「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」の違い──法令の時間表現を条文例で読み分ける

この記事の要点 一般には「直ちに」がもっとも急ぎ、「速やかに」「遅滞なく」の順にゆるやかになると説明される ただしこれは一般的な用語法であり、実際の意味はその条文の解釈で決まる 「三年以内」のように数字で区切る期限の定めとは、性質の異なる書き方である 法律の条文は、いつまでにやるべきかを「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」という言葉で示すことがあります。日常では似た意味ですが、法令では書き分けられており、急ぎの度合いが異なるとされています。 ...

2026年7月26日 · ひぐらしさとし

登記の『受付番号』とは?──同じ日に複数の申請が出たときの順番の決まり方

この記事の要点 受付番号は、法務局が登記の申請を受け付けた順に付ける番号で、1年ごとに振り直される 同じ不動産について複数の権利の登記の申請があったときは、受付番号の順序に従って登記が行われる 申請の前後が明らかでないときは同時に申請されたものとみなされ、同じ受付番号が付けられる 登記事項証明書(登記簿)には「令和〇年〇月〇日受付第〇〇号」という記載が並んでいます。この「第〇〇号」が受付番号です。結論から言えば、受付番号は法務局が申請を受け付けた順に付ける通し番号で、同じ不動産に複数の申請があったときの処理の順番を決める目印になります。 ...

2026年7月26日 · ひぐらしさとし

会社の実印(代表者印)と印鑑届は今も必要?──オンライン申請時代の取り扱いを整理

「会社の実印(代表者印)って、もう作らなくていいんですか」——起業を考えている方から、こう聞かれることが増えています。結論からいうと、登記所(法務局)への印鑑の届出(印鑑届)は、オンライン申請であれば任意になりました。ただし、書面申請では今も届出が必要で、融資や不動産取引などの場面では印鑑証明書そのものが実務上求められることが多く、「もう不要」と単純に言い切れる話ではありません。この記事では、制度の変遷と、現時点で会社の実印・印鑑届をどう考えればよいかを整理します。 ...

2026年7月26日 · ひぐらしさとし

土地の「地目」とは?田・畑・宅地・雑種地で何が変わる?相続・売買の登記への影響

この記事の要点 地目(ちもく)とは、登記簿に記録される「土地の主な用途の区分」のこと。田・畑・宅地・雑種地など23種類ある 地目が「田」「畑」(農地)だと、権利を動かしたり別の用途に変えたりする際に農地法の許可・届出が必要になる場合がある 地目や現況(実際の使われ方)によって固定資産税の評価が変わる仕組みがあるが、税額の計算や有利不利の比較は税理士の領域 地目そのものを変更する登記は土地家屋調査士の業務で、司法書士が扱う相続登記・売買登記(権利部の登記)とは担当が異なる まずは登記簿(登記事項証明書)で自分の土地の地目を確認することが、相続や売買を考えるときの最初の一歩 地目とは何か──登記簿に記録された「土地の用途」 地目とは、登記簿上でその土地が主にどのような用途に使われているかを示す区分です。不動産登記規則第99条では、田、畑、宅地、学校用地、鉄道用地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園、雑種地の23種類に区分すると定められています。 ...

2026年7月26日 · ひぐらしさとし

相続の相談、何から話せばいいか分からないときの整理のしかた

この記事の要点 相談前に「困っていること」を箇条書きでメモしておくだけで、話がまとまりやすくなる 大まかな時系列(いつ亡くなったか、これまで何をしたか)を書き出すと状況が伝わりやすい 「うまく話せるか不安」という気持ちも、そのまま伝えてよい 相続の相談を考えたとき、「何から話せばいいのか分からない」「頭の中が整理できていないまま行っていいのか」と迷う方は少なくありません。結論から言うと、整理してから行く必要はありません。整理をお手伝いするのも相談の役割のひとつです。ただ、少しの準備で最初のやり取りがぐっとスムーズになるのも事実です。 ...

