第1問(測量法)
問: 測量法上の「基本測量」と「公共測量」の違いを簡潔に述べよ。
答: 基本測量は、すべての測量の基礎となる測量で、国土地理院が実施するもの(測量法第4条)。公共測量は、基本測量以外の測量で、①国又は公共団体が費用の全部又は一部を負担・補助して実施する測量、②基本測量又は①の測量成果を使用して許認可事業等のために実施する測量で国土交通大臣が指定するもの(建物に関する測量など政令で定める局地的測量等を除く)(測量法第5条)。
解説: 国土地理院が行う三角点・水準点・電子基準点の整備が 基本測量 の代表例。市町村が発注する道路用地の測量・地籍調査の細部測量などは 公共測量。私人が費用を負担する宅地造成測量等は、原則として基本測量・公共測量のいずれにも属さない。
試験では「公共測量に該当するか否か」を費用負担と指定の有無で判断させる問題が頻出。
第2問(基準点測量)
問: 1級基準点測量から4級基準点測量までの等級区分の意味を簡潔に説明せよ。
答: 1級〜4級は 新点(求める点)の精度区分 であり、数字が小さいほど高精度。1級が最も厳しい許容誤差を要求され、観測精度・観測回数・既知点の等級も最も高い。4級は最も簡易で、地形図作成等の細部測量に用いられる。
解説:
- 1級基準点測量:電子基準点(付属標を含む)・一〜四等三角点・1級基準点を既知点とし、新点間距離1,000mが標準
- 2級基準点測量:電子基準点(付属標を含む)・一〜四等三角点・1〜2級基準点を既知点とし、新点間距離500mが標準
- 3級基準点測量:電子基準点(付属標を含む)・一〜四等三角点・1〜2級基準点を既知点とし、新点間距離200mが標準
- 4級基準点測量:電子基準点(付属標を含む)・一〜四等三角点・1〜3級基準点を既知点とし、新点間距離50mが標準(作業規程の準則第22条)
試験では「新点の等級は既知点の等級以下でなければならない」「上位等級から下位等級を順次設けていく」という階層構造が頻出。
第3問(GNSS測量)
問: GNSS測量の スタティック法 と キネマティック法(RTK法を含む) の違いを述べよ。
答:
- スタティック法:受信機を静止させた状態で長時間(準則の標準で60分以上、観測距離10km以上では120分以上)観測し、後処理計算で位置を高精度に決定する方法。1〜4級の基準点測量で用いられ、準則の表で1〜2級基準点測量に適用できるGNSS観測法はこの方法のみ
- キネマティック法/RTK法:固定局と移動局で同時に観測し、移動局を次々と移して基線ベクトルを求める方法。キネマティック法は基線解析を観測終了後に行い、RTK法は固定局の信号を移動局に転送して即時に基線解析する。3〜4級基準点測量、地形測量等の細部観測に向く
解説: スタティック法は最も精度が高い反面、長時間観測が必要。RTK法はリアルタイムで結果が得られるが、基準局からの距離・電波遮蔽の影響を受けやすい。
試験では「高精度な観測法はどれか」「RTKの利点と弱点」がよく問われる。
第4問(基準点測量・偏心観測)
問: 基準点測量の 偏心観測 とは何か。どのような場合に行うか。
答: 偏心観測とは、既知点や新点に直接器械を据えられない場合に、その点から少し離れた偏心点に器械を据えて観測し、後で偏心要素(偏心距離・偏心角)を用いて本来の点での観測値に補正計算する観測方法をいう。
解説: 鉄塔の上の三角点、樹木が密集して視通の取れない位置、構造物に阻まれて器械を据えられない位置で行う。
偏心要素は 偏心距離(点から偏心点までの距離) と 偏心角(基準方向との角度) の2つで定義される。試験では「偏心観測の補正計算」「偏心距離の制限(準則では e≦S/6 など測点間距離との関係で定められる)」が出題される。
第5問(水準測量)
問: 水準測量における 往復観測 はなぜ行うのか。較差 とは何か。
答: 往復観測は、同じ区間を行きと帰りの2方向で観測することで、観測誤差を検出し、観測精度を検証するために行う。較差とは、往路の比高(高低差)と復路の比高との差のことで、これが許容範囲内であることが観測の妥当性を担保する。
解説: 水準測量の許容較差は、1級水準測量で2.5mm√S、2級で5mm√S、3級で10mm√S、4級で20mm√S(Sは観測距離kmで表した値)が公共測量作業規程準則の標準値(一次資料での確認を推奨)。
較差が許容範囲を超えた場合は 再観測。等級が高いほど許容較差が小さい(精度要求が厳しい)ことを押さえる。
第6問(水準測量)
問: 水準測量で標尺を立てる際の注意点として、標尺の傾きと標尺定数について簡潔に説明せよ。
答:
