相続させたくない相続人がいるとき──相続欠格と相続廃除のしくみ

この記事の要点 相続欠格は法律で定めた重大な行為があれば手続なしで当然に相続権を失う 相続廃除は虐待・重大な侮辱・著しい非行がある場合に家庭裁判所へ請求する必要がある どちらも代襲相続は起きる(子には相続権が移る)ため、相続放棄とは扱いが異なる 「長年、親に暴力をふるってきた子がいる」「介護を押しつけて寄りつかなかった相続人に財産を渡したくない」——相続の相談では、こうした「特定の相続人に相続させたくない」という声を聞くことがあります。 ...

2026年5月21日 · ひぐらしさとし

資本金を減らす『減資』登記──株主総会・官報公告・債権者保護の流れを経営者向けに

この記事の要点 減資には株主総会の特別決議と、官報公告等による1か月以上の債権者異議手続が必要 効力発生日から2週間以内に変更登記(登録免許税3万円)、遅れると代表者に過料の可能性 「資本金1億円以下に減資すれば税制上有利」とは限らない(外形標準課税の駆け込み減資対策あり) 「資本金、減らせるんですか?」という疑問 経営者の方の間で、ふとした雑談の中で次のような疑問が話題に上ることがあります。 ...

2026年5月20日 · ひぐらしさとし

相続人への遺贈は一人で登記できる──令和5年4月施行・遺贈登記の単独申請化

この記事の要点 令和5年4月施行の不動産登記法63条3項により、相続人への遺贈は受遺者が単独で登記申請できる 相続人以外への遺贈は従来通り共同申請(遺言執行者または相続人全員との共同)のまま 相続人への遺贈による取得も相続登記の申請義務化(3年以内・10万円以下の過料)の対象 「遺贈する」と書かれた遺言で、長男が直面した壁 亡くなったお父さんが、こんな遺言を残していたとします。 ...

2026年5月19日 · ひぐらしさとし

相続人がいない場合、財産はどうなる?──相続財産清算人と特別縁故者制度

この記事の要点 相続人が一人もいない場合、相続財産は「相続財産法人」となり、家庭裁判所が選ぶ相続財産清算人が管理・清算する 特別縁故者への財産分与は家庭裁判所の裁量判断で、認められるとは限らず、認められても一部にとどまることが多い 分与されなかった財産は最終的に国庫に帰属する(令和5年度は約1,015億円と過去最高) 少子化と高齢化、生涯未婚率の上昇を背景に、「亡くなった方に相続人が一人もいない」というケースが、近年じわじわと増えています。法務省の統計によれば、相続人がいない人の遺産が最終的に国に引き継がれる金額は、令和に入ってから年々過去最高を更新し続けており、社会問題として注目されつつあります。 ...

2026年5月18日 · ひぐらしさとし

限定承認とは?──「相続するか、放棄するか」で迷ったときの第三の選択肢

この記事の要点 限定承認は、プラスの財産の範囲内でだけマイナスの財産(借金)を引き継ぐ制度 相続人全員が共同で・3か月以内に・財産目録を添えて家庭裁判所に申述する必要がある みなし譲渡所得課税という独特の税負担が生じることがある 家族が亡くなって相続が始まったとき、相続人(財産を受け継ぐ立場の人)には、大きく分けて3つの道があります。「単純承認」「相続放棄」、そして今回取り上げる「限定承認(げんていしょうにん)」です。 ...

2026年5月15日 · ひぐらしさとし

本店移転登記の登録免許税は3万円?6万円?──管轄内・管轄外で変わる費用と手続き

この記事の要点 登録免許税は管轄内移転なら3万円、管轄外移転なら6万円(2か所分) 登記は移転の効力発生日から2週間以内、遅れると代表者に過料の可能性 登記が終わっても税務署・年金事務所・許認可官庁への届出が別途必要 リモートワークの定着で、都心のオフィスを引き払って郊外に本店を移したい、創業者の自宅を本店にしていたけれど引っ越しを機に変えたい――そんな相談が増えています。本店を移したら登記が必要なのは知っている、でも「いくらかかるのか」「定款を直さなきゃいけないのか」までは案外あいまい、というのが経営者の方々の正直なところではないでしょうか。 ...

2026年5月14日 · ひぐらしさとし

実家が登記されていない?──『未登記建物』を相続したときに動く順番

この記事の要点 未登記建物は表題登記(土地家屋調査士)→所有権保存登記(司法書士)の順で進める 放置すると売却や担保設定ができず、特定空家等の認定リスクも高まる まずは固定資産税納税通知書と登記簿を見比べ、未登記かどうかを確認するところから 「親の家を相続することになり、登記簿(とうきぼ/法務局が管理する土地・建物の公的な記録)を取りに行ったら、土地は出てきたのに、建物のほうは『該当なし』と言われた──」 ...

2026年5月13日 · ひぐらしさとし

相続放棄の『3ヶ月』はいつから?──知らなかった借金に気づける起算点ルール

この記事の要点 熟慮期間の「3ヶ月」は死亡日からではなく「自己のために相続の開始があったことを知った時」から数える 被相続人と疎遠で借金の存在を全く知らなかった場合、その借金を知った時から3ヶ月とされる余地がある(要件は厳格) 3ヶ月では判断できないときは、満了前に家庭裁判所へ「期間の伸長」を申し立てられる 「相続放棄は3ヶ月以内」──このフレーズだけが独り歩きしているように感じます。 ...

2026年5月12日 · ひぐらしさとし

会社をたたむときの登記の流れ──解散登記から清算結了まで、費用と期間の全体像

この記事の要点 会社の終わり方は「解散」と「清算結了」の2段階。解散しただけでは会社は消えない 官報の債権者保護公告に2か月以上かかるため、最短でも全体で2か月超が必要 実費(登録免許税+官報公告)で7〜8万円程度が目安。お近くの司法書士にご相談ください 中小企業の経営者の間で、ここ数年で関心が高まっているテーマのひとつが「会社をきれいにたたむ手続き」です。後継者がいない、事業の主軸を別法人に移したので旧法人は閉じたい、コロナ後の事業整理で複数あった子会社をひとつに絞りたい──理由はさまざまだとされています。 ...

2026年5月11日 · ひぐらしさとし

相続登記の登録免許税が『ゼロ』になる土地──100万円以下の免税措置を見落とさないために

この記事の要点 固定資産税評価額100万円以下の土地は、相続登記の登録免許税が免税になる(令和9年3月31日まで) 数次相続で中間の相続人が登記をしないまま亡くなった場合の中間登記も、土地であれば価額制限なく免税 免税は自動適用されず、申請書に根拠条文(租税特別措置法第84条の2の2)を書かないと課税されてしまう 「相続登記をすると登録免許税はいくらかかるの?」──相続登記の義務化(令和6年4月施行)をきっかけに、気になっている方も多いのではないでしょうか。 ...

2026年5月10日 · ひぐらしさとし