問題: 建物の認定(不動産登記規則111条)に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア.建物として登記することができるためには、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあることを要する。

イ.屋根及び周壁を有していても、容易に運搬して移動することができる状態にある仮設の建造物は、原則として建物として認定されない。

ウ.屋根を有する停車場の乗降場の上家のように周壁を有しない建造物は、いかなる場合も建物として登記することができない。

エ.建物の認定に当たっては、その定着性のほか、当該建造物が取引の対象となり得る程度の永続性を有するかどうかも考慮される。

オ.公衆用道路の上に屋根覆いを施したアーケード付きの街路は、その部分について建物として登記することができる。

答え: 誤っているものは、ウ・オの2つである。

解説: 建物の認定の基本要件は、不動産登記規則111条の「屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し(外気分断性)、土地に定着した建造物であって(定着性)、その目的とする用途に供し得る状態にあるもの(用途性)」である。

アは正しい(不動産登記規則111条)。

イは正しい。容易に運搬し得るものは定着性を欠き、建物として取り扱わない(不動産登記事務取扱手続準則77条参照)。

ウは誤り。外気分断性は「屋根及び周壁又はこれらに類するもの」で足りる。上屋を有する停車場の乗降場・荷物積卸場や、屋根を有する競技場の観覧席のように、周壁を欠いても建物として取り扱われるものがある(不動産登記事務取扱手続準則77条の例示)。「いかなる場合も登記できない」とはいえない。

エは正しい。実務上、定着性に加え、取引の対象となり得る程度の永続性も考慮される。

オは誤り。公衆用道路上に屋根覆いを施したアーケード付き街路は、建物として取り扱わないものとされている(準則77条の例示)。


問題: 地目(不動産登記規則99条)に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア.地目は、土地の主な用途により定めるものとされ、不動産登記規則上、田・畑・宅地・山林・原野・公衆用道路・雑種地など23種類が定められている。

イ.地目の認定は、登記記録上の地目や所有者の主観的な利用目的によるのではなく、土地の現況及び利用状況によって行う。

ウ.一筆の土地に複数の用途がある場合には、それぞれの用途に応じて二以上の地目を定めなければならない。

エ.「宅地」とは、建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地をいう。

オ.現に建物の敷地となっていなくても、農地を造成して宅地とすることが確実であれば、直ちに地目を「宅地」として登記することができる。

答え: 正しいものは、ア・イ・エの3つである。

解説: アは正しい(不動産登記規則99条)。地目は土地の主な用途により23種類に区分して定める。

イは正しい。地目は土地の現況・利用状況によって認定する(現況主義。不動産登記事務取扱手続準則68条・69条)。

ウは誤り。一筆一地目が原則であり、主たる用途により一つの地目を定める。用途が分かれる場合は分筆を要し、一筆に二以上の地目を定めることはできない。

エは正しい(不動産登記事務取扱手続準則68条3号)。「宅地」は建物の敷地及びその維持・効用に必要な土地をいう。

オは誤り。現況主義により、造成予定や造成中の段階では「宅地」と認定できず、現に宅地としての現況に至って初めて宅地と認定される。


問題: 次の図のような四角形の土地ABCDの地積を、三斜求積法により求める。対角線BDの長さは48.00メートル、頂点AからBDに下ろした垂線の長さは21.00メートル、頂点CからBDに下ろした垂線の長さは13.50メートルである。この土地の地積として最も近いものはどれか(関数電卓の使用可)。

ア.786.00平方メートル

イ.828.00平方メートル

ウ.864.00平方メートル

エ.900.00平方メートル

オ.1,008.00平方メートル

答え: 最も近いものは、イの828.00平方メートルである。

解説: 三斜求積法では、四角形を対角線で二つの三角形に分け、各三角形の面積(底辺×高さ÷2)を合計する。ここでは対角線BDを共通の底辺とみる。

三角形ABD(底辺BD、高さは頂点AからBDまでの垂線21.00メートル):

$$S_1 = \frac{1}{2} \times 48.00 \times 21.00 = 504.00\ \text{m}^2$$

三角形CBD(底辺BD、高さは頂点CからBDまでの垂線13.50メートル):

$$S_2 = \frac{1}{2} \times 48.00 \times 13.50 = 324.00\ \text{m}^2$$

合計:

$$S = S_1 + S_2 = 504.00 + 324.00 = 828.00\ \text{m}^2$$

実務上は、倍面積(底辺×高さの合計)$48.00 \times 21.00 + 48.00 \times 13.50 = 1656.00$ を求め、これを2で除して $828.00\ \text{m}^2$ とする方法でも同じ結果になる。


