自分でできる登記・専門家に頼んだほうがいい登記──難易度マップ

この記事の要点 登記は、制度上は本人が自分で申請できます。難しさを分けるのは主に「書類が定型か」「相手方や関係者が多いか」「税金・測量・争いが絡むか」の3点です 自分でも取り組みやすい目安は、住宅ローン完済後の抵当権抹消、住所・氏名の変更登記、相続人申告登記など。専門家向きの目安は、売買の決済、住宅ローンの設定、財産分与、休眠担保権の抹消、家族信託など 建物の滅失・表題登記・分筆・地積更正などの「表示に関する登記」は土地家屋調査士の業務です。人に頼むときの依頼先は土地家屋調査士になります ここでの難易度はあくまで一般的な目安で、同じ種類の登記でも個別の事情で大きく変わります。まずは下の一覧で自分の登記の位置を確かめ、詳しい記事へ進んでください 「この登記、自分でできるだろうか」と迷ったときに、どの登記が比較的取り組みやすく、どの登記に専門知識や段取りが必要になりやすいのかを一覧にしたのがこの記事です。制度の説明はそれぞれの詳しい記事に任せ、ここでは「どの記事を読めばよいか」の目次に徹します。 ...

2026年9月28日 · ひぐらしさとし

相続手続きの全体マップ──「何から始めるか」をこの1本から辿れる総目次

この記事の要点 相続の手続きは「亡くなった直後/相続人を確かめる/財産を調べる/分け方を決める/名義を変える/税金/もめたとき/生前対策」の8つの段階に分けると、いま自分がどこにいるかが見えやすくなる 期限のある手続きがあるので、最初に確かめたいのは「相続放棄をするかどうか(原則3か月)」と「相続登記(原則3年)」の2つ 下の段階別の目次から、いまの自分に当てはまる段階の記事を読んでください 税額の計算は税理士、相続人どうしで争いになっているときは弁護士が相談先です 相続の手続きで「何から始めればいいのか」と迷ったときは、まず自分がいまどの段階にいるかを決め、その段階の記事から読むのが近道です。この記事は、相続に関する解説記事をまとめて案内する総目次です。制度のしくみは個別の記事にゆずり、ここでは「どの段階で、どの記事を読めばよいか」だけを並べます。本記事は、執筆時点(2026年09月)の法令に基づく一般的な解説です。 ...

2026年9月28日 · ひぐらしさとし

登記簿に「死亡」の符号が付く──所有者が亡くなったことを法務局が表示する新しい仕組み

この記事の要点 不動産の名義人(登記名義人)が亡くなったことを、法務局の登記官が職権で登記簿に「符号」で表示できる制度ができた(不動産登記法76条の4・2026年4月1日施行) 符号は、登記簿の名義人の氏名の横に付く「◇」の記号。付くのは個人の名義人だけで、会社などの法人は対象外 符号が付いても、相続人の相続登記の申請義務(相続を知った日などから3年以内)はそのまま残る。符号は相続登記の代わりにはならない 法務局が実際に符号の表示を始める時期は、執筆時点では法務省から案内されていない。いずれにしても申請義務の期限は符号の有無と関係なく進むので、符号が付くのを待たずに、相続登記(または相続人申告登記)を進めるのが基本 結論からお伝えします。2026年4月1日施行の法改正で、不動産の名義人(登記簿に所有者として記録されている人。「登記名義人」といいます)が亡くなったことを、法務局の登記官が自分の判断で(職権で)登記簿に表示できる仕組みが設けられました(不動産登記法76条の4)。表示されるのは「◇」という記号で、名義人の氏名の横に付きます。 ...

2026年9月25日 · ひぐらしさとし

登記の「住所証明情報」とは?──新しく名義人になる人の住民票・印鑑証明書と、住民票コードで省略できる場合

この記事の要点 住所証明情報とは、売買や相続などで新しく不動産の名義人になる人の住所を証明する書類です。個人なら住民票の写しや戸籍の附票の写しで、印鑑証明書に記載された住所を使うこともできると法務局は案内しています。 申請書に住民票コード(11桁の番号)を書くと、住民票の写しの提出を省略できます(不動産登記令9条・不動産登記規則36条4項)。住民票の写しを出す場合は、マイナンバー(個人番号)の記載がないものを使います。なお、不動産登記令・不動産登記規則は、住所証明情報に印鑑証明書のような「作成後3か月以内」の定めを置いていません(ただし、取った後に引っ越した場合、その書類では今の住所を証明できません)。 2026年10月5日以降に申請する所有権の保存・移転などの登記では、新しく名義人になる個人(その登記の申請人になる人)について、申請書に国籍等を書き、原則としてそれを証する書類も添付することになります(改正後の不動産登記規則158条の39)。日本国籍の方は、本籍地が記載された住民票の写しで住所証明情報と兼ねられると法務省は案内しています。 売買や相続で不動産の名義を変える手続きを調べると、必要書類の欄に「住所証明情報」という言葉が出てきます。結論から言えば、これは新しく名義人になる人の住所を証明する書類のことで、個人の場合は住民票の写しが代表例です。そして、申請書に住民票コードを書けば、その住民票の写しを出さずに済みます。 ...

2026年9月24日 · ひぐらしさとし

固定資産税の課税明細書の見方──登記や相続の準備で使う欄はどこ?

