親子リレーローンと相続──親の代のローンを子が引き継ぐときの登記

この記事の要点 親子リレーローンは、親と子が段階的に返済を引き継いでいく住宅ローンの仕組みであること 親が返済途中で亡くなった場合、団体信用生命保険(団信)の加入状況によって、その後の対応が大きく分かれること 団信でカバーされない残債務は、法定相続分に応じて相続人に分割承継されるのが原則であること 債務者が変わるときは、抵当権の「債務者変更登記」が必要になること 親子リレーローンで親が返済の途中で亡くなった場合、住宅ローンの残債務と、それを担保する抵当権の登記は、まず「団体信用生命保険(団信)に親が加入していたかどうか」で道筋が分かれます。団信でローンが完済されるケースと、完済されず債務が相続の対象になるケースとでは、その後に必要な手続きがまったく異なります。この記事では、通常の相続によるローン承継の場面ではなく、親子リレーローンに特有の場面に絞って、一般的な考え方を整理します。 ...

2026年9月6日 · ひぐらしさとし

リバースモーゲージとは──自宅を担保に老後資金を借りるしくみ

この記事の要点 リバースモーゲージは、自宅を担保に入れて老後資金を借り入れ、存命中は利息のみを支払う仕組み 登記簿上は所有権を自分名義のまま維持し、担保として抵当権(または根抵当権)の設定登記が入る 借入金の元本は、死亡後に自宅を売却するか、相続人が一括返済するかたちで清算される 所有権が移転する「リースバック」とは、担保に入れるだけか売ってしまうかという根本的な違いがある 借入条件の有利不利や商品選びの相談は、取扱金融機関に確認する必要がある リバースモーゲージとは、自宅(主に持ち家)を担保に金融機関から老後資金を借り入れ、契約者が存命の間は利息だけを支払い、借入金の元本は契約者の死亡後にまとめて清算するしくみです。年金収入だけでは心もとない老後資金を、住み慣れた自宅に住み続けながら確保する手段の一つとして知られています。 ...

2026年9月5日 · ひぐらしさとし

住宅ローンを滞納するとどうなる──競売までの時系列と任意売却の入口

この記事の要点 滞納から競売までは、督促・催告 → 期限の利益の喪失 → 保証会社の代位弁済 → 一括請求 → 競売の申立て、という順で段階を踏んで進むのが一般的です 競売の開始決定が出ると、登記簿の甲区(所有権の欄)に「差押」が入り、乙区の抵当権は代位弁済をした保証会社へ移ります。登記簿を見れば手続がどこまで進んだかが分かります 任意売却は競売より高く売れる可能性がある一方、債権者の同意が必要で、売っても残った借金(残債)が消えるわけではありません 返済の交渉や債務整理は弁護士、抵当権抹消や名義の登記は司法書士と、相談先が分かれます 住宅ローンを滞納すると、ある日突然家を失うわけではありません。滞納から競売による明渡しまでには、督促・催告、期限の利益の喪失、保証会社の代位弁済、一括請求、競売の申立て、差押えの登記、期間入札、売却許可、代金納付、明渡しという段階があり、それぞれに数週間から数か月の時間がかかります。そして、その進み具合の多くは登記簿(登記事項証明書)に記録されます。 ...

2026年9月3日 · ひぐらしさとし

団信で住宅ローンが完済されたあとの手続き──遺族がする抵当権抹消登記

この記事の要点 団信(団体信用生命保険)でローンが完済されても、登記簿に記録された抵当権は自動では消えない。抹消登記の申請が別に必要 保険金の請求手続きは保険会社および金融機関の手続きであり、司法書士が関与するのは完済後の抵当権抹消登記に限られる 抹消登記に必要な書類は金融機関から届く。届くまでの期間は金融機関・保険会社や事案によって異なり、一律の目安はない 不動産の名義人が亡くなっている場合、抹消登記は相続人が申請人になる 手続きの進め方・必要書類は金融機関や保険会社によって異なるため、まずは借入先の金融機関に確認を 住宅ローンを組んでいた家族が亡くなり、「団信で完済されたので、もう何もしなくていい」と聞いた──。そう思って安心してしまう方は少なくありません。 ...

2026年8月7日 · ひぐらしさとし

抵当権付きの不動産を相続したとき──団信で完済されない場合の「債務者変更登記」

この記事の要点 住宅ローンに団体信用生命保険(団信)が付いていれば、契約者が亡くなると保険金で完済され、抵当権の抹消登記だけで済む 団信に未加入だったり、事業性ローンなど団信の対象外の借入れが残っていたりすると、ローン(債務)は相続人に引き継がれ、抵当権もそのまま残る この場合、金融機関との調整を経て、抵当権の登記事項である「債務者」を書き換える変更登記が必要になる 親が亡くなり、実家の不動産を相続することになった。登記簿を確認したら、住宅ローンの「抵当権」がまだ残っていた──。こうしたとき、多くの方がまず思い浮かべるのは「団信で完済されているはず」という期待です。しかし、団信に入っていなかったり、事業用の借入れだったりすると、話が変わってきます。 ...

2026年7月9日 · ひぐらしさとし

抵当権は「先に登記した者勝ち」?──複数の抵当権の順位と順位変更登記

結論から言うと、同じ不動産に複数の抵当権が設定されている場合、優先順位は「登記をした順番」で決まります。あとから登記した抵当権者は、先に登記した抵当権者よりも後回しになるのが原則です。ただし、抵当権者どうしが合意すれば、この順位を入れ替える「順位変更登記」という手続きがあります。主なポイントは次のとおりです。 ...

2026年7月5日 · ひぐらしさとし

住宅ローンを借り換えると登記簿はどうなる?──抵当権の抹消登記と設定登記が同時に必要になる理由

住宅ローンを借り換えると、登記簿の上では「今ある抵当権を消す手続き(抹消登記)」と「新しい抵当権を付ける手続き(設定登記)」が、同じ日にほぼ同時に行われます。どちらか一方だけでは済まないのは、旧ローンを完済して抵当権を消す前に新ローンを実行してしまうと、新しい金融機関が担保(抵当権)を確保できない空白の時間ができてしまうためです。この記事では、借り換えのときに登記簿で何が起きているのかを整理します。 ...

2026年7月3日 · ひぐらしさとし