社(持株会社)に集める」という点で共通しています。この記事では、経営者の方向けに、それぞれの仕組みと登記手続きの流れを整理します。 ...

2026年7月12日 · ひぐらしさとし

『親の預金が使われていた気がする』──相続で疑われる使い込み(使途不明金)への対応の流れ

この記事の要点 使い込みが疑われても、まずは通帳の取引履歴を確認し、事実関係を整理することが出発点 相続人全員が合意すれば、遺産分割の中で使途不明金を「取り込んで」計算し直せる(亡くなった後に処分された分については民法906条の2という仕組みがある) 合意できず解決しない場合は、返還を求める法的手段もあるが、その先は弁護士の領域 相続の場面で、「親の預金が、亡くなる前後に大きく減っていた」「同居していたきょうだいが勝手に引き出していたのでは」という疑いが持ち上がることがあります。結論から言うと、こうした使い込み(使途不明金)の疑いに対しては、①事実関係を確認する、②相続人全員の合意があれば遺産分割の中で調整する、③合意できなければ返還を求める法的手段を検討する、という段階を踏んで対応します。以下、それぞれを順番に整理します。 ...

2026年7月12日 · ひぐらしさとし

法定後見の3類型『後見・保佐・補助』はどう違う?──判断能力の程度で決まる仕組み

この記事の要点 法定後見(ほうていこうけん)は、判断能力が不十分になった方を法律面で支える制度で、本人の状態に応じて「後見・保佐・補助」の3類型に分かれる 分かれ目は、判断能力がどの程度低下しているか。重い順に後見・保佐・補助となり、支援する人の呼び名や権限も変わる どの類型にあたるかは、最終的に家庭裁判所が診断書などをもとに判断する 「親の物忘れが進んできた。成年後見を考えたいが、後見・保佐・補助という言葉が出てきてよく分からない」——こうした声は少なくありません。この3つは別々の制度ではなく、判断能力の程度に応じた法定後見の3つの型です。本記事は、執筆時点(2026年07月)の制度に基づく一般的な解説です。 ...

2026年7月11日 · ひぐらしさとし

敷金が返ってこないときの手続き|少額訴訟・支払督促・民事調停の違い

賃貸住宅を退去したのに敷金(しききん・入居時に大家さんへ預けるお金)がなかなか返ってこない――そんなとき、話し合いのほかに裁判所を使う手続きがいくつか用意されています。この記事では、代表的な「少額訴訟」「支払督促」「民事調停」の三つが、それぞれどういう場面向けの制度なのかを整理します。 ...

2026年7月11日 · ひぐらしさとし

所有不動産記録証明制度とは|亡くなった方名義の不動産を一覧で調べる方法

「親が亡くなったが、どこにどれだけ不動産を持っていたのか分からない」——相続の場面でよくあるお悩みです。2026年(令和8年)2月2日から始まった所有不動産記録証明制度は、こうした「見落とし」を防ぐための新しいしくみです。この記事では、制度の中身と使い方、そして注意点をやさしく整理します。 ...

2026年7月11日 · ひぐらしさとし

相続放棄の基本|3か月の期限はいつから?手続きの流れと注意点

この記事の要点 相続放棄とは、家庭裁判所に申し出て「はじめから相続人でなかったこと」にする手続きです。借金などのマイナスの財産を引き継がずに済みます。 期限は「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月です。亡くなった日そのものからではありません。 他の相続人に「放棄します」と口で伝えるだけ、遺産分割で何も受け取らないだけでは、法律上の相続放棄にはなりません。 放棄を考えているなら、遺産(預金の引き出しや不動産・車の名義変更など)に手を付けないことが大切です。 まずは相続財産の全体像を早めに把握し、迷ったらお近くの司法書士にご相談ください。 「相続放棄」とは、家庭裁判所でする手続きのこと 結論から言うと、相続放棄は「家庭裁判所に申し出る(申述する)」正式な手続きです(民法938条)。これをすると、その人ははじめから相続人ではなかったものとして扱われます(民法939条)。プラスの財産(預金や不動産)もマイナスの財産(借金や連帯保証など)も、いっさい引き継ぎません。 ...

2026年7月11日 · ひぐらしさとし

「みなす」と「推定する」の違い──反証で覆るかどうかで読み分ける【相続の条文で解説】

この記事の要点 「みなす」は反対の証拠があっても覆らない(法律が事実として確定させる言葉) 「推定する」は反対の証拠があれば覆る(一応そう扱うだけの言葉) 相続の条文にも両方が登場し、どちらの言葉かで結論の覆しやすさが変わる 法律の条文を読んでいると、「〜とみなす」「〜と推定する」という言い回しに出会います。日常ではどちらも「そう考える」くらいの意味で使いますが、法律の世界でははっきり区別されています。結論から言うと、反対の証拠(反証)を出して覆せるかどうかが分かれ目です。 ...

2026年7月10日 · ひぐらしさとし