問題: 地積の更正の登記に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
ア.地積の更正の登記は、登記記録上の地積が当初から実際の地積と相違している場合に、これを正しい地積に改めるためにする登記である。
イ.地積の更正の登記を申請するときは、その申請情報と併せて地積測量図を提供しなければならない。
ウ.地積に錯誤があっても、地積の更正の登記には申請義務がなく、申請期間の定めもない。
エ.一筆の土地のうち一部の区域についてのみ、地積の更正の登記を申請することができる。
オ.登記記録上の地積と実測した地積との差が、その土地の所在する地域の区分に応じた測量の精度(公差)の範囲内にとどまるときは、原則として地積の更正の登記を要しない。
答え: エ
解説: 地積の更正の登記は、登記された地積が登記の当初から実際と食い違っている場合に是正する登記です。地目や地積に「変更」があった場合の変更の登記(不動産登記法37条1項、1か月以内の申請義務あり)とは異なり、当初からの誤りを正す「更正」であって、申請義務や申請期間の定めはありません。
ア・ウは正しい記述です。
イも正しい記述です。地積を是正する以上、その根拠として地積測量図の提供が必要です(不動産登記令別表)。
エが誤りです。地積の更正は、その一筆の土地全体の地積を正しい数値に改めるものであり、一筆の土地の一部の区域だけを取り出して地積を更正するという申請はできません(一部のみを別に扱うには、分筆を経る必要があります)。
オは正しい記述です。実測値との差が地積測量図の精度区分(公差)の範囲内にとどまる場合は、原則として更正を要しないものとして扱われます。
問題: 土地家屋調査士法人に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
ア.土地家屋調査士法人の社員は、土地家屋調査士でなければならない。
イ.土地家屋調査士法人は、その名称中に土地家屋調査士法人という文字を使用しなければならない。
ウ.令和元年の土地家屋調査士法の改正により、社員が一人の土地家屋調査士法人を設立することができるようになった。
エ.土地家屋調査士法人の社員は、自己又は第三者のために、その法人の業務の範囲に属する業務を自由に行うことができる。
オ.土地家屋調査士法人の財産をもってその債務を完済することができないときは、各社員は、連帯してその弁済の責任を負う。
答え: エ
解説: 土地家屋調査士法人は、土地家屋調査士が共同して設立する法人で、その制度は司法書士法人とほぼ並行した規律になっています。
アは正しい記述です。社員になれるのは土地家屋調査士に限られます(土地家屋調査士法28条1項)。
イも正しい記述で、名称中に「土地家屋調査士法人」の文字を用いる必要があります。
ウも正しい記述です。令和元年の改正(令和2年8月1日施行)により、司法書士法人とともに、社員が一人の法人(一人法人)の設立が認められました。
エが誤りです。社員には競業避止義務があり、自己又は第三者のためにその法人の業務の範囲に属する業務を行ってはなりません。「自由に行うことができる」というのは誤りです。
オは正しい記述です。法人財産で債務を完済できないときは、各社員が連帯して弁済の責任を負います(社員の無限連帯責任)。
問題: 共有物の分割(民法)に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。なお、令和3年改正後の規律による。
ア.各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができるが、5年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることができる。
イ.共有物の分割について共有者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、その分割を裁判所に請求することができる。
ウ.裁判所は、共有物の現物分割が困難であるとき等には、共有者の一人に債務を負担させて他の共有者の持分の全部を取得させる方法(賠償分割)によって分割を命ずることができる。
エ.裁判所は、現物分割及び賠償分割のいずれの方法によることもできない場合であっても、共有物を競売して代金を分割する方法を命ずることはできない。
オ.共有物の持分が相続財産に属し、共同相続人間で遺産の分割をすべき場合には、原則として遺産共有持分について共有物分割の訴えによることはできないが、相続開始の時から10年を経過したときは、この限りでない。
答え: エ
解説: 共有物の分割は、各共有者がいつでも請求でき(民法256条1項本文)、不分割特約は5年を超えない範囲で可能です(同項ただし書)。協議が調わない場合は裁判所に分割を請求できます(258条1項)。
