問題: 表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア.この法律にいう「表題部所有者不明土地」とは、所有権の登記がない一筆の土地のうち、表題部に所有者の氏名又は名称及び住所の全部又は一部が登記されていないもの(一定の除外事由に該当するものを除く。)をいう。

イ.登記官は、表題部所有者不明土地について、その所有者等の探索を行うため、必要な調査をすることができる。

ウ.登記官による探索の結果、表題部所有者について所有権の登記名義人となるべき者を特定できたときは、登記官は、職権で、その者を所有権の登記名義人とする所有権の登記を直接行う。

エ.表題部所有者不明土地の管理を行う者として、地方裁判所は、利害関係人の請求により、表題部所有者不明土地管理者を選任することができる。

オ.表題部所有者不明土地管理者は、裁判所の許可を得ることなく、対象土地を売却することができる。

答え: 正しいものは、ア・イ・エの3つである。

解説: アは、この法律の定義規定(同法2条1項)のとおり正しい。同項は「表題部所有者不明土地」を、所有権の登記がない一筆の土地のうち、表題部に所有者の氏名又は名称及び住所の全部又は一部が登記されていないもの(国・地方公共団体等が所有していることが登記記録上明らかなものを除く)と定めている。イは、登記官による所有者等の探索のための調査権限として正しい(同法5条。登記官は実地調査や関係者からの事実聴取・資料提出の求めその他必要な調査をすることができる)。なお本法は令和元年法律第15号・令和元年5月24日公布で、登記の適正化に関する措置は令和元年11月22日施行、管理の適正化に関する措置は令和2年11月1日施行の2段階構成である。エは、表題部所有者不明土地の管理命令に関する非訟事件は、土地の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属し(同法31条)、利害関係人の申立てにより管理者による管理を命ずる処分がされる(同法19条等)とおり正しい。

ウは誤り。登記官は、所有者等の特定をしたときは、職権で表題部所有者の登記を抹消し、その特定の区分に応じて表題部に所定の事項を登記する(同法15条1項)。所有権の登記名義人とする所有権の登記を直接するものではない。

オも誤り。表題部所有者不明土地管理者が、保存行為や対象土地等の性質を変えない範囲内での利用・改良を目的とする行為の範囲を超える行為(対象土地の売却等)をするには、裁判所の許可を得なければならない(同法21条2項)。


問題: 土地家屋調査士法人に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア.調査士法人の社員は、すべて土地家屋調査士でなければならない。

イ.調査士法人の社員は、法人の債務について、連帯して無限の責任を負う。

ウ.調査士法人は、その社員が1人であっても設立することができる。

エ.調査士法人の社員は、他の調査士法人の社員となることができる。

オ.調査士法人が解散した場合の清算人は、社員以外の者を選任することができる場合がある。

答え: 誤っているものは、エの1つである。

解説: アは調査士法人の社員資格として正しい(土地家屋調査士法28条1項。社員は調査士でなければならない)。イは、調査士法人の財産をもってその債務を完済することができないときは、各社員が連帯してその弁済の責任を負うという規律(合名会社に準じた規律)として正しい(同法35条の3)。ウは、令和元年改正法(令和2年8月1日施行)により、社員が1人のみの調査士法人の設立が可能になったこととして正しい。オは、調査士法人の清算人は調査士でなければならないが(同法39条3項)、清算人は必ずしも社員に限られず、社員でない調査士や、会社法の準用(同法41条3項による会社法644条以下の準用)に基づき裁判所が選任する清算人があり得るため、正しい。

エは誤り。調査士法人の社員は、自己若しくは第三者のためにその調査士法人の業務の範囲に属する業務を行い、又は他の調査士法人の社員となってはならないとされている(同法37条1項。競業避止義務)。したがって「他の調査士法人の社員となることができる」は誤りである。


問題: 令和5年4月1日に施行された、土地の所有者による設備の設置権及び設備の使用権(いわゆるライフライン設置権)に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア.土地の所有者は、他の土地に設備を設置しなければ、又は他人が所有する設備を使用しなければ、電気、ガス又は水道水の供給その他これらに類する継続的給付を受けることができないときは、継続的給付を受けるため必要な範囲内で、他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用することができる。

