「会社が勝手に解散させられていた」――登記の放置と『会社の継続』で元に戻す手続き

この記事の要点 最後の登記から12年が経過すると、官報公告後2か月以内に届出・登記をしなければ「みなし解散」となる 解散したとみなされた時から3年以内なら、株主総会の特別決議+役員選任+登記で「会社の継続」ができる 継続の登録免許税は3万円(役員変更等をあわせて行う場合は別途加算)。3年を過ぎると継続はできない 「久しぶりに会社の登記簿(登記事項証明書)を取ってみたら、『解散』と書かれていた」――そんな相談は、決して珍しいものではありません。会社をたたんだ覚えはないのに、いつのまにか解散したことになっている。これは多くの場合、登記を長く放置していたために、国の手続きで解散したものと扱われてしまったケースです。 ...

2026年6月19日 · ひぐらしさとし

長く使ってきた土地は自分のものになる?──「時効取得」と不動産の名義変更

この記事の要点 長く自分の物として使い続けた土地・建物は、時効取得(民法162条)で所有権を得られることがある(原則20年、条件がそろえば10年) 期間が過ぎても自動では名義は変わらず、援用(時効の主張)と所有権移転登記が別途必要 登記は原則、相手方(現在の名義人)との共同申請。協力が得られなければ判決による単独申請という道もある 「先代の頃から何十年もうちが使ってきた土地なのに、登記簿を調べたら名義は他人(あるいはとっくに亡くなった人)のままだった」──不動産の手続きをしていると、こうした場面に出会うことがあります。 ...

2026年6月18日 · ひぐらしさとし

「死因贈与」と「遺贈」はどう違う?──生前に『あげる約束』をするときの注意点

この記事の要点 死因贈与は「契約」(あげる人ともらう人の合意が必要)、遺贈は遺言による「単独行為」(もらう人の同意は不要) 税金は原則どちらも相続税の対象。ただし不動産取得税は死因贈与のほうが課税されやすい 不動産があれば、死因贈与は生前のうちに「仮登記」で備えられる。具体的な進め方はお近くの司法書士や税理士へ 「私が死んだら、この家はおまえにあげる」。 ...

2026年6月17日 · ひぐらしさとし

ストックオプションを発行するときの登記──新株予約権の決め方・手続き・費用の全体像

この記事の要点 ストックオプションは会社法の新株予約権として発行し、募集事項は非公開会社なら株主総会の特別決議、公開会社なら取締役会で決める(無償発行など特に有利な条件のときは、公開会社でも株主総会の特別決議が必要) 発行から2週間以内に変更登記が必要。登録免許税は申請1件につき9万円 税制優遇の要件・課税は税理士、既存株主とのトラブルは弁護士、発行手続きや登記はお近くの司法書士へ 「優秀な人材に入ってもらいたいが、いまは十分な給料を出せない」。 「将来会社が成長したときの利益を、いっしょに頑張ってくれる人と分け合いたい」。 ...

2026年6月16日 · ひぐらしさとし

登記簿に残った古い「買戻特約」──2023年から所有者だけで消せるようになりました

この記事の要点 買戻特約は「売った人が代金などを返せば買い戻せる」という約束で、期間は最長10年(定めがなければ5年) 契約の日から10年を経過していれば、所有者ひとりの申請で抹消できる(2023年4月1日施行の不動産登記法69条の2) 登録免許税は抹消登記として不動産1個につき1,000円が目安 「土地を売ろうと思って登記簿(登記事項証明書)を取り寄せたら、何十年も前の『買戻特約(かいもどしとくやく)』という見慣れない登記が残っていた」——。相続した不動産や、昔に公的機関から購入した土地で、こうした古い登記に気づく方は少なくありません。 ...

2026年6月15日 · ひぐらしさとし

生前にもらった人がいる相続──特別受益と「持戻し」のきほん

この記事の要点 特別受益は、生前贈与や遺贈を「相続分の前渡し」とみなし、遺産に足し戻して計算する調整のしくみ(民法903条) 婚姻20年以上の配偶者への自宅の贈与は、持戻し免除の意思があったと推定される(民法903条4項) 何が特別受益にあたるかは総合判断でケースにより結論が分かれるため、判断に迷うときは早めに専門家へ 「兄は家を建てるとき、親からまとまったお金を出してもらっていた」「妹だけ結婚のときに援助を受けていた」——いざ相続が始まると、こうした生前の贈与をめぐって、きょうだいの間で「不公平ではないか」という思いが表に出てくることがあります。 ...

2026年6月14日 · ひぐらしさとし

支店を出すとき、登記はどこまで必要?──「支店所在地での登記」は廃止されました

この記事の要点 支店設置の登記は、本店の所在地を管轄する法務局に、設置から2週間以内に申請する 令和4年9月1日施行の改正で「支店所在地での登記」は廃止され、現在は本店所在地の登記だけで完結する 登録免許税は支店1か所につき6万円(移転・廃止はそれぞれ3万円) 事業が軌道に乗って、別の地域にもう一つ拠点を構えたい――。そんなとき、「支店を出すなら登記がいるのだろうか」「本店のある法務局と、支店のある法務局の両方に届け出るのか」と迷う経営者の方は少なくありません。 ...

2026年6月13日 · ひぐらしさとし

マンションの登記簿はなぜ一戸建てと違う?──区分建物と「敷地権」のきほん

この記事の要点 マンションは「区分建物」と呼ばれ、登記簿は「一棟の建物全体」+「専有部分(お部屋)」の二段構えで記録される 敷地権付きのマンションは、お部屋(専有部分)と土地の権利(敷地権)を切り離して別々に処分できない(分離処分の禁止) 古いマンションなど「敷地権がない」物件では、建物と土地の登記簿を別々に確認する必要がある マンションを買ったとき、あるいは相続したマンションの登記簿(登記事項証明書)を取り寄せたとき、「一戸建てのときと様子がぜんぜん違う」と戸惑う方は少なくありません。 ...

2026年6月12日 · ひぐらしさとし

未成年の子がいる相続──親は子の代わりに遺産分割できない?「特別代理人」のしくみ

この記事の要点 親と未成年の子がともに相続人になる遺産分割では、親は子を代理できず、家庭裁判所で特別代理人を選んでもらう必要がある(民法826条) 子どもが2人以上いる場合は、子どもごとに別々の特別代理人が必要 申立てには遺産分割協議書の案を添えるのが実務の通例。特別代理人を立てずにした協議は後から効力を否定されるおそれがある 夫が亡くなり、相続人は妻と小学生の子ども2人──。 ...

2026年6月11日 · ひぐらしさとし

取締役会・監査役は、いまの会社に本当に必要?──機関設計を見直すときの登記手続き

この記事の要点 取締役会・監査役を置くかどうかは定款で決まり、後から見直せる 取締役会を廃止すると、取締役の人数・監査役の要否・代表取締役の選び方・株式の譲渡承認機関が連動して変わる 手続きは株主総会の特別決議→2週間以内の登記が基本。登録免許税は登記事項の区分ごとに一件3万円で、区分が異なれば合算される(役員変更が伴うとさらに加算) 会社を設立したとき、なんとなく「取締役会」を置き、「監査役」も選んだ──。中小企業ではよくある形です。 ...

2026年6月10日 · ひぐらしさとし