問題: 区分建物と敷地権に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア.敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、規約に別段の定めがある場合を除き、その専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。

イ.敷地権付き区分建物については、原則として、その専有部分のみを目的とする所有権の移転の登記をすることができない。

ウ.敷地権である旨の登記は、登記官が職権ですることはできず、当事者の申請によらなければならない。

エ.敷地権の表示は、区分建物の表題部の登記事項である。

オ.敷地権の目的である土地の登記記録には、敷地権である旨の登記がされた後は、原則として、当該敷地権についての権利に関する登記をすることができない。

答え: 誤っているものは、ウの1つである。

解説: アは正しい(建物の区分所有等に関する法律22条1項)。専有部分と敷地利用権の分離処分は、規約に別段の定めがある場合を除き禁止される。

イは正しい。分離処分禁止により、敷地権付き区分建物は、専有部分のみ(又は土地のみ)を目的とする権利の移転登記を原則としてすることができない。

ウは誤り。敷地権である旨の登記は、登記官が職権でする(不動産登記法46条)。当事者の申請によるものではない。

エは正しい(不動産登記法44条1項9号)。敷地権の表示は区分建物の表題部の登記事項である。

オは正しい。敷地権である旨の登記がされた後は、土地(敷地権)について別個に権利に関する登記をすることは原則としてできず、専有部分とともに一体として公示される(不動産登記法73条参照)。


問題: 土地家屋調査士法上の義務及び業務に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア.土地家屋調査士は、正当な事由がある場合でなければ、調査・測量・申請手続等の依頼を拒むことができない。

イ.土地家屋調査士は、正当な事由がなく、その業務上取り扱った事件について知ることのできた秘密を他に漏らしてはならず、土地家屋調査士でなくなった後も同様である。

ウ.土地家屋調査士の業務には、不動産の表示に関する登記につき必要な土地又は家屋に関する調査及び測量が含まれる。

エ.土地家屋調査士は、その業務として、所有権の保存の登記その他の権利に関する登記の申請手続についても代理することができる。

オ.土地家屋調査士は、隣接する土地の所有者間に境界をめぐる紛争がある場合に、当然に一方の代理人として相手方と交渉し、その解決を図ることができる。

答え: 正しいものは、ア・イ・ウの3つである。

解説: アは正しい(土地家屋調査士法22条1項)。依頼に応ずる義務である。

イは正しい(同法24条の2)。秘密保持義務であり、調査士でなくなった後も負う。

ウは正しい(同法3条1項1号)。表示に関する登記に必要な調査・測量は調査士の業務である。

エは誤り。所有権の保存その他の権利に関する登記の申請手続の代理は、司法書士の業務であり、土地家屋調査士の業務(表示に関する登記)には含まれない。

オは誤り。境界をめぐる紛争について当事者の代理人として交渉し解決を図ることは、法律事務(弁護士法72条)に当たり、当然に調査士の業務に含まれるものではない。筆界特定手続の代理や、法務大臣の認定を受けた調査士が弁護士と共同して行う一定の民間紛争解決手続(ADR)の代理など、法律で認められた範囲に限られる。


出題分野の振り分け

分野 主な論点 根拠条文等
第1問 不動産登記法(表示) 建物の認定 不登規111条、準則77条
第2問 不動産登記法(表示) 地目・現況主義 不登規99条、準則68条・69条
第3問 測量計算 三斜求積法による面積計算 三斜求積法
第4問 不動産登記法(表示) 区分建物と敷地権・分離処分の禁止 区分所有法22条、不登法44条・46条・73条
第5問 土地家屋調査士法 依頼応諾義務・秘密保持義務・業務範囲 調査士法3条・22条・24条の2