経営者の連帯保証は相続される──会社の借金と経営者保証ガイドラインの入口

この記事の要点 会社の借金そのものは会社の債務であり、社長が亡くなっても相続人には引き継がれない ただし社長が個人として結んでいた連帯保証(経営者保証)は相続の対象になり、相続分に応じて分割して引き継がれるのが原則 継続的な融資をまとめて保証する「個人根保証契約」は、保証人の死亡によって元本が確定する(民法465条の4)=亡くなった後の新たな借入まで保証が広がることはない 対処の選択肢として相続放棄・限定承認があり、期限は原則3か月。どれを選ぶべきかは個別の事情による 金融機関との交渉や保証債務の整理方針は弁護士の領域。「経営者保証に関するガイドライン」という枠組みの存在も知っておきたい 会社を経営していた家族が亡くなったとき、遺された方が最も不安に感じることのひとつが「会社の借金はどうなるのか」という問題です。 ...

2026年8月27日 · ひぐらしさとし

土地家屋調査士試験 試験対策 第125回──建物の表題登記の申請/調査士の義務/竹木の枝の切除及び根の切取り/測量の基準/調査士の登録の取消し

問題: 建物の表題登記の申請に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。 ア. 新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1か月以内に、表題登記を申請しなければならない。 ...

2026年8月26日 · ひぐらしさとし

土地家屋調査士試験 試験対策 第124回──土地の分筆・合筆の登記/調査士の登録/隣地の使用/基本測量の測量成果/職権による表示登記と登記官の調査

問題: 土地の分筆又は合筆の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。 ア. 分筆又は合筆の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 ...

2026年8月25日 · ひぐらしさとし

土地家屋調査士試験 試験対策 第123回──河川区域内の土地の登記/調査士に対する懲戒/境界標及び囲障の設置/公共測量の作業規程及び計画書/地図の作成方法及び精度区分

問題: 河川区域内の土地の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。 ア. 河川法第6条第1項の河川区域内の土地の表示に関する登記の登記事項は、不動産登記法第27条各号及び第34条第1項各号に掲げるもののほか、当該土地が河川区域内の土地である旨とされている。 ...

2026年8月24日 · ひぐらしさとし

ライフラインを隣地に通せる「設備設置権」──水道・電気・ガスの導管と民法改正

この記事の要点 他人の土地に設備を通すか、他人の設備を使わなければ電気・ガス・水道の供給を受けられない土地の所有者は、必要な範囲でそれができる(民法213条の2第1項) 場所と方法は「相手にとって損害がいちばん少ないもの」を選び、あらかじめ目的・場所・方法を相手に通知しなければならない(同条2項・3項) 他の土地に設備を設置したときは土地の損害に対する償金、他人の設備を使うときはその使用を開始するために生じた損害に対する償金と、利益を受ける割合に応じた設置・維持費用の負担が必要(同条5項〜7項) 土地を分けた(分筆・一部譲渡した)ことでライフラインを引けない土地が生じた場合は、分割の相手方の土地だけに設備を設置でき、土地の損害に対する償金は不要(民法213条の3) 話し合いがまとまらない、償金の額でもめる、工事を止められた──といった争いになった段階では弁護士へ。制度の位置づけや登記の関わりはお近くの司法書士にご相談ください 家を建てようとしたら、水道の本管が前面道路まで来ておらず、隣の土地の下を通さないと引き込めない。あるいは、隣家がすでに引いている給水管に分岐させてもらわないと水が来ない。こうした「ライフラインが自分の土地まで届かない」場面のために、民法には設備設置権・設備使用権という規定が置かれています(民法213条の2)。 ...

2026年8月24日 · ひぐらしさとし

「追認」とは? 取り消せる行為・無権代理を有効に確定させる意味

この記事の要点 追認(ついにん)とは、取消しができる行為や無権代理行為のように、いったん効力が不確定な状態にある法律行為を、後から「有効なものとする」と確定させる意思表示のこと 効果は場面によって違い、無権代理行為の追認は原則として契約の時にさかのぼって効力が生じる(民法116条)のに対し、取り消すことができる行為の追認は「以後、取り消すことができない」という効果になる(民法122条) 追認ができるのは誰でもよいわけではなく、取消しができる行為なら取消権を持つ人、無権代理行為なら本人というように、法律が定める立場の人に限られる 契約書や登記の話をしていると、「あとで追認すれば大丈夫です」という言い方を聞くことがあります。追認とは、いったん効力が不確定になっている法律行為を、後から「有効なものとして確定させる」意思表示のことです。似た言葉に「承認」や「同意」がありますが、追認は「すでに行われた行為の効力を、事後に確定させる」という点に特徴があります。 ...

2026年8月23日 · ひぐらしさとし

土地家屋調査士試験 試験対策 第122回──登記の申請の却下/土地家屋調査士法人の解散/地役権/測量業者の登録の拒否及び取消し/共有物の管理者

問題: 登記の申請の却下に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。 ア. 登記官は、不動産登記法第25条各号に掲げる場合には、理由を付した決定で、登記の申請を却下しなければならないが、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に申請人がこれを補正したときは、この限りでない。 ...

2026年8月23日 · ひぐらしさとし

隣地使用権とは──工事や測量で「お隣の土地に入る」ときのルール

この記事の要点 隣地使用権は、境界標の調査・測量や、塀・建物の築造・修繕などのために、必要な範囲でお隣の土地を使わせてもらえる民法上の権利 使える目的は限定されており、あらかじめ目的・日時・場所・方法を通知する必要がある 住まいとして使われている建物に立ち入るときは、居住者の承諾が別途必要 隣地の所有者や使用者が損害を受けたときは、償金(金銭による償い)を請求できる 「境界標の調査で測量士さんがお隣の土地に立ち入ると言っている」「塀を建て替えるのに、どうしてもお隣側から作業しないといけない」――こうした場面で出てくるのが「隣地使用権」です。 ...

2026年8月23日 · ひぐらしさとし

土地家屋調査士試験 試験対策 第121回──土地家屋調査士法人/継続的給付を受けるための設備の設置権等/共有物の分割及び持分の放棄/筆界特定の申請の却下/永久標識及び一時標識に関する通知

問題: 土地家屋調査士法人に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。 ア. 調査士は、土地家屋調査士法第五章の定めるところにより、調査士の業務を行うことを目的とする法人である土地家屋調査士法人(以下「調査士法人」という。)を設立することができ、調査士法人の社員は、調査士でなければならない。 ...

2026年8月22日 · ひぐらしさとし

隣の木の枝が越境してきたら──2023年民法改正で「自分で切れる」ようになった条件

この記事の要点 令和5年(2023年)4月1日施行の民法改正で、一定の条件を満たせば隣地の木の枝を自分で切除できるようになった 条件は「催告しても切除されない」「所有者が分からない」「急迫の事情がある」の3つのうちいずれか一つ 木の根は改正前から変わらず自分で切り取れる。実際にもめている場合は弁護士にご相談ください 切るために隣地に立ち入る必要があるときは、あらかじめ隣地の所有者などへの通知が必要(民法209条) 「隣の家の木の枝が、うちの敷地にどんどん伸びてきている」「柿の実が越境した枝になっていて、落ち葉の掃除も負担」――こうした境界をまたぐ木の枝のトラブルは、昔からよくある近隣間のもめごとの一つです。 ...

2026年8月22日 · ひぐらしさとし