自分が亡くなった後の事務、誰に頼む?──死後事務委任契約とは

この記事の要点 死後事務委任契約は、葬儀・医療費精算・遺品整理など「自分が亡くなった後の事務」を、生前の契約で第三者に頼んでおく仕組み 遺産の分け方(遺産分割)を決めるものではなく、遺言とは役割が異なる おひとり様や、頼れる親族が近くにいない方の「亡くなった直後の空白期間」への備えとして活用されている 自分が亡くなった直後、葬儀の手配や病院・施設への支払い、遺品の整理などは誰がやってくれるのだろう――おひとり様や、頼れる親族が遠方にしかいない方から、そうした不安の声を聞くことがあります。これらの事務を生前のうちに第三者へ委任しておく仕組みが「死後事務委任契約」です。この記事では、死後事務委任契約とは何か、遺言や任意後見契約とはどう違うのかを整理します。 ...

2026年7月8日 · ひぐらしさとし

相続人の一人が行方不明──遺産分割はどう進める?|不在者財産管理人と失踪宣告の使い分け

「父が亡くなったが、相続人の一人である弟が何十年も音信不通で、どこにいるかわからない」——このようなとき、行方不明の相続人を外して勝手に遺産分割を進めることはできません。とれる道は大きく2つで、生存はしていそうだが連絡がつかない場合は「不在者財産管理人」、**生死が長い間まったくわからない場合は「失踪宣告」**を、家庭裁判所への申立てによって使い分けます。 ...

2026年7月2日 · ひぐらしさとし

相続した実家を売りたいとき──売る前にまず「相続登記」、そして知っておきたい税金の話

相続した実家や土地を売りたいとき、いきなり売買契約に進むことはできません。まず亡くなった方の名義を相続人へ書き換える「相続登記」を済ませることが、売却のスタートラインになります。 ...

2026年6月29日 · ひぐらしさとし

自筆の遺言書を見つけたら勝手に開けてはいけない──家庭裁判所の「検認」とは

亡くなった方の遺品を整理していたら、引き出しの奥から「遺言書」と書かれた封筒が出てきた──。そんなとき、まずやってはいけないのが「その場で封を切って中を読むこと」です。 ...

2026年6月26日 · ひぐらしさとし

司法書士に相談する前に準備しておきたいもの|持ち物・費用・頼めることチェックリスト

この記事の要点 相談前にすべての書類がそろっている必要はない。手元にあるものだけでもまず相談してよい 費用は「報酬(事務所ごとに自由設定)」「税金(登録免許税等)」「実費」の三階建て。見積もりは内訳を確認する 税金の計算・節税は税理士、相続争いの交渉・調停は弁護士、名義変更・登記の相談は司法書士と役割が分かれる 「相続のことで司法書士に相談してみよう」と思っても、いざ予約の前になると「何を持っていけばいいの?」「お金はどれくらいかかるの?」「そもそも司法書士って何をしてくれる人なの?」と、わからないことだらけで足踏みしてしまう方は少なくありません。 ...

2026年6月25日 · ひぐらしさとし

相続放棄をしても生命保険金は受け取れる?──受取人が指定された保険金・死亡退職金は『相続財産』ではない

この記事の要点 受取人が指定された生命保険金・死亡退職金は相続財産ではないため、相続放棄をしても受け取れる ただし相続税の計算では「みなし相続財産」として課税対象になり、放棄した人は非課税枠(500万円×法定相続人の数)を使えない 死亡退職金は会社の退職金規程によって扱いが変わるため、まず規程の確認から 「亡くなった父に借金があったので、相続放棄をしようと思う。でも、自分が受取人になっている父の生命保険金は、放棄したら受け取れなくなるのだろうか?」──相続放棄を考えるとき、とても多い疑問です。 ...

2026年6月23日 · ひぐらしさとし

相続人の中に認知症の方がいる──遺産分割は進められる?「成年後見人」が必要になるケース

この記事の要点 相続人に判断能力が不十分な方がいる場合、家族が代わりにサインした遺産分割協議は無効になる 家庭裁判所に成年後見人等を選んでもらい、その人が本人に代わって(または支えながら)協議に参加する必要がある 後見人自身が相続人だと利益相反になることがあり、特別代理人が必要な場合も。元気なうちの備え(遺言・任意後見・家族信託)も検討を 「父が亡くなって相続の手続きを始めたいけれど、母が認知症で、話し合いができない」。 「兄が病気で判断が難しくなっている。遺産分割の書類に、私が代わりにサインしてもいい?」 ...

2026年6月20日 · ひぐらしさとし

「死因贈与」と「遺贈」はどう違う?──生前に『あげる約束』をするときの注意点

この記事の要点 死因贈与は「契約」(あげる人ともらう人の合意が必要)、遺贈は遺言による「単独行為」(もらう人の同意は不要) 税金は原則どちらも相続税の対象。ただし不動産取得税は死因贈与のほうが課税されやすい 不動産があれば、死因贈与は生前のうちに「仮登記」で備えられる。具体的な進め方はお近くの司法書士や税理士へ 「私が死んだら、この家はおまえにあげる」。 ...

2026年6月17日 · ひぐらしさとし

生前にもらった人がいる相続──特別受益と「持戻し」のきほん

この記事の要点 特別受益は、生前贈与や遺贈を「相続分の前渡し」とみなし、遺産に足し戻して計算する調整のしくみ(民法903条) 婚姻20年以上の配偶者への自宅の贈与は、持戻し免除の意思があったと推定される(民法903条4項) 何が特別受益にあたるかは総合判断でケースにより結論が分かれるため、判断に迷うときは早めに専門家へ 「兄は家を建てるとき、親からまとまったお金を出してもらっていた」「妹だけ結婚のときに援助を受けていた」——いざ相続が始まると、こうした生前の贈与をめぐって、きょうだいの間で「不公平ではないか」という思いが表に出てくることがあります。 ...

2026年6月14日 · ひぐらしさとし

未成年の子がいる相続──親は子の代わりに遺産分割できない?「特別代理人」のしくみ

この記事の要点 親と未成年の子がともに相続人になる遺産分割では、親は子を代理できず、家庭裁判所で特別代理人を選んでもらう必要がある(民法826条) 子どもが2人以上いる場合は、子どもごとに別々の特別代理人が必要 申立てには遺産分割協議書の案を添えるのが実務の通例。特別代理人を立てずにした協議は後から効力を否定されるおそれがある 夫が亡くなり、相続人は妻と小学生の子ども2人──。 ...

2026年6月11日 · ひぐらしさとし