イ.他の土地に設備を設置する者は、あらかじめ、その目的、場所及び方法を当該他の土地の所有者及び当該土地を現に使用している者に通知しなければならない。

ウ.設備を設置し、又は使用するために他の土地を使用する場合における使用の場所及び方法についての規律は、隣地使用に関する規律を準用しないものとされている。

エ.他の土地に設備を設置する者は、必要があるときは、その土地の損害に対して償金を支払わなければならないが、継続的な使用料に相当するものについては、1年ごとにその償金を支払うことができる。

オ.他人が所有する設備を使用する者は、その利益を受ける割合に応じて、設備の設置、改築、修繕及び維持に要する費用を負担しなければならない。

答え: 誤っているものは、ウの1つである。

解説: アは民法213条の2第1項のとおり正しい。イは同条3項(事前の通知義務)のとおり正しい。エは同条5項のとおり正しい(一括払いが原則だが継続的な使用料相当分は1年ごとの支払いが可能)。オは同条7項のとおり正しい(他人が所有する設備を使用する者は、その利益を受ける割合に応じて、その設備の設置・改築・修繕及び維持に要する費用を負担する)。

ウは誤り。設備の設置・使用のために他の土地を使用する場合については、隣地使用に関する規律(民法209条1項ただし書及び2項から4項まで)が準用されるとされており(民法213条の2第4項)、「準用しない」というのは誤りである。


問題: 三角形ABCにおいて、辺AB=80.00m、辺AC=60.00m、∠BAC=60°00′00″であるとき、辺BCの長さとして最も近いものはどれか。

ア.72.11m

イ.68.00m

ウ.74.83m

エ.65.32m

オ.70.00m

答え: アである。

解説: 2辺とその間の角が分かっている場合、残る1辺の長さは余弦定理を用いて求める。

$$BC^2 = AB^2 + AC^2 - 2 \cdot AB \cdot AC \cdot \cos(\angle BAC)$$

数値を代入すると、

$$BC^2 = 80.00^2 + 60.00^2 - 2 \times 80.00 \times 60.00 \times \cos 60°$$

$$BC^2 = 6400.00 + 3600.00 - 9600.00 \times 0.50000 = 10000.00 - 4800.00 = 5200.00$$

$$BC = \sqrt{5200.00} = 72.111\ldots \approx 72.11\text{m}$$

したがって、アが最も近い。


問題: 建物図面及び各階平面図の記載に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア.建物図面には、方位を記載しなければならない。

イ.建物図面の縮尺は、原則として500分の1と定められている。

ウ.各階平面図の縮尺は、原則として250分の1と定められている。

エ.各階平面図には、各階ごとに、建物の階数を表示しなければならない。

オ.建物図面及び各階平面図は、いずれも同一の用紙に作成しなければならず、別の用紙に分けて作成することは一切認められない。

答え: 誤っているものは、オの1つである。

解説: アは、建物図面に方位を記録しなければならないとする不動産登記規則82条2項のとおり正しい。イは、建物図面を500分の1の縮尺により作成するとする同規則82条3項のとおり正しい。ウは、各階平面図を250分の1の縮尺により作成するとする同規則83条2項のとおり正しい。エは、各階平面図に各階の別を記録しなければならないとする同規則83条1項のとおり正しい。

オは誤り。建物図面及び各階平面図は、原則として規則所定の様式により1枚の用紙を用いて作成し、その右半面に建物図面、左半面に各階平面図を記録する取扱いとされているが、1枚の用紙に記載することができない場合には各別の用紙を用いて作成することができるとされている(不動産登記事務取扱手続準則)。したがって、別の用紙に分けて作成することが「一切認められない」というのは誤りである。

出題分野の振り分け

出題分野 論点
第1問 不動産登記法(表示・特別法) 表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律
第2問 土地家屋調査士法 調査士法人の社員の責任・設立・兼業禁止
第3問 民法(相隣関係) ライフライン設置権(民法213条の2・令和5年4月1日施行)
第4問 測量計算 余弦定理による辺長計算
第5問 図面作成 建物図面・各階平面図の記載事項