問題: 土地の地積に関する更正の登記(地積更正登記)に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
ア. 地積更正登記は、登記記録上の地積が登記当初から実際の地積と相違している場合に、これを正しい地積に改めるためにする登記である。
イ. 地積更正登記の申請情報には、その土地の地積測量図を添付情報として提供しなければならない。
ウ. 地積更正登記は、その土地の表題部所有者又は所有権の登記名義人が申請することができる。
エ. 登記記録上の地積が、登記後に生じた土地の物理的な変動(公有水面の埋立てによる増加等)によって実際と異なるに至った場合には、地積更正登記によってこれを是正する。
オ. 地積更正登記には、地目変更登記のような「変更があった日から1か月以内」といった申請義務の定めはない。
答え: 誤っているものは、エの1つである。
解説: ア(正しい)。地積更正登記は、登記当初から登記記録上の地積が実際の地積と一致していない場合に、これを正しい地積に改める登記である(更正の登記の意義につき不動産登記法2条16号)。
イ(正しい)。地積に関する更正の登記の申請には、地積測量図を添付情報として提供しなければならない(不動産登記令別表)。
ウ(正しい)。表題部の登記事項に関する更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は申請することができない(不動産登記法38条)。地積更正登記も、これらの者が申請する。
エ(誤り)。登記後に生じた物理的変動(埋立てによる地積の増加等)によって地積が実際と異なるに至った場合は、当初からの錯誤・遺漏を是正する「更正」ではなく、地積の「変更」の登記によることになる。本記述は更正と変更を取り違えており、誤りである。
オ(正しい)。地積更正登記は当初からの錯誤・遺漏の是正であり、地目変更登記等のような1か月以内の申請義務の定めはない。
問題: 建物の表題部の変更の登記に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア. 建物の増築によって床面積に変更が生じたときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から1か月以内に、建物の表題部の変更の登記を申請しなければならない。
イ. 建物の種類又は構造に変更があったときも、その変更があった日から1か月以内に表題部の変更の登記を申請しなければならない。
ウ. 既存の主たる建物に附属建物を新築して附属させたときは、建物の表題部の変更の登記を申請する。
エ. 建物の一部を取り壊して床面積が減少したが建物自体は存続している場合には、建物の滅失の登記を申請しなければならない。
オ. 床面積に変更を生ずる建物の表題部の変更の登記の申請には、変更後の状況を示す建物図面及び各階平面図を提供する。
答え: 正しいものは、ア・イ・ウ・オの4つである。
解説: ア(正しい)。建物の床面積の変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、変更があった日から1か月以内に表題部の変更の登記を申請しなければならない(不動産登記法51条1項)。
イ(正しい)。建物の種類・構造・床面積に変更があったときは、いずれも1か月以内の申請義務がある(不動産登記法51条1項)。
ウ(正しい)。附属建物を新築して既存建物に附属させた場合は、建物の表題部の変更の登記による。
エ(誤り)。建物の一部を取り壊しても建物自体が存続している場合は、床面積の減少として表題部の変更の登記をする。滅失の登記は建物の全部が物理的に消滅した場合の登記であり、本記述は誤りである。
オ(正しい)。床面積に変更を生ずる表題部変更登記の申請には、変更後の建物図面及び各階平面図を提供する(不動産登記令別表)。
問題: 土地家屋調査士法人に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
ア. 土地家屋調査士法人の社員は、土地家屋調査士でなければならない。
イ. 土地家屋調査士法人は、その定款について公証人の認証を受けなければ成立しない。
ウ. 社員が一人の土地家屋調査士法人を設立することができる。
エ. 土地家屋調査士法人の社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、各自が法人の業務を執行する権利を有し、義務を負う。
オ. 土地家屋調査士法人は、筆界特定の手続についての代理に関する業務を行うことができない。
答え: 誤っているものは、イ・オの2つである。
解説: ア(正しい)。土地家屋調査士法人の社員は、土地家屋調査士でなければならない(土地家屋調査士法28条1項)。
イ(誤り)。土地家屋調査士法人は、定款を定め、主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。定款について公証人の認証を受けることは要件とされていない。本記述は誤りである。
ウ(正しい)。令和元年改正(令和2年8月1日施行)により、社員が一人の土地家屋調査士法人を設立することができるようになった。