この記事の要点 課税明細書には、土地なら所在・地番・地目・地積・価格、建物なら所在・家屋番号・種類・構造・床面積・価格が書かれている 「価格(評価額)」と「課税標準額」は別の数字。登記でかかる登録免許税の計算のもとになるのは「価格」のほう 登記されていない建物が載っていることがあり、相続の準備で見落としに気づく手がかりになる 毎年春ごろに市町村から届く固定資産税の納税通知書には、一般に「課税明細書」という一覧が同封されています。結論から言えば、登記や相続の準備では、この明細書のうち「所在・地番/家屋番号」と「価格(評価額)」の欄が特に役立ちます。以下は、執筆時点(2026年9月)の制度に基づく一般的な解説です。 ...

2026年9月23日 · ひぐらしさとし

相続登記義務化の経過措置、期限まであと半年──2027年3月31日までにやること

この記事の要点 相続登記義務化の経過措置は2027年3月31日が期限。残り半年でやることを順番に整理する ①登記簿で今の名義を確認する→②戸籍を集めて相続人を確定する→③協議がまとまれば相続登記へ→④まとまらない・間に合わないなら相続人申告登記で期限を守る 相続人申告登記は義務を履行したことにはなるが、権利の登記ではないため、その後の遺産分割で不動産を取得した場合は、改めて相続登記が必要になる 相続登記の義務化には、2024年4月より前に発生していた相続(過去の相続)を対象とする経過措置があり、その期限は2027年3月31日です。経過措置そのものの内容はこちらの記事で、3年の期限の数え方(起算日)はこちらの記事で解説していますので、この記事では繰り返しません。 ...

2026年9月21日 · ひぐらしさとし

「公布」と「施行」の違い──法律が『できた日』と『効き始める日』は別【相続登記の条文で解説】

この記事の要点 公布は「法律ができたことを国民に知らせる」こと、施行は「その法律が実際に効き始める」こと。二つの日付は一致しないのが普通です 施行日がいつかは、条文本体ではなく末尾の附則に書かれています。「政令で定める日」と書かれていれば、法律だけ読んでも日付は分かりません 相続登記の義務化は、公布が令和3年(2021年)4月28日、施行が令和6年(2024年)4月1日。3年近いずれがありました ※本記事は執筆時点(2026年9月)の制度に基づく一般的な解説です。 ...

2026年9月20日 · ひぐらしさとし

マンションを相続したら管理組合へ届出を──放置すると起きる実務トラブル

この記事の要点 マンションを相続したときの「区分所有者変更届」は、原則として法律上の義務ではなく、管理規約(マンション標準管理規約では第31条)に基づく手続き 届出をしないと、総会の招集通知や管理費・修繕積立金の請求が、亡くなった元の所有者宛のまま届き続けることがある なお、これとは別に、相続した方が国内に住所・居所を持たない場合に「国内管理人」を選任したときは、管理者等への通知が法律上必要(区分所有法第6条の2第3項。2026年〔令和8年〕4月1日施行) 相続登記(名義変更)が終わる前でも、管理組合への届出は行える 管理規約の内容は物件ごとに異なるため、実際の届出の要否・様式・必要書類はお手元の管理規約または管理組合に確認する マンションを相続したら、管理組合への届出も忘れずに マンションを相続すると、多くの方は「相続登記(不動産の名義変更)」に意識が向きます。見落とされがちなのが、管理組合への届出です。 ...

2026年9月16日 · ひぐらしさとし

マンションを相続したときの登記──敷地権付き区分建物は何が違う?

この記事の要点 敷地権付きのマンションは、お部屋(専有部分)について相続登記を申請すれば、土地の権利(敷地権)にもその登記の効力が及ぶ。土地について別に申請する必要は原則としてない 申請書の「不動産の表示」は、一棟の建物・専有部分の建物・敷地権の3つを書く三段構え。登記事項証明書の表題部を写し取るのが基本 登録免許税は、建物の評価額と「土地全体の評価額×敷地権の割合」を足した金額に税率0.4%をかけて計算する 敷地権のない古いマンションでは、建物とは別に土地の共有持分についても相続登記を申請する必要がある 必要書類(戸籍・住民票・遺産分割協議書など)は一戸建ての相続登記と同じ。期限は取得を知った日から3年以内 結論:建物の相続登記を申請すれば、土地の持分も一緒に動く 親が住んでいたマンションを相続した方から、「建物だけでなく、土地の持分の登記も別にしなければならないのか」という疑問がよく聞かれます。 ...

2026年9月11日 · ひぐらしさとし

司法書士と行政書士はどう違う?──相続手続きで頼めることの線引き

この記事の要点 不動産の相続登記(名義変更)を代理できるのは司法書士のみで、行政書士が代理することはできません。 遺産分割協議書の作成自体は、司法書士・行政書士のどちらに依頼しても行えます。ただし、はじめから相続登記に用いる目的で作成する場合の扱いには、専門家の間で見解の分かれる部分があります。 自動車の名義変更や農地の届出など、行政書士が窓口となる相続関連の手続きもあります。 依頼したい内容に「登記を伴うかどうか」を軸に考えると、相談先を選びやすくなります。 相続の手続きは、司法書士と行政書士のどちらに相談すればよいか迷う場面が少なくありません。結論から言うと、不動産の相続登記を代理できるのは司法書士だけです。一方で、遺産分割協議書の作成のように、両方の資格者が対応できる手続きもあります。手続きの中身によって頼める窓口が変わるため、まずは違いを押さえておくと迷いにくくなります。 ...

2026年9月7日 · ひぐらしさとし