- 標尺の傾き:標尺は 鉛直 に立てる必要がある。傾くと読み値が実際の高さより大きく出るため、標尺気泡管(円形気泡管) を用いて鉛直を確認する
- 標尺定数:標尺の 目盛間隔の真値からのズレ をいう。標尺ごとに事前に検定で測定され、観測結果に 補正値として加味 する
解説: 標尺の傾きによる誤差は 常に正の方向(読みが大きく出る方向) に働くため、複数の観測の平均で打ち消すことができない。観測の都度、標尺を鉛直にすることが最重要。
標尺補正計算は1級水準測量で行い、2級水準測量では水準点間の高低差が70m以上の場合に行う(準則第67条)。試験では「標尺定数の符号の取り扱い」「気泡管の使用目的」が頻出。
第7問(写真測量)
問: UAV(無人航空機)写真測量 で必要な 標定点(対空標識) の役割と配置方針を述べよ。
答: 標定点は、撮影された空中写真に 地上座標を与えるための基準点 で、地上にあらかじめ座標を測定した点に 対空標識(白地に黒の十字等) を設置して撮影に写し込む。撮影範囲をカバーするように外周と内部にバランスよく配置する。
解説: 標定点は、外部標定要素(カメラの位置・姿勢)の決定に使われ、写真測量の精度を直接決める。配置は撮影範囲(ブロック)の 四隅に必ず置き、コース数・ステレオモデル数に応じた割合で均等に 置くのが基本で、標定点が偏ると外部標定の精度が悪化する。
UAV写真測量では、対空標識の大きさを地上画素寸法に応じて(写真上15画素以上)定める。試験では「標定点の最少数」「対空標識のサイズ」が問われる。
第8問(地形測量)
問: 地形図上の 等高線 の種類(主曲線・計曲線・補助曲線)と縮尺との関係を説明せよ。
答:
- 主曲線:通常の等高線。一定の高さ間隔で引かれる細い実線
- 計曲線:主曲線5本ごとに1本引かれる 太い実線 。標高値を読み取りやすくするためのアクセント
- 補助曲線:主曲線の中間(1/2や1/4)の高さで引かれる 破線 。緩傾斜地の地形を補足表現するときに使う
解説: 1/25,000地形図:主曲線10m、計曲線50m 1/50,000地形図:主曲線20m、計曲線100m
国土地理院の標準的な地形図ではこの間隔が採用される。試験では「主曲線の間隔」「計曲線が何本ごとか(5本ごと)」が頻出。
第9問(路線測量)
問: 路線測量の作業工程のうち、中心線測量と縦断測量・横断測量の役割を簡潔に述べよ。
答:
- 中心線測量:道路・河川等の 路線の中心線(センターライン) の位置を地上に 杭(主要点の役杭と中心点の中心杭) で表示する作業
- 縦断測量:中心線に沿って 路線方向の高低差 を観測し、縦断図を作成する作業
- 横断測量:中心線の各測点について、中心線に直交する方向の地形断面を観測し、横断図を作成する作業
解説: 路線測量の工程は 作業計画→線形決定→中心線測量→仮BM設置測量→縦断測量→横断測量→詳細測量→用地幅杭設置測量 の流れ。試験では各工程の順序と、IP(交点)等の用語が頻出。
縦断・横断は中心線測量の 後 に実施する点を押さえる。
第10問(応用測量・用地測量)
問: 用地測量 の主な工程の中で、用地境界仮杭設置と境界確認の違いを説明せよ。
答:
- 用地境界仮杭設置:用地幅杭の位置以外の境界線上等に用地境界杭を設置する必要がある場合に、交点計算等で求めた座標値に基づいて 仮杭 を設置する作業
- 境界確認:復元測量の結果や公図等転写図・土地調査表に基づき、関係権利者の立会いの上で現地において一筆ごとに境界点を確認し、標杭を設置する作業(仮杭を用地境界杭に置き換えるのは別工程の 用地境界杭設置)
解説: 用地測量は、作業計画→資料調査→復元測量→境界確認→境界測量(用地境界仮杭設置・用地境界杭設置を含む)→境界点間測量→面積計算→用地実測図・用地平面図データファイルの作成の流れ。
仮杭設置は 測量側の作業、境界確認は 関係者立会いを伴う合意形成プロセスという点で性質が異なる。試験では「立会いが必要なのはどの工程か」「用地境界仮杭と用地境界杭の違い」が頻出。
出題分野の振り分け
| 問 | 分野 |
|---|---|
| 第1問 | 測量法(基本測量・公共測量) |
| 第2問 | 基準点測量(等級区分) |
| 第3問 | GNSS測量(スタティック・キネマティック) |
| 第4問 | 基準点測量(偏心観測) |
| 第5問 | 水準測量(往復観測・較差) |
| 第6問 | 水準測量(標尺の傾き・定数) |
| 第7問 | 写真測量(UAV・標定点) |
| 第8問 | 地形測量(等高線) |
| 第9問 | 路線測量(中心線・縦断・横断) |
| 第10問 | 応用測量・用地測量 |