問題: 建物として登記することができる要件に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア. 建物として登記するには、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあることを要する。

イ. 外気を分断する周壁を有しない建造物であっても、その用途・構造から独立した建物として取り扱われる場合がある。

ウ. 建物として登記できるかどうかは、定着性、外気分断性及び用途性の観点から判断される。

エ. 容易に移動することができるコンテナを土地上に置いただけで、これを基礎に固定していないものは、原則として土地への定着性を欠き、建物として登記することができない。

オ. 建築中の建物は、屋根及び周壁を備え独立して風雨をしのぐことができる程度に達していなくても、建物として表題登記をすることができる。

答え: 誤っているものは、オ の1つである。

解説: ア(正しい)。建物の意義に関する不動産登記規則111条の要件(定着性・外気分断性・用途性)です。

イ(正しい)。ガソリンスタンドの上屋のように周壁を有しない建造物でも、用途・構造から建物として認定される例があります。要件は総合的に判断されます。

ウ(正しい)。建物認定は、定着性・外気分断性・用途性を総合考慮して判断されます。

エ(正しい)。基礎に固定されず容易に移動できるものは、土地への定着性を欠くため、原則として建物として登記できません。

オ(誤り)。建築中の建造物は、社会通念上建物と認められる程度(屋根及び周壁を備え、独立して風雨をしのげる程度)に達して初めて建物となります。その程度に達する前は建物として登記することはできません。したがって誤っているのはオの1つです。


問題: 土地家屋調査士の義務に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア. 調査士は、正当な事由がある場合でなければ、その業務の取扱いに係る依頼を拒むことができない。

イ. 調査士は、故意に、真実に反する調査又は測量をしてはならない。

ウ. 調査士は、正当な理由がなく、その業務上取り扱った事件について知り得た秘密を他に漏らしてはならない。この義務は、調査士でなくなった後も同様である。

エ. 調査士は、その業務に関する事件簿を備え、これに事件の関係書類に関する事項を記載しなければならない。

オ. 調査士は、その所属する土地家屋調査士会の会則は遵守しなければならないが、日本土地家屋調査士会連合会の会則については遵守する義務を負わない。

答え: 誤っているものは、オ の1つである。

解説: ア(正しい)。依頼に応ずる義務です。正当な事由がなければ依頼を拒めません。

イ(正しい)。真実に反する調査・測量の禁止です。調査士の業務の公正を担保する規定です。

ウ(正しい)。秘密保持の義務であり、調査士でなくなった後も及びます。

エ(正しい)。調査士は事件簿を備え、業務に関する記録を保存する義務を負います。

オ(誤り)。調査士は、所属する調査士会の会則のみならず、日本土地家屋調査士会連合会の会則についても遵守する義務を負います。したがって誤っているのはオの1つです。


問題: 共有物の管理及び変更に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはいくつあるか(令和3年法律第24号による改正後の民法による)。

ア. 共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)を加えるには、共有者全員の同意を要する。

イ. 共有物の管理に関する事項は、変更を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。

ウ. 共有物の保存行為は、各共有者が単独ですることができる。

エ. 共有物の形状又は効用の著しい変更を伴わない変更(いわゆる軽微変更)は、共有者全員の同意がなければすることができない。

オ. 共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、当該他の共有者以外の共有者の持分の価格の過半数で共有物の管理に関する事項を決することができる旨の裁判をすることができる。

答え: 誤っているものは、エ の1つである。

解説: ア(正しい)。共有物の変更(軽微変更を除く。)には共有者全員の同意を要します(民法251条1項)。

イ(正しい)。管理に関する事項は持分価格の過半数で決します(民法252条1項前段)。

ウ(正しい)。保存行為は各共有者が単独でできます(民法252条5項)。

エ(誤り)。形状又は効用の著しい変更を伴わない軽微変更は、「変更」から除かれ、管理に関する事項として持分の価格の過半数で決することができます(民法251条1項括弧書・252条1項)。全員の同意は不要です。

オ(正しい)。所在等不明共有者がいる場合、裁判所の裁判により、その者以外の共有者の持分の過半数で管理事項を決することができます(民法252条2項1号)。

したがって誤っているのはエの1つです。


問題: 下図のように、既知点Aから測線A→B、B→Cを順に測定した。各測線の距離及び方位角が次のとおりであるとき、点Cの座標値として最も近いものはどれか。

  • 点Aの座標:$X_A = 150.000,\mathrm{m}$、$Y_A = 100.000,\mathrm{m}$
  • 測線A→B:距離 $60.000,\mathrm{m}$、方位角 $60°00'00’'$
  • 測線B→C:距離 $40.000,\mathrm{m}$、方位角 $150°00'00’'$

