相続放棄をしても生命保険金は受け取れる?──受取人が指定された保険金・死亡退職金は『相続財産』ではない

この記事の要点 受取人が指定された生命保険金・死亡退職金は相続財産ではないため、相続放棄をしても受け取れる ただし相続税の計算では「みなし相続財産」として課税対象になり、放棄した人は非課税枠(500万円×法定相続人の数)を使えない 死亡退職金は会社の退職金規程によって扱いが変わるため、まず規程の確認から 「亡くなった父に借金があったので、相続放棄をしようと思う。でも、自分が受取人になっている父の生命保険金は、放棄したら受け取れなくなるのだろうか?」──相続放棄を考えるとき、とても多い疑問です。 ...

2026年6月23日 · ひぐらしさとし

相続人の中に認知症の方がいる──遺産分割は進められる?「成年後見人」が必要になるケース

この記事の要点 相続人に判断能力が不十分な方がいる場合、家族が代わりにサインした遺産分割協議は無効になる 家庭裁判所に成年後見人等を選んでもらい、その人が本人に代わって(または支えながら)協議に参加する必要がある 後見人自身が相続人だと利益相反になることがあり、特別代理人が必要な場合も。元気なうちの備え(遺言・任意後見・家族信託)も検討を 「父が亡くなって相続の手続きを始めたいけれど、母が認知症で、話し合いができない」。 「兄が病気で判断が難しくなっている。遺産分割の書類に、私が代わりにサインしてもいい?」 ...

2026年6月20日 · ひぐらしさとし

「死因贈与」と「遺贈」はどう違う?──生前に『あげる約束』をするときの注意点

この記事の要点 死因贈与は「契約」(あげる人ともらう人の合意が必要)、遺贈は遺言による「単独行為」(もらう人の同意は不要) 税金は原則どちらも相続税の対象。ただし不動産取得税は死因贈与のほうが課税されやすい 不動産があれば、死因贈与は生前のうちに「仮登記」で備えられる。具体的な進め方はお近くの司法書士や税理士へ 「私が死んだら、この家はおまえにあげる」。 ...

2026年6月17日 · ひぐらしさとし

生前にもらった人がいる相続──特別受益と「持戻し」のきほん

この記事の要点 特別受益は、生前贈与や遺贈を「相続分の前渡し」とみなし、遺産に足し戻して計算する調整のしくみ(民法903条) 婚姻20年以上の配偶者への自宅の贈与は、持戻し免除の意思があったと推定される(民法903条4項) 何が特別受益にあたるかは総合判断でケースにより結論が分かれるため、判断に迷うときは早めに専門家へ 「兄は家を建てるとき、親からまとまったお金を出してもらっていた」「妹だけ結婚のときに援助を受けていた」——いざ相続が始まると、こうした生前の贈与をめぐって、きょうだいの間で「不公平ではないか」という思いが表に出てくることがあります。 ...

2026年6月14日 · ひぐらしさとし

未成年の子がいる相続──親は子の代わりに遺産分割できない?「特別代理人」のしくみ

この記事の要点 親と未成年の子がともに相続人になる遺産分割では、親は子を代理できず、家庭裁判所で特別代理人を選んでもらう必要がある(民法826条) 子どもが2人以上いる場合は、子どもごとに別々の特別代理人が必要 申立てには遺産分割協議書の案を添えるのが実務の通例。特別代理人を立てずにした協議は後から効力を否定されるおそれがある 夫が亡くなり、相続人は妻と小学生の子ども2人──。 ...

2026年6月11日 · ひぐらしさとし

「相続させる」と「遺贈する」はどう違う?──遺言の書き方ひとつで手続きが変わる

この記事の要点 「相続させる」は相続人だけに使える書き方、「遺贈する」は相続人以外にも財産を渡せる書き方 名義変更(登記)は「相続させる」なら受け取る人ひとりで申請できるが、「遺贈」は原則として他の相続人(または遺言執行者)との共同申請(相続人への遺贈は2023年からひとりで申請可) 遺言で不動産を受け取ったら、対抗要件(民法899条の2)の問題があるため早めに登記まで済ませる 遺言書を作るとき、財産を誰かに引き継がせる書き方には、大きく分けて二つの言い回しがあります。「長男に自宅を相続させる」と書く方法と、「長男に自宅を遺贈する」と書く方法です。 ...

2026年6月8日 · ひぐらしさとし

法定相続分とは?──配偶者・子・親・兄弟姉妹、それぞれの取り分をやさしく整理

この記事の要点 法定相続分は「遺言も話し合いもないとき」の目安であり、遺言や遺産分割協議があればそちらが優先される 配偶者は常に相続人になり、取り分は一緒に相続する相手が子・親・兄弟姉妹のどれかで1/2・2/3・3/4と変わる 兄弟姉妹が相続人になる場合、半血(父母の一方のみ共通)の兄弟姉妹の取り分は全血の半分になる 「法定相続分」という言葉を聞いたことはあっても、自分の場合はどれくらいの割合になるのか、正確にわかる方は意外と多くありません。配偶者と子がいる場合、配偶者と親の場合、配偶者と兄弟姉妹の場合では、それぞれ割合が変わります。 ...

2026年6月5日 · ひぐらしさとし

遺産の「分け方」には4つの型があります──現物・代償・換価・共有分割の違いと、登記・税金の注意点

この記事の要点 遺産分割には現物分割・代償分割・換価分割・共有分割の4つの型があり、財産ごとに組み合わせて使うこともできる どの方法を選ぶかで、相続登記の進め方や、譲渡所得税・相続税の扱いが変わる 共有分割は将来の合意形成や共有者の増殖リスクがあるため、最終的な分け方としては慎重に検討すべき 「実家の土地建物と、少しの預貯金。相続人は子ども3人」――こうした相続は珍しくありません。このとき悩むのが、「どうやって分けるか」です。 ...

2026年6月2日 · ひぐらしさとし

遺言執行者──選任から、銀行・登記・税務まで「何ができるのか」

この記事の要点 遺言執行者は「遺言の内容を実現する人」で、就任には承諾が必要、就任後は相続人への通知・財産目録の作成・執行・報告の義務を負う 認知や推定相続人の廃除は遺言執行者でなければできない手続き(遺贈の履行も、執行者がいる場合は執行者のみが行う) 遺留分の対応や訴訟は弁護士、相続税の申告は税理士と、専門領域が分かれる 遺言を書いた、あるいは書いてもらった。ところが、いざ亡くなったあとに「これ、誰がどう動かすの?」と立ち止まる方が少なくありません。預金を解約するのは誰か。不動産の名義を変えるのは誰か。相続人全員でいちいち印鑑をもらわなければいけないのか。 ...

2026年5月30日 · ひぐらしさとし

代襲相続──親より先に亡くなった子の権利は誰が引き継ぐのか

この記事の要点 代襲相続が起こる原因は「死亡・相続欠格・相続廃除」の3つだけで、相続放棄は含まれない 子の系統(直系卑属)は孫・ひ孫と再代襲が続くが、兄弟姉妹の系統は甥・姪までの一代限り 代襲相続人にも相続登記の申請義務があり、起算点は「自分が代襲相続人として不動産を取得したと知った日」 「父より先に兄が亡くなっていた。兄の子(つまり私の甥)は、父の遺産を相続できるのか?」「兄弟姉妹だけが相続人だったが、その兄弟姉妹も先に亡くなっていた。甥や姪は相続できる?その子(甥の子)は?」 ...

2026年5月27日 · ひぐらしさとし