問題: 土地の地積に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ア 地積は、水平投影面積により定める。
イ 地積は、傾斜地については、その傾斜に沿った地表面の実際の面積(斜面積)により定める。
ウ 地積は、平方メートルを単位として定める。
エ 宅地の地積は、1平方メートルの100分の1未満の端数を切り捨てて定める。
オ 宅地及び鉱泉地以外の土地で10平方メートルを超えるものの地積は、1平方メートル未満の端数を切り捨てて定める。
答え: イ
解説: 地積の定め方は、不動産登記規則100条に規定されている。水平投影面積によること、単位、端数処理の3点を正確に押さえる必要がある。
ア 正しい。地積は、水平投影面積により定める(不動産登記規則100条)。土地を真上から見たときの面積であり、土地の起伏や傾斜の有無にかかわらず、水平面に投影した面積で測られる。
イ 誤り。地積は、傾斜地であっても水平投影面積により定めるのであって、傾斜に沿った地表面の実際の面積(斜面積)によるのではない。同じ広がりの土地でも、斜面積は水平投影面積より大きくなる。本選択肢は斜面積によるとする点が誤りである。
ウ 正しい。地積は、平方メートルを単位として定める(不動産登記規則100条)。
エ 正しい。宅地及び鉱泉地の地積は、1平方メートルの100分の1を単位とし、その100分の1未満の端数を切り捨てて定める(不動産登記規則100条)。宅地は精密な地積が求められるため、端数処理の単位が細かい。
オ 正しい。宅地及び鉱泉地以外の土地で10平方メートルを超えるものについては、1平方メートルを単位とし、1平方メートル未満の端数を切り捨てて定める(不動産登記規則100条かっこ書き)。地目と地積の大小によって端数処理の単位が異なる点に注意したい。
地積は、①水平投影面積によること、②平方メートルを単位とすること、③端数処理は原則として1平方メートルの100分の1未満を切り捨てるが、宅地及び鉱泉地以外で10平方メートルを超える土地は1平方メートル未満を切り捨てること、を整理して押さえたい。
問題: 土地家屋調査士の懲戒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ア 土地家屋調査士に対する懲戒処分は、法務大臣が行う。
イ 土地家屋調査士に対する懲戒処分の種類は、戒告、2年以内の業務の停止及び業務の禁止の3種類である。
ウ 何人も、土地家屋調査士に懲戒の事由があると思料するときは、法務大臣に対し、当該事実を通知し、適当な措置をとることを求めることができる。
エ 業務の禁止の処分を受けた者は、その処分の日から3年を経過しなければ、土地家屋調査士となる資格を有しない。
オ 土地家屋調査士に対する戒告の処分はその者の所属する土地家屋調査士会が行い、業務の停止及び業務の禁止の処分は法務大臣が行う。
答え: オ
解説: 土地家屋調査士の懲戒は、令和元年の土地家屋調査士法改正(令和元年法律第29号、令和2年8月1日施行)によって、処分権者が法務局長等から法務大臣へ一元化された。改正前の知識による引っかけに注意したい。
ア 正しい。土地家屋調査士に対する懲戒処分は、法務大臣が行う。改正前は法務局長又は地方法務局長が処分権者であったが、改正により法務大臣に一元化された。
イ 正しい。懲戒処分の種類は、戒告、2年以内の業務の停止及び業務の禁止の3種類である。司法書士の懲戒処分と同じ3類型である。
ウ 正しい。何人も、土地家屋調査士に懲戒の事由があると思料するときは、法務大臣に対し、当該事実を通知し、適当な措置をとることを求めることができる。懲戒の端緒を広く一般に開く趣旨である。
エ 正しい。業務の禁止の処分を受けた者は、その処分の日から3年を経過しない間は、土地家屋調査士となる資格を有しない(欠格事由。土地家屋調査士法5条)。いったん業務の禁止を受けた者の再登録を一定期間制限するものである。
オ 誤り。戒告を含むすべての懲戒処分は、法務大臣が行う。戒告の処分を土地家屋調査士会が行うという制度は存在しない。本選択肢は、戒告の処分を所属の土地家屋調査士会が行うとする点で誤りである。
懲戒については、①処分権者は法務大臣であること(令和元年改正による一元化)、②処分は戒告・2年以内の業務の停止・業務の禁止の3種類であること、③何人も懲戒を求める申出ができること、④業務の禁止の処分は3年間の欠格事由となること、を押さえておきたい。
問題: 所有権の取得時効に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ア 20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
イ 10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。
ウ 占有者は所有の意思をもって占有するものと推定されないため、所有権を時効取得しようとする占有者は、自己に所有の意思があったことを自ら立証しなければならない。
エ 占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる。
オ 占有者の承継人が自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張する場合には、その前の占有者の占有の瑕疵をも承継する。
答え: ウ
解説: 所有権の取得時効は、土地家屋調査士試験の民法でも、境界をめぐる紛争との関係で問われる重要論点である。要件と占有の承継の扱いを整理する。
ア 正しい。民法162条1項により、20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。占有開始時の善意・悪意を問わない長期取得時効である。
