実家の登記簿を取ってみよう──帰省中にできる「実家の健康診断」5つのチェック

この記事の要点 帰省中に実家の登記事項証明書(登記簿)を1通取れば、名義・共有・担保は短時間で点検できる(私道の持分とほかの不動産の有無は、別に証明書を取って確かめます) 見るのは5か所──①名義は今も親のままか ②いつの間にか共有になっていないか ③完済した抵当権が残っていないか ④私道の持分が漏れていないか ⑤ほかにも名義の不動産がないか 名義が親や祖父母のままなら、相続で取得したことを知った日から3年以内に登記を申請する義務があります(不動産登記法76条の2第1項) 費用は登記事項証明書が1通600円(オンライン申請なら490円から)、所有不動産記録証明書が1通1,600円(オンライン申請なら1,470円から。いずれも登記手数料令) 気になる点が見つかったら、名義のことは司法書士、境界や面積のことは土地家屋調査士へ 帰省で実家に戻る機会があるなら、登記事項証明書(登記簿)を取って、5か所だけ目を通しておくことをおすすめします。名義・共有・担保という、あとになって手続きが必要だと分かりやすいポイントは、実家の宅地・建物の証明書1通でおおよその見当がつきます。残る私道の持分とほかの不動産の有無は、別に証明書を取ることになりますが、その必要に気づくきっかけになるのも、やはりこの1通です。 ...

2026年8月11日 · ひぐらしさとし

相続した実家が借地権だった──慌てないための手続きと地主への対応

この記事の要点 借地権(土地を借りて建物を建てる権利)は相続財産として当然に引き継がれ、地主の承諾は不要。承諾料(名義書換料)を支払う法律上の義務もない 土地の名義変更は不要だが、建物の相続登記は必要。相続で取得を知った日から3年以内の申請が義務(怠ると10万円以下の過料の対象) 地代の支払いはそのまま相続人が引き継ぐ。滞納すると契約解除のリスクがあるので、支払方法の確認を最優先に 借地契約書を探して、契約の種類(普通借地権か定期借地権か)と特約を確認する 売却や建て替えなど「次の一手」には地主の承諾が必要になる場面がある。もめたときの交渉・紛争対応は弁護士の分野 親が亡くなり、実家の登記簿(登記事項証明書)を取ってみたら、土地の所有者欄に知らない人の名前が載っていた——。実は、実家は「借地」の上に建っていた、というケースは珍しくありません。 ...

2026年8月10日 · ひぐらしさとし

相続の初回相談では何を聞かれる?──聞き取りの一般的な流れ

この記事の要点 初回相談では、家族構成・これまでの経緯・分かっている財産の状況・困りごとや希望、といった項目を順に聞かれるのが一般的な流れ 答えられない項目があっても相談は成立する。「分からない」とそのまま伝えてよい 聞く順番や項目は事務所や相談内容によって多少異なる。ここで紹介するのはあくまで一般的な目安 「相談に行ったら、いきなり難しいことを聞かれるのではないか」——初めて相談する方の不安として、これはよくあるものです。結論から言うと、初回相談は事実を一つずつ確認しながら状況を把握していく聞き取りが中心で、事前に完璧な答えを用意しておく必要はありません。一般的な流れの目安を知っておくだけで、当日の身構えはかなり軽くなります。 ...

2026年8月10日 · ひぐらしさとし

相続で共有名義にした不動産の固定資産税、誰が払う?──連帯納税義務と『代表者』のしくみ

この記事の要点 共有名義の不動産の固定資産税は、持分の割合にかかわらず共有者全員が全額について連帯して納める義務を負う(地方税法10条の2) 納税義務者は毎年1月1日(賦課期日)時点の所有者(同法343条1項・2項、359条)。登記簿や課税台帳上の所有者が賦課期日より前に亡くなっているときは、相続登記が済んでいなくても、その日に不動産を現に所有している相続人が納税義務者とされる(同法343条2項後段) 実務上は共有者の中から「代表者」が定められ、その代表者あてに納税通知書がまとめて送られるが、代表者だけが法的な納税義務を負うわけではない 相続で不動産を兄弟姉妹などと共有名義にすると、「持分に応じて、それぞれ別々に納税通知書が届いて、自分の持分の分だけ払えばいい」と考えている方が少なくありません。しかし、固定資産税に関する限り、この理解は正確ではありません。 ...

