相続の相談先で別の専門家を紹介されたら──そのまま頼む前に確認しておきたいこと

この記事の要点 別の専門家を紹介されても、紹介を受けるかどうか、誰に頼むかは相談者が決めてよい 頼む前に、なぜその専門家が必要なのか、紹介先が担当する範囲、費用の見積もりを確かめておくと、あとの行き違いを防ぎやすい 紹介料の有無も尋ねてかまわない。司法書士は、依頼者の紹介について対価を受け取ることも支払うことも、倫理上の決まりで禁じられている 相続の相談に行ったら、「この部分は税理士に」「ここから先は弁護士に」「土地の測量は土地家屋調査士に」と、別の専門家を紹介されることがあります。紹介してもらえるのはありがたい一方で、「断ったら悪いのでは」「言われるまま頼んでいいのか」と迷う方もいるかもしれません。結論から言うと、紹介を受けるかどうかは相談者が決めてよいことです。そのうえで、頼む前にいくつか確かめておくと、あとで「思っていたのと違った」となりにくくなります。 ...

2026年10月25日 · ひぐらしさとし

相談した専門家とは別の専門家にも意見を聞いてよい?──セカンドオピニオンの考え方と伝え方

この記事の要点 別の専門家に意見を聞くこと(セカンドオピニオン)自体は、依頼する前でも後でもできる。ただし依頼前と依頼後では考え方が少し違う 依頼する前なら、複数のところで話を聞いて比べてから決めてよい。依頼した後は、疑問をまず依頼先に尋ねるのが基本 別の専門家に聞くときは、最初に受けた説明・見積・経緯を整理して持っていくと、意見を聞く時間を有効に使える 「一度相談した専門家がいるのに、別のところにも話を聞くのは失礼ではないか」——こう感じて、聞きたいことがあっても言い出せずにいる、ということもあるかもしれません。結論から言うと、別の専門家に意見を聞くこと自体は、相談者が自分で決めてよいことです。ただ、まだ依頼していない段階か、すでに依頼して手続きが動いている段階かで、意識しておきたい点が変わります。 ...

2026年10月21日 · ひぐらしさとし

相続の相談はいつ行けばいい?──四十九日などの区切りの考え方と、早めに動いたほうがよい場合

この記事の要点 四十九日などの区切りは、宗教・宗派や地域、家庭によって考え方が異なる慣習で、法律が定める手続きの期限ではありません。相談に行く時期を法要の日取りに合わせる必要はありません 一方で、相続放棄・限定承認の3か月、準確定申告の4か月、相続税の申告の10か月、相続登記の申請の3年など、法律で期限が決まっている手続きがあります 借金がありそうなとき、相続人と連絡がつかないとき、不動産を売る予定があるときなどは、気持ちの整理を待たずに、期限が関係するかどうかだけでも早めに確かめておくと安心です 「四十九日が済んで、落ち着いてから相談しよう」と考える方もいるでしょう。結論からいえば、相談に行く時期は法要の区切りではなく、「期限のある手続きが関係しそうかどうか」で考えるのが基本です。 ...

2026年10月17日 · ひぐらしさとし

相続の相談中に専門用語が分からないとき──その場で聞き返してよいこと、聞き方のコツ

この記事の要点 相談中に分からない言葉が出てきたら、その場で聞き返してかまわない。意味がずれたまま答えると、事実の確認が食い違うおそれがある 聞き方のコツは「言葉をそのまま繰り返して尋ねる」「自分の言葉で言い直して確かめる」「自分の家族に当てはめてもらう」の3つ 被相続人・法定相続人・登記名義人・遺産分割協議など、相続の相談でよく出る言葉の言い換えを知っておくと、聞き取りやすくなる 相続の相談では、ふだん使わない言葉がいくつも出てきます。「話の腰を折るのは悪い」「こんなことも知らないのかと思われたくない」と、分からないまま聞き流してしまう方もいるかもしれません。結論から言うと、分からない言葉はその場で聞き返してかまいません。 ...

2026年10月13日 · ひぐらしさとし

耳や目が不自由な家族と相続の相談に行くとき──『合理的配慮』をお願いしてよいことと、予約時に伝えておきたいこと

この記事の要点 司法書士事務所などの事業者は、障害のある人から配慮を求める意思が伝えられたとき、負担が過重でない範囲で必要かつ合理的な配慮(合理的配慮)をすることが法律で求められている(2024年4月1日から法的義務) 何をどこまで行うかは一律に決まっておらず、本人と事業者の話し合い(建設的対話)を通じて、代わりの方法も含めて決めていく仕組みになっている 予約の段階で、困る場面・普段使っている工夫・希望するやりとりの方法を伝えておくと、当日の準備がしやすくなる 聞こえにくさや見えにくさのある家族と一緒に相続の相談に行くとき、「筆談をお願いしてもいいのだろうか」「資料を大きな文字にしてほしいと言ったら迷惑では」と遠慮してしまう方もいるかもしれません。結論からいえば、こうした配慮はお願いしてよいものです。障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)で、事業者は、障害のある人から求めがあったとき、負担が過重でない範囲で必要な配慮をすることとされているからです。 ...

