夫婦で家を買うときの持分の決め方──資金の割合と登記の持分が違うと贈与として扱われ得る話(税額は税理士へ)

この記事の要点 夫婦の共有名義で家を買うときは、登記簿に「夫○分の○・妻○分の○」という持分の割合が必ず記録されます。この割合は、夫婦それぞれが購入資金をいくら負担したかに合わせて決めるのが基本です 資金の負担割合と登記の持分が食い違うと、差額の分について夫婦の間で贈与があったものとして扱われ得ます。「夫婦だから半分ずつ」は、負担の実態と合っていなければ注意が必要です 持分は登記を申請する時点で決めて書き込みます。あとから直すには別の登記(当初から誤っていた場合の更正の登記など)が必要で、手間も費用もかかります 贈与税の配偶者控除などの特例もありますが、使えるかどうか・税額・申告が要るかどうかの判断は税理士にご相談ください 持分の割合を決める前に、誰がいくら出すのかを書き出しておきましょう。登記の進め方は、お近くの司法書士にご相談ください 夫婦で家を買うとき、「名義は2人で半分ずつにしておけば公平だろう」と考える方は少なくありません。結論から言うと、共有名義の持分(その不動産に対してそれぞれが持つ権利の割合)は、夫婦それぞれが実際に負担した購入資金の割合に合わせて決めるのが基本です。夫婦であっても、資金の負担と持分がずれていると、そのずれた分について贈与があったものとして扱われ得るからです。 ...

2026年10月18日 · ひぐらしさとし

中古住宅を買う前に登記簿でチェックする5項目──所有者・抵当権・差押え・仮登記・共有

この記事の要点 中古住宅を買う前は、土地と建物の登記簿(登記事項証明書)で5項目を確認する──①売主と所有者(登記名義人)は一致しているか ②抵当権が残っていないか ③差押え・仮差押えが入っていないか ④仮登記がないか ⑤共有になっていないか 登記された権利の内容と登記名義人は、不動産会社(宅地建物取引業者)の重要事項説明でも説明される事項です(宅地建物取引業法35条1項1号)。説明に代わるものではなく、説明とあわせて自分の目でも確かめるためのチェックです 登記事項証明書は1通600円、オンラインで請求すれば窓口受取490円・郵送520円(登記手数料令2条1項・3条1項) 気になる登記を見つけたら、それが何を意味するかを確かめ、決済(代金の支払いと引き渡し)までに抹消されるのか、どういう段取りなのかを契約前に確認します 中古住宅を買う前に、登記簿で確認しておきたいのは「所有者」「抵当権」「差押え」「仮登記」「共有」の5項目です。どれも登記事項証明書(いわゆる登記簿謄本)の甲区(こうく=所有権に関する欄)と乙区(おつく=所有権以外の権利に関する欄)を見れば分かります。 ...

2026年10月15日 · ひぐらしさとし

相続登記の登録免許税を自分で計算する──評価証明書のどの数字を使う?千円未満切り捨て・共有持分の計算

この記事の要点 計算に使うのは、固定資産評価証明書(または固定資産課税明細書)の「価格」(評価額)の欄です。「課税標準額」の欄ではありません。 計算の順番は「各不動産の価格(持分なら価格×持分)を出す → 免税になる土地を除いて合計する → 1,000円未満を切り捨てる → 1000分の4を掛ける → 100円未満を切り捨てる(1,000円に満たなければ1,000円)」です。 亡くなった方が持分で持っていた不動産は「価格×持分の割合」で計算し、100万円以下の免税もこの持分の価額で判定するよう法務局は案内しています。 100万円以下の土地の免税は、建物には使えず、2027年3月31日までの間に受ける登記が対象で、申請書に根拠の条項を書かないと受けられません。 相続登記の登録免許税は、手順さえ押さえれば電卓で計算できます。結論から言うと、ポイントは「どの数字を使うか」と「どこで端数を切り捨てるか」の2つです。 ...