2026年8月10日 · ひぐらしさとし

土地家屋調査士試験 試験対策 第109回──土地の地目又は地積の変更の登記/調査士会の設立及び会則/継続的給付を受けるための設備の設置権/地図及び地図に準ずる図面/建物の表示に関する登記の登記事項

問題: 土地の地目又は地積の変更の登記に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。 ア. 土地の地目又は地積について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。 ...

2026年8月10日 · ひぐらしさとし

財産目録の作り方──パソコン作成OKになったルールと記載例

この記事の要点 自筆証書遺言に添付する財産目録は、2019年1月13日以降、パソコン作成や通帳のコピー添付が可能になった ただし目録の各ページ(両面に記載があれば両面とも)に遺言者本人の署名と押印が必要 財産目録に書き間違いがあった場合の訂正方法にも、本文と同じ厳格なルールがある 不動産・預貯金・株式の記載例と、記載時に気をつけたいポイントを紹介 「遺言書は手書きじゃないといけないから、財産が多いと大変」——そう思っている方は少なくありません。しかし、遺言に添付する財産目録については、2019年(平成31年)1月13日から自書(手書き)が不要になりました。パソコンで一覧表を作ったり、不動産の登記事項証明書や預金通帳のコピーをそのまま添付したりできるようになっています。 ...

2026年8月10日 · ひぐらしさとし

帰省したら親と話したい「実家の話」──相続の話し合いの始め方

この記事の要点 お盆で家族が顔をそろえるこの時期は、実家の将来を話し合う数少ない機会 いきなり「相続」と切り出さなくてよい。「実家、この先どうする?」くらいの軽い一言で十分 話し合いを先延ばしにすると、判断能力の低下や急な入院で身動きが取れなくなることがある 今回のゴールは結論を出すことではなく、「家族で話す場を持てたこと」でよい お盆で実家に帰省し、親やきょうだいと顔を合わせる機会があるなら、それは実家の将来や相続について話し合いを始める貴重なタイミングです。とはいえ「相続の話」と聞くと身構えてしまう方も多いはず。結論から言えば、最初から結論を出す必要はありません。まずは「実家、この先どうする?」というくらいの軽い一言から始めれば十分です。 ...

2026年8月10日 · ひぐらしさとし

再転相続の熟慮期間はいつから?──相続放棄を決める前に相続人が亡くなったときの特別ルール

この記事の要点 相続放棄をするか承認するかを決める「3か月」の期間中に相続人本人が亡くなると、その選ぶ権利は亡くなった人の相続人へ引き継がれます(再転相続) 引き継いだ人の3か月は、最初の相続が起きたことを知った時からではなく、自分がその選ぶ権利を引き継いだ事実を知った時から数え直します(最高裁令和元年8月9日判決) 遺産分割が終わらないまま相続が重なる「数次相続」とは異なる、より限定された場面を指す言葉です 「再転相続」とは何か 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から原則3か月以内に、相続を承認するか放棄するかを決めなければなりません(民法915条1項、熟慮期間)。ところが、この3か月の途中で、相続人本人が承認も放棄もしないまま亡くなってしまうことがあります。 ...

2026年8月9日 · ひぐらしさとし

分籍とは?──自分の意思で戸籍を分けると、相続の戸籍集めはどう変わるか

この記事の要点 分籍とは、成年に達した人が自分の意思で届け出て、それまでの戸籍から抜けて新しい戸籍を単独で作ること 分籍をすると、転籍や改製のときと同じく「戸籍が区切られる」。新しい戸籍に、それ以前の戸籍の記載がそのまま引き継がれるわけではない 被相続人が生前に分籍していた場合、死亡時の戸籍だけでは兄弟姉妹の有無が分からず、分籍前の戸籍まで遡って集める必要がある 本文 分籍をしたことがある方が亡くなった場合、相続の戸籍集めでは死亡時の戸籍だけでは足りません。分籍する前の戸籍まで、さらに遡って取り寄せる必要があります。 ...

2026年8月9日 · ひぐらしさとし

土地家屋調査士試験 試験対策 第108回──建物の表題登記の申請/調査士の業務範囲/境界線付近の建築の制限/測量士・測量士補の権限と測量業者登録/土地の表示に関する登記事項

問題: 建物の表題登記の申請に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはいくつあるか。 ア. 新築した建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければならない。 ...

2026年8月9日 · ひぐらしさとし