ア・イは正しい記述です。
ウも正しい記述です。令和3年改正後の258条2項は、裁判所が命ずる分割方法として現物分割と賠償分割を明文で定めています。
エが誤りです。258条3項は、現物分割も賠償分割もできないとき、又は分割によって著しく価値を減少させるおそれがあるときは、裁判所が競売を命ずることができると定めています。「命ずることはできない」というのは誤りです。
オは正しい記述です。改正で新設された258条の2は、遺産共有持分を含む共有物について、遺産分割によるべき場合は原則として共有物分割の訴えを使えないとしつつ、相続開始から10年経過後はこれを可能としています。
問題: 次の三角形ABCについて、辺ABの長さが 30.000m、辺ACの長さが 24.000m、その挟む角∠A(∠BAC)が 48°00′00″であるとき、三角形ABCの面積として最も近い値はどれか。なお、$\sin 48° = 0.743145$ とする。
ア.約 240.89 m²
イ.約 267.53 m²
ウ.約 300.00 m²
エ.約 399.82 m²
オ.約 535.06 m²
答え: イ
解説: 2辺とその挟む角がわかっている三角形の面積は、次の式で求めます。
$$S = \frac{1}{2} \cdot AB \cdot AC \cdot \sin A$$
数値を代入します。
$$S = \frac{1}{2} \times 30.000 \times 24.000 \times \sin 48°00′00″$$
$$= 360.000 \times 0.743145 = 267.532\ \mathrm{m^2}$$
したがって、最も近い値は 約 267.53 m²(イ)です。
なお、$\frac{1}{2}$ を掛け忘れると $720 \times 0.743145 = 535.06\ \mathrm{m^2}$(オ)となり、正弦の代わりに余弦を用いると $360 \times \cos 48° = 240.89\ \mathrm{m^2}$(ア)となります。いずれもよくある誤りなので注意してください。土地家屋調査士試験では関数電卓(プログラム機能のないもの・2台まで)を使用できるので、三角関数の値は電卓で正確に求められます。
問題: 建物の分割の登記及び建物の合併の登記に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
ア.建物の分割の登記とは、表題登記がある建物の附属建物を、その建物の登記記録から分割して、別個独立の一個の建物として登記記録に記録する登記である。
イ.建物の合併の登記とは、表題登記がある建物を登記記録上他の表題登記がある建物の附属建物とする登記等、数個の建物を一個の建物として登記記録に記録する登記である。
ウ.建物の分割の登記、建物の区分の登記及び建物の合併の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人が申請することができる。
エ.所有権の登記がある建物と所有権の登記がない建物とを合併して一個の建物とする、建物の合併の登記をすることができる。
オ.抵当権その他の所有権以外の権利に関する登記がある建物は、原則として、建物の合併の登記をすることができない。
答え: エ
解説: 建物の分割・区分・合併の登記は、いずれも表題部所有者又は所有権の登記名義人の申請によります(不動産登記法54条1項)。
ア(分割の登記)・イ(合併の登記)・ウ(申請適格)はいずれも正しい記述です。
エが誤りです。不動産登記法56条は建物の合併の登記の制限を定めており、所有権の登記がある建物と所有権の登記がない建物とを合併することはできません(同条4号)。
オは正しい記述です。抵当権等の所有権以外の権利に関する登記がある建物は、原則として合併の登記をすることができません(不動産登記法56条5号。ただし、同一の債権を担保する同順位の抵当権の登記など、一定の例外があります)。
出題分野の振り分け
| 問 | 分野 | 論点 |
|---|---|---|
| 第1問 | 不動産登記法(表示) | 地積の更正の登記(地積測量図・申請義務の不存在・一筆一部の可否・公差) |
| 第2問 | 土地家屋調査士法 | 土地家屋調査士法人(社員資格・一人法人・競業避止・社員の責任) |
| 第3問 | 民法 | 共有物の分割(令和3年改正・現物/賠償/競売分割・遺産共有の特則) |
| 第4問 | 測量計算 | 2辺と挟角による三角形の面積($S=\frac{1}{2}ab\sin\theta$) |
| 第5問 | 不動産登記法(表示) | 建物の分割の登記・合併の登記(申請適格・合併の制限) |