2026年10月9日 · ひぐらしさとし

家族を亡くしたばかりで気持ちが追いつかないときの相続相談──つらさを伝えてよいこと、一度に全部話さなくていいこと

この記事の要点 気持ちの整理がつかないまま相続の相談に行ってもかまいません。つらさや「今日はあまり話せないかもしれない」ことは、最初に伝えてよいことです 一度に全部を話したり決めたりする必要はありません。ただし、相続放棄の3か月のように期限のある手続きがあるかどうかだけは、早めに確かめておきたいところです 家族に代わりに話してもらう方法もありますが、手続きを正式に依頼するときは、原則として相続人本人の意思確認が欠かせません 家族を亡くしてまだ日が浅いうちは、手続きの話を聞くだけで涙が出たり、説明が頭に入ってこなかったりすることがあります。「こんな状態で相談に行ってよいのだろうか」とためらう方もいるかもしれません。結論からいえば、気持ちが追いついていないまま相談に行くことは、少しもおかしなことではありません。 ...

2026年10月5日 · ひぐらしさとし

司法書士に相談した内容は外に漏れない?──守秘義務の基礎と、相談前に知っておきたい例外

この記事の要点 司法書士には、業務上取り扱った事件について知った秘密を、正当な事由がなければ他に漏らしてはならない義務があり、司法書士でなくなった後も続きます(司法書士法24条) 日本司法書士会連合会の「司法書士行為規範」では、本人の承諾がある場合や法令に基づく場合など、必要な限度で秘密を開示できる場合が定められています 守秘義務は司法書士の側が負う義務です。登記簿に記録された事項は誰でも証明書を取得できますし、相談する側が送るメールや家族への共有は、自分で気を配る必要があります 相続の相談で言いにくいこと──借金・疎遠な相続人・再婚歴ほど先に伝えたい理由では、言いにくい事情ほど早めに伝えたい理由を整理しました。今回はその前提にある「話した内容はどう扱われるのか」、つまり守秘義務そのものに絞って確認します。 ...

2026年10月1日 · ひぐらしさとし

司法書士への相談予約、電話やメールで何を伝えればいい?──当日を有効に使うための事前連絡

この記事の要点 予約の段階では、相談の目的をひとことで、不動産のおおよその所在地、亡くなった方との関係、期限が迫っている事情の有無、同席する人を伝えておくと、当日の話が早く進む 相手方や他の相続人の名前を聞かれることがある理由の一つとして、利益相反(すでに相手側の相談・依頼を受けていないか)の確認が考えられる 予約の時点で細かな個人情報まで伝える必要はないことが多い。詳しい事情は当日の面談で話せばよい 司法書士事務所に相談を予約するときは、「何の相談か」と「急ぐ事情があるか」の2点を中心に、いくつかの情報を短く伝えておくと、当日の時間を有効に使えます。予約の電話やメールは事情を詳しく説明する場ではありません。事務所の側が当日の準備をするための、最低限の手がかりを渡す場だと考えると気が楽になります。 ...

2026年9月27日 · ひぐらしさとし

司法書士の見積書の読み方──報酬と実費の違い、受け取ったら確認したい点

この記事の要点 見積書は大きく「報酬(司法書士の手数料)」と「実費(登録免許税・証明書の手数料・郵送費など)」に分かれる。まずこの2つを分けて読む 報酬は各司法書士が依頼者との合意で決めるもので、全国一律の報酬基準はない 受け取ったら「どの手続きが含まれるか」「書類取得の代行は含まれるか」「追加費用が出るのはどんなときか」「登録免許税は確定額か概算か」を確認する 司法書士に相続登記などを頼もうとすると、依頼の前に見積書を受け取ることがあります。ただ、項目がいくつも並んでいて、どこをどう読めばよいのか戸惑う方も少なくありません。この記事では、見積書の内訳の読み方と、受け取ったときに確認しておきたい点を整理します。執筆時点(2026年9月)の一般的な解説です。 ...

2026年9月23日 · ひぐらしさとし

司法書士に依頼するとき「重要な事項の説明」で何を聞かれる?──受任前に確認しておきたいこと

この記事の要点 司法書士は依頼を引き受けるにあたり、報酬・費用の金額や算定方法、事件の処理の方法などを依頼者に説明することが職業上のルールで求められている 説明を聞くだけでなく、わからない専門用語やあいまいな点はその場で聞き返してよい 説明を受けた内容は口頭だけで終わらせず、書面(委任契約書など)で手元に残しておくと後で見返せて安心 相続や不動産の名義変更などで司法書士に依頼をすることが決まると、業務を引き受ける前の段階で、報酬や手続きの内容について説明を受ける場面があります。この記事では、この説明で何が伝えられるのか、依頼者としてどう受け止めればよいのかを整理します。 ...

2026年9月19日 · ひぐらしさとし