問題: 土地の分筆の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア.分筆又は合筆の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。
イ.一筆の土地の一部が別の地目となったにもかかわらず分筆の登記の申請がない場合、登記官は、職権で、その土地の分筆の登記をしなければならない。
ウ.登記官は、分筆の登記の申請がない場合であっても、地図を作成するため必要があると認めるときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人の異議の有無にかかわらず、職権で分筆の登記をすることができる。
エ.共有に属する一筆の土地の分筆の登記は、共有者の1人から、共有者全員のために申請することができる。
オ.分筆の登記を申請する場合には、地積測量図を提供しなければならない。
答え: 正しいものは、ア・イ・エ・オの4つである。
解説: アは不動産登記法39条1項のとおり正しい(分筆・合筆の登記の申請適格を表題部所有者又は所有権の登記名義人に限定する規定)。イは同法39条2項のとおり正しい(申請がない場合の登記官の職権分筆義務)。エは、分筆の登記の申請が共有物の保存行為に準じるものとして、共有者の1人から共有者全員のために申請することができるとされている。オは不動産登記令別表七の項のとおり正しい。
ウは誤り。同法39条3項は、地図作成のために登記官が職権で分筆又は合筆の登記をすることができる場合を、表題部所有者又は所有権の登記名義人の異議がないときに限り認めており、「異議の有無にかかわらず」職権ですることができるわけではない。
問題: 土地家屋調査士の登録及び懲戒に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
ア.未成年者は、土地家屋調査士となる資格を有しない。
イ.土地家屋調査士は、正当な事由がある場合でなければ、依頼を拒むことができない。
ウ.土地家屋調査士に対する懲戒処分の種類は、戒告、2年以内の業務の停止及び業務の禁止の3種類である。
エ.法務大臣が調査士に対し戒告又は業務の停止の処分をしようとするときは、行政手続法第13条第1項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
オ.土地家屋調査士に対する懲戒の事由があったときは、当該事由があったときから3年を経過したときは、懲戒処分の手続を開始することができない。
答え: 誤っているものは、オの1つである。
解説: アは調査士法5条2号のとおり正しい。イは調査士法22条のとおり正しい。ウは調査士法42条のとおり正しい。エは調査士法44条3項のとおり正しい(戒告・業務停止は行政手続法上の原則的な意見陳述手続の区分にかかわらず聴聞が必要とされる)。
オは誤り。土地家屋調査士に対する懲戒についても除斥期間の定めが置かれているが、その期間は3年ではなく、懲戒の事由があったときから7年である(調査士法45条の2。令和2年8月1日施行)。
問題: 筆界特定制度に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア.土地の所有権登記名義人等は、対象土地の筆界について、筆界特定登記官に対し、筆界特定の申請をすることができる。
イ.筆界特定の申請をするには、手数料を納付しなければならない。
ウ.筆界特定登記官は、筆界調査委員から提出された意見に法的に拘束され、その意見と異なる内容の筆界特定をすることはできない。
エ.筆界特定がされた場合において、その筆界特定に係る筆界について境界確定訴訟が提起され、当該訴訟の確定判決が筆界特定と異なる判断を示したときは、当該確定判決の内容が優先する。
オ.筆界特定の申請は、対象土地の所有権登記名義人等のほか、隣接する土地の所有権登記名義人等からもすることができる。
答え: 正しいものは、ア・イ・エ・オの4つである。
解説: アは不動産登記法131条1項のとおり正しい。イは同条2項のとおり正しい。エは、筆界特定はあくまで行政的な判断であって裁判所の判断を拘束するものではなく、訴訟の確定判決が示された場合はその内容が優先するため正しい。オは、131条1項が対象土地又は隣接する土地の所有権登記名義人等のいずれからの申請も認めているため正しい。
ウは誤り。筆界調査委員は事実の調査を終えたときに意見を筆界特定登記官に提出しなければならないが(不動産登記法142条)、筆界特定登記官は、その意見を「踏まえ」、登記記録・地図・現地の状況等を総合的に考慮して自ら筆界特定をするものとされており(同法143条1項)、意見の内容に法的に拘束されるわけではない。
問題: 区分建物の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
ア.区分建物についての表題登記の申請は、当該登記に係る一棟の建物に属する他の区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。
イ.区分建物の表題部に敷地権について最初に登記をするときは、登記官は、職権で、当該敷地権の目的である土地の登記記録に、当該土地に存する所有権、地上権その他の権利が敷地権である旨の登記をしなければならない。
ウ.敷地権付き区分建物についての所有権の移転の登記は、当該建物のみを目的とする登記として申請することができる。
エ.区分建物の床面積は、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による。
オ.一棟の建物の名称があるときは、区分建物の表題登記の申請情報の内容として、当該一棟の建物の名称を提供しなければならない。
答え: 誤っているものは、ウ・エの2つである。
解説: アは不動産登記法48条1項のとおり正しい。イは同法46条のとおり正しい(敷地権である旨の登記は登記官が職権でする)。オは不動産登記令別表十二の項の申請情報欄に対応する取扱いとして正しい。
ウは誤り。敷地権付き区分建物についてされた所有権の移転の登記は、敷地権についてされた登記としての効力を有するため(不動産登記法73条1項本文)、区分所有法22条の分離処分禁止の原則により、原則として建物のみを目的として申請することはできない。
エは誤り。区分建物の床面積は、壁その他の区画の「内側線」で囲まれた部分の水平投影面積により算出する(内側線主義、不動産登記規則115条)。これに対し、区分建物以外の建物の床面積は壁その他の区画の中心線で囲まれた部分による(中心線主義、同条)。
問題: 既知点A(X=1000.00, Y=1000.00)、既知点B(X=1000.00, Y=1100.00)があり、A点からB点への方位角は90°00′00″である。B点において夾角(右回り内角)∠ABCを測定したところ120°00′00″であり、辺長BCは100.00mであった。このとき、新点Cの座標として最も近いものはどれか。
ア.X=1086.60, Y=1150.00
イ.X=1150.00, Y=1086.60
ウ.X=913.40, Y=1150.00
エ.X=1086.60, Y=1050.00
オ.X=1000.00, Y=1186.60
答え: アである。
解説: トラバース計算では、進行方向の方位角を順次求めて新点の座標を算出する。B点における到達方位角 $T_{BC}$ は、出発方位角 $T_{AB}$ に180°と夾角∠ABCを加えて求める。
$$T_{BC} = T_{AB} + 180° + \angle ABC = 90° + 180° + 120° = 390° \equiv 30°\ (\bmod\ 360°)$$
これにより、B点からC点への増分は次のとおりとなる。
$$\Delta X = 100.00 \times \cos 30° = 100.00 \times 0.86603 = 86.60$$
$$\Delta Y = 100.00 \times \sin 30° = 100.00 \times 0.50000 = 50.00$$
したがって、C点の座標は次のとおりである。
$$X_C = X_B + \Delta X = 1000.00 + 86.60 = 1086.60$$
$$Y_C = Y_B + \Delta Y = 1100.00 + 50.00 = 1150.00$$
よって、C(X=1086.60, Y=1150.00)が正解であり、アが最も近い。
出題分野の振り分け
- 第1問:不動産登記法(分筆の登記)
- 第2問:土地家屋調査士法(登録・懲戒)
- 第3問:不動産登記法(筆界特定制度)
- 第4問:不動産登記法(区分建物の登記)
- 第5問:測量計算(トラバース計算・座標法)