問題: 地役権の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア. 地役権の設定登記は、要役地が登記された土地である場合に限り申請することができる。

イ. 地役権の設定登記は、要役地の所有権の登記名義人を登記権利者、承役地の所有権の登記名義人を登記義務者とする共同申請によるのが原則である。

ウ. 地役権の設定登記の申請情報には、承役地の一部について地役権を設定する場合には、その範囲を明らかにする地役権図面の添付が必要である。

エ. 地役権の登記は、承役地および要役地の両方に主登記として記録される。

オ. 一の承役地の上に、複数の地役権を設定することはできない。

答え: 3個(ア、イ、ウが正しい)

解説: ア:正しい。不動産登記法80条1項1号により、要役地の所在・地番・地目・地積を申請情報の内容としなければならず、要役地が登記された土地であることが前提となる。

イ:正しい。不動産登記法60条の共同申請原則どおり、要役地の所有権登記名義人(地役権者=登記権利者)と承役地の所有権登記名義人(地役権設定者=登記義務者)の共同申請による。

ウ:正しい。不動産登記令7条1項6号、不動産登記規則79条により、承役地の一部に設定する場合は地役権図面の提供が必要。

エ:誤り。地役権の登記は、承役地に主登記として記録され、要役地には登記官が職権で付記登記として記録するのが原則(不動産登記規則159条1項)。要役地に主登記ではない。

オ:誤り。地役権は、目的・範囲・存続期間等が異なる限り、同一の承役地の上に複数設定することができる。


問題: 土地家屋調査士の懲戒に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア. 法務大臣は、土地家屋調査士がこの法律またはこの法律に基づく命令に違反したときは、当該調査士に対し、戒告、2年以内の業務の停止、または業務の禁止の懲戒処分をすることができる。

イ. 土地家屋調査士に対する懲戒処分は、令和元年改正(令和2年8月1日施行)により、従前の法務局長・地方法務局長から法務大臣に一元化された。

ウ. 土地家屋調査士に対する懲戒処分は、土地家屋調査士会連合会会長が命じる。

エ. 何人も、土地家屋調査士について懲戒に該当する事実があると思料するときは、法務大臣に対し、当該事実を通知し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。

オ. 業務の禁止の懲戒処分を受けた者は、その処分を受けた日から5年を経過しないと、再度土地家屋調査士となる資格を有しない。

答え: 2個(ウ、オが誤り)

解説: ア:正しい。土地家屋調査士法42条柱書および各号。

イ:正しい。令和元年法律第29号(令和2年8月1日施行)により懲戒権者が法務大臣に一元化された。

ウ:誤り。懲戒処分は法務大臣が命じる(土地家屋調査士法42条)。土地家屋調査士会連合会会長ではない。

エ:正しい。土地家屋調査士法44条1項。

オ:誤り。土地家屋調査士法5条5号により、業務の禁止の処分を受け、その処分の日から3年を経過しない者は欠格事由に該当する。5年ではない。


問題: 地積測量図の記載事項に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア. 地積測量図には、地番区域の名称、方位、縮尺、地番(隣接地の地番を含む。)、地積およびその求積方法を記載しなければならない。

イ. 地積測量図には、筆界点間の距離を記載しなければならない。

ウ. 地積測量図に記載すべき筆界点の座標値は、原則として国土調査法施行令第2条第1項第1号に規定する平面直角座標系に基づくものとされている。

エ. 地積測量図の縮尺は、原則として250分の1とし、土地の状況その他の事情により当該縮尺によることが適当でないときは、この限りでない。

オ. 地積測量図には、境界標があるときは、当該境界標の表示を記載しなければならない。

答え: 5個(すべて正しい)

解説: すべて不動産登記規則77条1項各号の規定どおりの記載事項。

ア:正しい。1号(地番区域の名称)、2号(方位)、3号(縮尺)、4号(地番)、5号(地積およびその求積方法)。

イ:正しい。6号(各筆界点間の距離)。

ウ:正しい。7号(国土調査法施行令第2条第1項第1号に規定する平面直角座標系の番号又は記号及び基本三角点等に基づく測量の成果による筆界点の座標値)。

エ:正しい。同条4項。

オ:正しい。8号(境界標があるときは、当該境界標の表示)。


問題: 平面直角座標系における2点A、Bの座標を、A(100.000, 200.000)、B(150.000, 250.000)としたとき、点Aから点Bを見たときの方位角(北を0°、東を90°とする時計回り)として正しいものはどれか。なお、関数電卓を使用してよい。

ア. 0°00′00″

イ. 30°00′00″

ウ. 45°00′00″

エ. 60°00′00″

オ. 90°00′00″

答え: ウ. 45°00′00″

解説:

平面直角座標系では、X軸が北方向、Y軸が東方向を表す。点Aから点Bへの座標差を次のように計算する。

$$\Delta X = X_B - X_A = 150.000 - 100.000 = +50.000 \text{ m}$$

$$\Delta Y = Y_B - Y_A = 250.000 - 200.000 = +50.000 \text{ m}$$

方位角$\theta$は次の式で求める。

$$\tan \theta = \frac{\Delta Y}{\Delta X}$$

よって、

$$\tan \theta = \frac{+50.000}{+50.000} = 1.000$$

$$\theta = \arctan(1.000) = 45°00′00″$$

象限判定:$\Delta X > 0$、$\Delta Y > 0$ であるから、点Bは点Aから見て第1象限(北東方向)にある。第1象限では、$\arctan(\Delta Y / \Delta X)$ の値がそのまま方位角となる(0°〜90°の範囲)。

【参考】象限ごとの方位角の取り扱い:

象限 $\Delta X$符号 $\Delta Y$符号 方位角の式
第1象限 + + $\arctan(\Delta Y / \Delta X)$
第2象限 + $180° - \arctan(|\Delta Y / \Delta X|)$
第3象限 $180° + \arctan(|\Delta Y / \Delta X|)$
第4象限 + $360° - \arctan(|\Delta Y / \Delta X|)$

問題: 境界標の設置および費用負担に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア. 土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる。

イ. 境界標の設置および保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担する。

ウ. 境界の測量の費用は、その土地の広狭に応じて分担する。

エ. 相隣者の一方が境界標の設置を求めたにもかかわらず、他方が任意に応じない場合には、訴えによって境界標の設置を求めることができる。

オ. 境界標の設置は、相隣者の合意がある場合に限り行うことができ、合意がないときは法律上設置することができない。

答え: 4個(ア、イ、ウ、エが正しい)

解説: ア:正しい。民法223条「土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる」。

イ:正しい。民法224条本文「境界標の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担する」。

ウ:正しい。民法224条ただし書「ただし、測量の費用は、その土地の広狭に応じて分担する」。

エ:正しい。民法223条の境界標設置請求権は、相隣者の一方が他方に対して有する権利であり、相手方が任意に応じない場合には、訴えによって境界標の設置を求めることができる(通説)。

オ:誤り。エの解説のとおり、境界標の設置は相隣者の合意がなくても訴えによって求めることができ、合意がないと設置できないわけではない。


出題分野の振り分け

問題番号 出題分野
第1問 不動産登記法(地役権の登記)
第2問 土地家屋調査士法(懲戒)
第3問 不動産登記法(地積測量図)
第4問 測量計算(方位角)
第5問 民法相隣関係(境界標)