孫に財産を渡す方法──贈与・遺贈・養子縁組の違いと注意点

この記事の要点 孫は、親(祖父母から見た子)が先に亡くなっている場合の代襲相続を除き、そもそも法定相続人ではない 孫に財産を渡す方法は主に「生前贈与」「遺言による遺贈」「養子縁組(相続人化)」の3つで、渡すタイミングや確実性、家族関係への影響がそれぞれ異なる とくに養子縁組は他の相続人の取り分にも影響する重い制度で、税務上も孫養子には固有の取り扱いがある 制度の違いはこの記事で押さえつつ、具体的な税額や「どれが得か」の判断は税理士に、手続きの進め方はお近くの司法書士にご相談ください 「かわいい孫に、生きているうちから何か残してやりたい」「子だけでなく孫にも財産を分けたい」。相続の相談では、こうした声をよく耳にします。ただ、孫は多くの場合、法律上の相続人ではありません。子が健在であれば、祖父母の相続が発生しても、孫は自動的には財産を受け取れないのです。 ...

2026年7月19日 · ひぐらしさとし

負担付贈与とは──「介護してくれたら家をあげる」の落とし穴

この記事の要点 「介護してくれたら家をあげる」といった条件付きの贈与は「負担付贈与」と呼ばれ、もらう側にも一定の義務が生じる特殊な贈与である 約束した負担(介護など)が果たされない場合、贈与した側が契約を解除できる可能性がある 負担の内容が曖昧なまま口約束にしておくと、「ちゃんとやった/やっていない」で後々深刻なトラブルになりやすい 「介護をしてくれたら、この家をあげる」。家族の間でこうした約束が交わされることは珍しくありません。しかし、この約束は法律上「負担付贈与(ふたんつきぞうよ)」と呼ばれる特殊な贈与にあたり、通常の贈与とは異なるルールが適用されます。約束した介護が実現しなかった場合にどうなるのか、口約束のままにしておくとどんな危険があるのか、あらかじめ知っておくことが重要です。 ...

2026年7月18日 · ひぐらしさとし

生前贈与と遺言、どちらで渡す?──確実さ・費用・撤回のしやすさ比較

この記事の要点 「今すぐ確実に渡したい」なら生前贈与、「亡くなるまで気持ちが変わる可能性がある」なら遺言が入口の目安 生前贈与は原則やり直しがきかず、遺言は何度でも書き直せる(ただし公正証書遺言は作り直しのたびに費用がかかる) 具体的な税額の有利不利は制度の性質だけでは決まらないため、最終判断は税理士へ確認したうえで進める 「子どもに財産を渡したい」と考えたとき、多くの方が最初に迷うのが「生前贈与にするか、遺言にするか」という選択です。どちらも「自分の財産を特定の人に渡す」という点は同じですが、法律上の位置づけはまったく違います。この記事では、税額の有利不利には立ち入らず、確実さ・撤回のしやすさ・手続きの重さ・費用感という「制度の性質」だけを比較します。具体的な税額の有利不利は税理士にご確認ください。 ...

2026年7月17日 · ひぐらしさとし

おしどり贈与──婚姻20年の夫婦の自宅贈与と持戻し免除・登記

この記事の要点 「おしどり贈与」は、婚姻20年以上の夫婦間で自宅などを贈与したときに贈与税を軽くできる制度の通称(贈与税の配偶者控除) 名前が似た民法の「持戻し免除の意思表示の推定」(民法903条4項)は、婚姻20年以上・居住用不動産という要件は共通するが、目的も効果もまったく別の制度 贈与税の具体的な軽減額や適用できるかどうかの判断は税理士の専門領域で、この記事では制度が存在することの紹介にとどめる 自宅を贈与する場合は、税務の検討とあわせて名義変更登記の準備も必要になる 「長年連れ添った夫婦の間で、自宅を贈与するとお得になる制度があるらしい」——そんな話を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。俗に「おしどり贈与」と呼ばれるこの話、実は中身をよく聞くと2つの別々の制度が混ざって語られていることがよくあります。 ...

2026年7月16日 · ひぐらしさとし

名義預金とは──子や孫名義の口座が「相続財産」と扱われるとき

この記事の要点 「名義預金」とは、口座の名義人(子や孫など)と、実際にお金を出して管理していた人(多くは親や祖父母)が食い違っている預金のことです。 名義が家族でも、実質的な持ち主が亡くなった方だと判断されれば、その預金は亡くなった方の財産(相続財産)としてあつかわれることがあります。 どの預金がこれに当たるかという課税上の判断や税額の計算は税理士の分野です。財産を洗い出して名義変更や遺産分割につなげる登記の手続きは、司法書士がお手伝いできます。 「亡くなった父が、孫の名前で通帳をつくって毎年お金を入れていた」「母が、私に知らせないまま私名義の口座で貯金していた」——相続が起きたあとに、こうした通帳が出てくることは珍しくありません。 ...

2026年7月15日 · ひぐらしさとし

贈与契約書の作り方──口約束の贈与が後で揉める理由

この記事の要点 贈与は口約束でも成立するが、書面のない贈与は原則としていつでも解除(撤回)できるため、後で「言った・言わない」の争いになりやすい 贈与契約書を作っておくと、贈与の意思と時期がはっきり残り、相続が起きたときの家族間のトラブルを防ぎやすくなる 契約書には「誰が・誰に・何を・いつ贈るか」を正確に書き、贈与する物が不動産なら登記の名義変更もあわせて必要になる 具体的な贈与税がいくらになるか、どの制度が有利かは税理士に相談する 「孫に100万円あげると約束したのに、後から他の家族ともめてしまった」。生前贈与でこうした行き違いが起きる大きな原因は、贈与を口約束だけで済ませてしまうことにあります。結論から言えば、贈与契約書を1枚作っておくだけで、後々のトラブルの多くは防げます。 ...

2026年7月14日 · ひぐらしさとし

暦年贈与と相続時精算課税──2024年改正後の選び方の入口(計算は税理士へ)

この記事の要点 生前贈与には「暦年贈与」と「相続時精算課税」という2つの制度があり、2024年1月の改正で仕組みが大きく変わった 暦年贈与は死亡前の「加算期間」が3年から7年に延長され、相続時精算課税には新たに年110万円の基礎控除が新設された どちらが向いているかは年齢・財産の状況・贈与の目的によって変わるため、一般的な仕組みはこの記事で押さえつつ、具体的な有利選択や税額計算は税理士に相談するのが安心 不動産を贈与する場合は、税務の選択とあわせて名義変更登記の準備も必要になる 「子や孫に、元気なうちに財産を渡しておきたい」。そう考えたとき、多くの方が耳にするのが「暦年贈与」と「相続時精算課税」という2つの制度です。どちらも生前に財産を贈る際の贈与税のしくみですが、2024年1月の税制改正で内容が大きく変わり、以前の知識のままだと判断を誤りかねません。 ...

2026年7月13日 · ひぐらしさとし