なお、$\sqrt{3} = 1.7320508$ とし、座標値は小数第3位までとする。

  1. $X_C = 145.359,\mathrm{m}$、$Y_C = 171.962,\mathrm{m}$

  2. $X_C = 154.641,\mathrm{m}$、$Y_C = 171.962,\mathrm{m}$

  3. $X_C = 145.359,\mathrm{m}$、$Y_C = 128.038,\mathrm{m}$

  4. $X_C = 135.359,\mathrm{m}$、$Y_C = 171.962,\mathrm{m}$

  5. $X_C = 145.359,\mathrm{m}$、$Y_C = 168.038,\mathrm{m}$

答え: 最も近いものは、1 である。

解説: 各測線の緯距($\Delta X = S\cos\alpha$)と経距($\Delta Y = S\sin\alpha$)を求め、順に座標を加算します。

測線A→B($S=60.000$、$\alpha=60°$):

$$\Delta X_{AB} = 60.000 \times \cos 60° = 60.000 \times 0.500 = 30.000$$

$$\Delta Y_{AB} = 60.000 \times \sin 60° = 60.000 \times 0.8660254 = 51.962$$

よって点B:$X_B = 150.000 + 30.000 = 180.000$、$Y_B = 100.000 + 51.962 = 151.962$

測線B→C($S=40.000$、$\alpha=150°$):

$$\Delta X_{BC} = 40.000 \times \cos 150° = 40.000 \times (-0.8660254) = -34.641$$

$$\Delta Y_{BC} = 40.000 \times \sin 150° = 40.000 \times 0.500 = 20.000$$

よって点C:

$$X_C = 180.000 + (-34.641) = 145.359$$

$$Y_C = 151.962 + 20.000 = 171.962$$

したがって、点Cの座標は $X_C = 145.359,\mathrm{m}$、$Y_C = 171.962,\mathrm{m}$ となり、最も近いものは1です。

なお、土地家屋調査士試験では関数電卓(プログラム機能のないもの。2台まで)の持込みが認められており、$\cos$・$\sin$ の値はこれを用いて計算します。


問題: 表示に関する登記の通則に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア. 土地の分筆の登記や建物の合併の登記は、当事者の意思に基づき登記記録上の不動産の個数や範囲を新たに形成する登記(形成的登記)である。

イ. 新築した建物の表題登記や土地の地目の変更の登記は、不動産の現況に登記を合わせる報告的登記であり、原則として一定期間内の申請義務がある。

ウ. 新築した建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1か月以内に、建物の表題登記を申請しなければならない。

エ. 登記官は、表示に関する登記について、申請がなくても、職権ですることができる。

オ. 表示に関する登記は、常に当事者の申請がなければすることができず、登記官が職権ですることはできない。

答え: 誤っているものは、オ の1つである。

解説: ア(正しい)。分筆・合筆・分割・合併の登記は、不動産の個数や範囲を変動させる形成的(創設的)な性質を持つ登記とされます。

イ(正しい)。建物の新築による表題登記や地目変更の登記は、現況に登記を合わせる報告的登記であり、申請義務が課されています。

ウ(正しい)。新築建物の表題登記は、所有権の取得の日から1か月以内に申請しなければなりません(不動産登記法47条1項)。

エ(正しい)。登記官は、表示に関する登記について職権ですることができます(不動産登記法28条)。

オ(誤り)。エのとおり、表示に関する登記は登記官の職権でもすることができます(同法28条)。したがって誤っているのはオの1つです。


出題分野の振り分け

問題 分野 主な論点
第1問 不動産登記法(表示) 建物として登記できる要件(定着性・外気分断性・用途性、規則111条)
第2問 土地家屋調査士法 依頼応諾義務・真実に反する調査測量の禁止・秘密保持・会則遵守
第3問 民法 共有物の管理・変更・軽微変更(令和3年改正、251条・252条)
第4問 測量計算 トラバースの座標計算(緯距・経距、方位角と距離から新点座標を算出)
第5問 不動産登記法(表示) 表示に関する登記の通則(報告的登記・形成的登記・職権登記・申請義務)