エ(正しい)。土地家屋調査士法人の社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、各自が法人の業務を執行する権利を有し、義務を負う。
オ(誤り)。土地家屋調査士法人は、土地家屋調査士の業務(土地家屋調査士法3条1項各号)を行うことができ、筆界特定の手続についての代理(同条1項4号)もその業務に含まれる。これを行えないとする本記述は誤りである。
問題: 三辺の長さがそれぞれ 20.00 m、21.00 m、29.00 m である三角形の土地がある。この土地の地積として最も近いものはどれか(関数電卓の使用可)。
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203.00 ㎡
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210.00 ㎡
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217.00 ㎡
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294.00 ㎡
答え: 2(210.00 ㎡)
解説: 三辺の長さ $a, b, c$ が分かっているときの三角形の面積は、ヘロンの公式で求められる。
まず $s = \dfrac{a+b+c}{2} = \dfrac{20.00 + 21.00 + 29.00}{2} = 35.00$
$$ S = \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)} = \sqrt{35.00 \times 15.00 \times 14.00 \times 6.00} = \sqrt{44100} = 210.00 \text{ ㎡} $$
なお、この三角形は $20.00^2 + 21.00^2 = 400 + 441 = 841 = 29.00^2$ を満たす直角三角形であるため、直角を挟む2辺を用いて $S = \dfrac{20.00 \times 21.00}{2} = 210.00$ ㎡ と検算できる。
問題: 共有物の管理等に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはいくつあるか(令和3年改正民法・令和5年4月1日施行後の規律による)。
ア. 共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)を加えるには、共有者全員の同意を得なければならない。
イ. 共有物の管理に関する事項は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。
ウ. 共有物の形状又は効用の著しい変更を伴わない変更(軽微変更)は、各共有者の持分の価格の過半数で決することができる。
エ. 共有物を使用する共有者があるときは、その共有者の同意がなければ、共有物の管理に関する事項を決することができない。
オ. 他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、当該他の共有者以外の共有者の持分の価格の過半数で管理に関する事項を決することができる旨の裁判をすることができる。
答え: 正しいものは、ア・イ・ウ・オの4つである。
解説: ア(正しい)。共有物に変更(軽微変更を除く。)を加えるには、共有者全員の同意を得なければならない(民法251条1項)。
イ(正しい)。共有物の管理に関する事項は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する(民法252条1項前段)。
ウ(正しい)。形状又は効用の著しい変更を伴わない変更(軽微変更)は、管理に関する事項として持分の価格の過半数で決することができる(民法251条1項かっこ書、252条1項)。令和3年改正で明確化された点である。
エ(誤り)。共有物を使用する共有者があるときであっても、持分の価格の過半数で管理に関する事項を決することができる(民法252条1項後段)。ただし、その決定が共有物を使用する共有者に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない(同条3項)。「同意がなければ決することができない」とする本記述は誤りである。
オ(正しい)。共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、当該他の共有者以外の共有者の持分の価格の過半数で管理に関する事項を決することができる旨の裁判をすることができる(民法252条2項1号)。
出題分野の振り分け
| 問題 | 分野 | 主な論点・根拠条文 |
|---|---|---|
| 第1問 | 不動産登記法(表示) | 地積更正登記と地積変更登記の区別(不登法38条、不登令別表) |
| 第2問 | 不動産登記法(表示) | 建物の表題部の変更の登記(不登法51条1項、不登令別表) |
| 第3問 | 土地家屋調査士法 | 土地家屋調査士法人(調査士法28条ほか、令和元年改正の一人法人) |
| 第4問 | 測量計算 | 三斜求積(ヘロンの公式)・関数電卓使用可 |
| 第5問 | 民法 | 共有物の管理(民法251条・252条、令和3年改正・令和5年4月1日施行) |