2026年10月8日 · ひぐらしさとし

相続登記の「不動産の表示」の書き方──登記事項証明書のどこを写す?持分・敷地権・私道の落とし穴

この記事の要点 申請書の「不動産の表示」は、登記事項証明書の表題部を、下線の引かれていない最新の記載のとおりに写す欄です。ふだんの住所(住居表示)や固定資産税の通知書から写すのではありません。 亡くなった方が持分(共有の割合)だけを持っていた場合でも、不動産の表示には土地全体の所在・地番・地目・地積を書きます。持分は、登記の目的や相続人の欄など、別の欄で表します。 建物の附属建物(物置・車庫など)、マンションの敷地権、家の前の私道は、書き漏れが起きやすい三大ポイントです。 書き終えたら、登記事項証明書・遺産分割協議書と1か所ずつ突き合わせます。判断に迷う点は、お近くの司法書士にご相談ください。 相続登記の申請書で、いちばん「写し間違い」と「書き漏れ」が起きやすいのが「不動産の表示」の欄です。結論からいうと、この欄は自分で考えて書く欄ではなく、登記事項証明書の表題部を、そのまま写し取る欄です。迷いが生じるのは、どの欄をどこへ写すのか、持分や私道はどう扱うのか、という対応関係が見えにくいためです。 ...

2026年10月5日 · ひぐらしさとし

実家の登記簿を取ってみよう──帰省中にできる「実家の健康診断」5つのチェック

この記事の要点 帰省中に実家の登記事項証明書(登記簿)を1通取れば、名義・共有・担保は短時間で点検できる(私道の持分とほかの不動産の有無は、別に証明書を取って確かめます) 見るのは5か所──①名義は今も親のままか ②いつの間にか共有になっていないか ③完済した抵当権が残っていないか ④私道の持分が漏れていないか ⑤ほかにも名義の不動産がないか 名義が親や祖父母のままなら、相続で取得したことを知った日から3年以内に登記を申請する義務があります(不動産登記法76条の2第1項) 費用は登記事項証明書が1通600円(オンライン申請なら490円から)、所有不動産記録証明書が1通1,600円(オンライン申請なら1,470円から。いずれも登記手数料令) 気になる点が見つかったら、名義のことは司法書士、境界や面積のことは土地家屋調査士へ 帰省で実家に戻る機会があるなら、登記事項証明書(登記簿)を取って、5か所だけ目を通しておくことをおすすめします。名義・共有・担保という、あとになって手続きが必要だと分かりやすいポイントは、実家の宅地・建物の証明書1通でおおよその見当がつきます。残る私道の持分とほかの不動産の有無は、別に証明書を取ることになりますが、その必要に気づくきっかけになるのも、やはりこの1通です。 ...

2026年8月11日 · ひぐらしさとし

セットバック・位置指定道路とは──建て替えのとき効いてくる「道路」の話

この記事の要点 セットバックとは、幅4メートル未満の道のうち特定行政庁が指定したものに接する敷地で、道の中心線から2メートルの線を「道路の境界線」とみなす建築基準法の扱いのこと(同法42条2項) 位置指定道路は、私人がつくった道が特定行政庁の位置の指定を受けて建築基準法上の「道路」として扱われるもの(同法42条1項5号) 目の前の道がどの種別かは、市区町村の建築指導課などに道路種別を照会すれば確認できる 建て替えができるかどうかの判断は特定行政庁と建築士の領域。登記の側では、私道持分が相続登記から漏れていないかの確認が要点になる まず取り寄せるのは、登記事項証明書・公図・地積測量図・名寄帳の4点 セットバックとは、幅4メートル未満の道のうち特定行政庁が指定したものについて、その道の中心線から水平距離2メートルの線を「道路の境界線」とみなす、建築基準法の扱いのことです(同法42条2項)。幅が4メートルに足りない道であれば当然にこの扱いになるというものではなく、条文は特定行政庁の指定を要件としています。つまり、登記簿に載っている自分の土地の一部が、建築基準法の世界では道路として扱われる、ということです。 ...

2026年7月31日 · ひぐらしさとし

私道の相続登記を忘れずに──宅地だけ登記して私道持分が漏れる典型パターン

この記事の要点 家と敷地の相続登記が済んでいても、進入路の私道持分だけ別地番で漏れていることがよくある 私道持分も相続登記の義務化(令和6年4月〜)の対象で、放置すると過料10万円のリスクもある 名寄帳・公図・購入時の重要事項説明書を確認すれば、たいてい見つけられる 「実家の名義変更は終わったから、もう相続登記は大丈夫」──そう思っていたら、家の前の道路(私道)の持分だけ、亡くなった親の名義のまま何十年も残っていた。こうした見落としは、決して珍しいケースではありません。 ...

2026年7月25日 · ひぐらしさとし