2026年7月25日 · ひぐらしさとし

不動産の売買契約書に貼る収入印紙、金額はどう決まる?──印紙税の基礎

この記事の要点 不動産の売買契約書は印紙税の課税対象文書で、契約金額に応じて税額が段階的に決まる 印紙税は登録免許税・不動産取得税とは別の税金で、契約書という「文書」に対して課される 電子データでやり取りする電子契約は、課税文書に該当しないとされている 不動産の売買契約を結ぶとき、契約書に収入印紙を貼っている場面を見たことがある方は多いと思います。これは「印紙税」という税金で、登録免許税や不動産取得税とは別物です。印紙税は不動産そのものを取得したことにではなく、契約書という「文書」を作成したことに対して課される国税です(印紙税法別表第一)。 ...

2026年7月25日 · ひぐらしさとし

資本金はいくらにする?──1円起業の現実と登記・信用への影響

この記事の要点 会社法上、株式会社の資本金は1円でも設立できる(最低資本金制度は廃止済み) ただし実際には運転資金・信用力の観点から、多くの会社が数十万円〜数百万円で設立している 資本金額は登記事項証明書(登記簿謄本)に記載され、取引先や金融機関から見える数字になる 税負担への具体的な影響は税理士へ相談を 「資本金1円で会社が作れる」は本当か 会社設立を検討する方から、よくこんな質問をいただきます。 ...

2026年7月25日 · ひぐらしさとし

私道の相続登記を忘れずに──宅地だけ登記して私道持分が漏れる典型パターン

この記事の要点 家と敷地の相続登記が済んでいても、進入路の私道持分だけ別地番で漏れていることがよくある 私道持分も相続登記の義務化(令和6年4月〜)の対象で、放置すると過料10万円のリスクもある 名寄帳・公図・購入時の重要事項説明書を確認すれば、たいてい見つけられる 「実家の名義変更は終わったから、もう相続登記は大丈夫」──そう思っていたら、家の前の道路(私道)の持分だけ、亡くなった親の名義のまま何十年も残っていた。こうした見落としは、決して珍しいケースではありません。 ...

2026年7月25日 · ひぐらしさとし

生命保険金の請求にも期限がある?相続で見落としやすい『3年』の消滅時効

この記事の要点 生命保険金は受取人固有の財産で、原則として遺産分割の対象外だが、保険金を請求する権利そのものには消滅時効がある 消滅時効の期間は「行使することができる時から3年」(保険法95条1項) 遺産分割や相続放棄の判断に気を取られ、保険金請求そのものが後回しになりやすい点に注意が必要 本文 結論から言うと、生命保険金は受取人固有の財産であるため、原則として遺産分割の対象にはなりませんが、保険金を請求する権利そのものには保険法上の消滅時効があり、いつまでも請求できるわけではありません。 ...

2026年7月24日 · ひぐらしさとし

戸籍の「続柄」欄の読み方──実子と養子の記載の違い、相続人確定での注意点

この記事の要点 戸籍の「続柄」欄には、その人が戸籍の筆頭者・父母から見てどのような続き柄にあたるかが記載される 実子は生まれた順に「長男」「二男」等と記載され、普通養子縁組による養子は「養子」「養女」と記載されて区別できる(特別養子は実子と同じ記載になる) 戸籍が作られた時期によって続柄欄の記載ルール自体が変わっている箇所があり、古い戸籍を読むときは注意が必要 本文 結論から言うと、戸籍の「続柄」欄は、その戸籍に記載されている人が戸籍の筆頭者や父母との関係でどの続き柄にあたるかを示す欄で、相続人を確定する作業では「誰が実子で、誰が養子か」を読み分ける手がかりになります。ただし、続柄欄の記載ルールは戸籍が作られた時期によって変わっている部分があるため、古い戸籍を読むときは表面上の記載だけで判断しないことが大切です。 ...

2026年7月24日 · ひぐらしさとし