表題登記・表題部の変更は土地家屋調査士へ──権利の登記との分担マップ

この記事の要点 建物を新築した・増築した・取り壊した、土地の地目が変わった・土地を分けたなど、土地や建物の「物理的な状態」が変わる場面の登記(表示に関する登記)は、土地家屋調査士が申請代理を担う分野です 新築・増築・取壊し・地目変更などには、1か月以内に申請する義務があります(新築は所有権を取得した日から:不動産登記法47条1項。増築・取壊し・地目変更は変更や滅失があった日から:同法51条1項・57条・37条1項)。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になり得ます(同法164条1項) 名義を記録する「権利の登記」(所有権保存・所有権移転・抵当権設定など)は司法書士の分野。新築や分筆のあとに権利の登記が続く場面では、両方の資格者が連携して進めることが多くあります 表示に関する登記も、所有者本人が自分で申請することはできます 下の一覧表で自分の場面を探し、詳しくはそれぞれの記事へ進んでください 家を建てた、古い家を壊した、畑を駐車場にした──こうした場面で「登記が必要らしいけれど、誰に頼めばいいのか」と迷ったときは、まず土地家屋調査士、名義の話が絡むところは司法書士と覚えておくと整理しやすくなります。 ...

2026年9月23日 · ひぐらしさとし

市区町村の無料法律相談の使い方──時間を無駄にしない準備

この記事の要点 市区町村の無料法律相談は、多くが予約制・1回20〜30分程度という時間の制約がある制度です その日担当する専門職(弁護士・司法書士・行政書士など)は自治体側の日程で決まっており、相談者側が選べないことが多いです 同じ相談を何度も継続して受けられるとは限らず、1回で聞きたいことを整理しておく準備が効果を左右します 持ち物や書類の詳細な準備は別記事にゆずり、この記事では「制度としてどう使うか」に絞って解説します 相続や家族間のトラブルで「誰かに相談したい」と思ったとき、まず思い浮かぶ窓口のひとつが市区町村(お住まいの自治体)が開いている無料法律相談です。この制度は「予約制」「1回20〜30分程度」「担当する専門職を選べない」「同じ相談を何度も続けて受けられるとは限らない」という共通の特徴を持っていることが多く、この仕組みを知らずに行くと、聞きたいことの半分も聞けないまま時間切れになってしまうことがあります。 ...

2026年9月12日 · ひぐらしさとし

法テラスとは──収入要件と立替制度、利用の流れ

この記事の要点 法テラス(日本司法支援センター)は、総合法律支援法にもとづいて国が設立した「法的トラブル解決のための総合案内所」です。相続・借金・離婚などの民事の困りごとについて、収入と資産が一定の基準以下の方は、無料の法律相談(同じ問題につき3回まで・1回30分)と、弁護士・司法書士の費用の「立替え」を利用できます 立替えは「無料」ではありません。法テラスがいったん費用を支払い、利用者は原則として分割で法テラスに返済します(利息はかかりません) 利用の目安は、たとえば単身の方で手取り月収182,000円以下(東京都特別区・大阪市などは200,200円以下)、現金・預貯金180万円以下(2026年9月時点の法テラス公式サイトの数値) 相談は電話(法テラス・サポートダイヤル)またはWebで予約し、法テラスの地方事務所か、法テラスと契約している弁護士・司法書士の事務所で受けます。費用の立替えは、申込み後に法テラスの審査(通常2週間程度)を経て始まります 司法書士が法テラスの制度で担えるのは、簡易裁判所で扱う140万円以下の事件の代理と、裁判所に提出する書類の作成、およびこれらに関する法律相談です。地方裁判所の訴訟や140万円を超える事件の代理は弁護士の領域で、この線引きは法テラスを使う場合も変わりません 「弁護士や司法書士に相談したいけれど、費用が心配で踏み出せない」。そんなときに知っておきたいのが、法テラスの制度です。この記事では、法テラスとは何か、誰が使えるのか、何をどこまで頼めるのかを、相続の相談を念頭に整理します。なお、この記事は執筆時点(2026年9月)の制度に基づく一般的な解説です。金額などの基準は改定されることがあるため、実際に利用する際は法テラスの公式サイトや窓口で最新の情報を確認してください。 ...

2026年9月11日 · ひぐらしさとし

土地家屋調査士と司法書士──同じ『登記』でも表題部と権利部で分かれる

この記事の要点 不動産の登記記録は「表題部」と「権利部(甲区・乙区)」に分かれており、担当する専門家も制度上分かれている 表題部(土地の所在・地積、建物の種類・構造・床面積など)に関する登記は土地家屋調査士が担当する 権利部(所有権・抵当権などの権利関係)に関する登記は司法書士が担当する 土地の境界(筆界)に関する調査・測量も土地家屋調査士の職務の範囲に含まれる 手続きの中身によって窓口が異なるため、登記簿のどの欄に関する話かを確認すると迷いにくい 「登記」とひとくくりに言っても、実際に手続きを担当する専門家は、内容によって分かれています。この記事では、土地家屋調査士と司法書士がそれぞれどの部分を担っているのか、制度上の分担を整理します。 ...

2026年9月10日 · ひぐらしさとし

司法書士と税理士の役割分担──相続で「登記の人」と「税金の人」

この記事の要点 相続の手続きでは、不動産の名義変更(相続登記)は司法書士、相続税の申告・税額相談は税理士と、法律で担当する業務が分かれている 相続の場面で司法書士が案内できる税金は、登記を受けるためにかかる「登録免許税」に限られるという例外がある 相続税がかかるかどうか、いくらになるかという個別の税務相談・申告代理は税理士の業務であり、司法書士は扱えない どちらに相談すればよいか迷ったときは、まず窓口となった専門家に聞けば、必要に応じてもう一方につないでもらえる 相続の手続きを進めていると、「この件は司法書士と税理士のどちらに聞けばよいのか」と迷う場面が出てきます。結論から言うと、相続の場面では大きく分けて「登記の人(司法書士)」と「税金の人(税理士)」に役割が分かれており、それぞれが法律で担当できる業務の範囲を定められています。この記事では、その役割分担の考え方を整理します。 ...

2026年9月9日 · ひぐらしさとし

司法書士と行政書士はどう違う?──相続手続きで頼めることの線引き

この記事の要点 不動産の相続登記(名義変更)を代理できるのは司法書士のみで、行政書士が代理することはできません。 遺産分割協議書の作成自体は、司法書士・行政書士のどちらに依頼しても行えます。ただし、はじめから相続登記に用いる目的で作成する場合の扱いには、専門家の間で見解の分かれる部分があります。 自動車の名義変更や農地の届出など、行政書士が窓口となる相続関連の手続きもあります。 依頼したい内容に「登記を伴うかどうか」を軸に考えると、相談先を選びやすくなります。 相続の手続きは、司法書士と行政書士のどちらに相談すればよいか迷う場面が少なくありません。結論から言うと、不動産の相続登記を代理できるのは司法書士だけです。一方で、遺産分割協議書の作成のように、両方の資格者が対応できる手続きもあります。手続きの中身によって頼める窓口が変わるため、まずは違いを押さえておくと迷いにくくなります。 ...

2026年9月7日 · ひぐらしさとし