イ 正しい。民法162条2項により、10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。善意・無過失は占有開始時に備わっていれば足りる。
ウ 誤り。民法186条1項により、占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定される。したがって、所有の意思(自主占有であること)は推定されるため、時効取得を主張する占有者がこれを自ら立証する必要はない。所有の意思がないこと(他主占有であること)は、時効取得を争う相手方が、占有を基礎づける権原の性質や占有に関する事情によって立証することになる。本選択肢は、所有の意思が推定されないとし、占有者が自ら立証しなければならないとする点で誤りである。
エ 正しい。民法187条1項により、占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる。
オ 正しい。民法187条2項により、前の占有者の占有を併せて主張する場合には、その瑕疵をも承継する。たとえば前の占有者の占有が悪意・有過失で始まっていれば、その瑕疵を引き継ぐため、承継人が善意・無過失であっても10年の短期取得時効を主張することはできない。
取得時効では、①長期20年・短期10年(短期は占有開始時の善意・無過失)、②所有の意思・平穏・公然・善意は推定されること(186条1項)、③占有の承継人は占有の併合を選択できるが瑕疵も承継すること(187条)、を区別して押さえたい。
問題: トラバース測量において、測線ABの方向角が84°35′40″であった。各測点において、後視方向(前の測点を見る方向)から前視方向(次の測点を見る方向)へ右回りに測った夾角が、点Bで168°42′30″、点Cで195°25′50″であったとき、測線BCの方向角及び測線CDの方向角を求めよ。
答え: 測線BCの方向角:73°18′10″ / 測線CDの方向角:88°44′00″
解説: 方向角は、座標の北方向(X軸の正方向)を基準に、右回りに測った角であり、0°以上360°未満の値で表す。
【計算の考え方】
ある測線の方向角に180°を加えると、その逆方向の方向角(逆方向角)が得られる。各測点で後視方向から前視方向へ右回りに夾角を測っているので、次の測線の方向角は次の式で求められる。
$$\text{次測線の方向角} = \text{前測線の方向角} + 180° + \text{夾角}$$
計算結果が360°以上になったときは、360°を減じて0°以上360°未満に収める。
【測線BCの方向角】
$$84°35′40″ + 180°00′00″ + 168°42′30″ = 433°18′10″$$
秒は40″+30″=70″で、60″を1′に繰り上げて10″。分は35′+42′+1′=78′で、60′を1°に繰り上げて18′。度は84°+180°+168°+1°=433°。合計433°18′10″。
360°以上なので360°を減じる。
$$433°18′10″ - 360° = 73°18′10″$$
【測線CDの方向角】
測線BCの方向角を使って、同じ手順で計算する。
$$73°18′10″ + 180°00′00″ + 195°25′50″ = 448°44′00″$$
秒は10″+50″=60″で、60″を1′に繰り上げて0″。分は18′+25′+1′=44′。度は73°+180°+195°=448°。合計448°44′00″。
360°を減じる。
$$448°44′00″ - 360° = 88°44′00″$$
【ポイント】
- 度・分・秒は60進法であり、秒が60以上になれば分へ、分が60以上になれば度へ繰り上げる
- 方向角は0°以上360°未満で表すため、計算結果が360°以上のときは360°を減じ、0°未満のときは360°を加える
- 「前測線の方向角+180°+夾角」の式は、夾角を後視方向から前視方向へ右回りに測っていることが前提となる。夾角の測り方が変われば式も変わるため、夾角の定義を必ず確認すること
問題: 建物図面及び各階平面図に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ア 建物図面は、建物の敷地並びにその1階(区分建物にあっては、その地上の最低階)の位置及び形状を明確にするものでなければならない。
イ 建物図面には、方位、縮尺、敷地の地番及び隣接地の地番を記録する。
ウ 各階平面図には、各階の別、各階の平面の形状、1階の位置、各階ごとの建物の周囲の長さ並びに床面積及びその求め方を記録する。
エ 建物図面は原則として250分の1、各階平面図は原則として500分の1の縮尺により作成する。
オ 建物図面及び各階平面図において、附属建物があるときは、その符号を記録する。
答え: エ
解説: 建物の表題登記等の申請に際して提供する建物図面及び各階平面図について、それぞれの内容と縮尺を整理する必要がある。
ア 正しい。建物図面は、建物の敷地並びにその1階(区分建物にあっては、その地上の最低階)の位置及び形状を明確にするものでなければならない(不動産登記規則82条)。建物が敷地のどこにどのような形で建っているかを示す図面である。
イ 正しい。建物図面には、方位、縮尺、敷地の地番及び隣接地の地番を記録する(不動産登記規則82条)。
ウ 正しい。各階平面図には、各階の別、各階の平面の形状、1階の位置、各階ごとの建物の周囲の長さ並びに床面積及びその求め方を記録する(不動産登記規則83条)。床面積の数値だけでなく、その求め方も明らかにする点が重要である。
エ 誤り。建物図面は原則として500分の1、各階平面図は原則として250分の1の縮尺により作成する(不動産登記規則82条・83条)。本選択肢は、建物図面と各階平面図の縮尺を逆にしている点が誤りである。
オ 正しい。建物図面及び各階平面図において、附属建物があるときは、その符号を記録する。主である建物と附属建物を符号によって区別する。
建物図面は敷地と建物の位置関係を示す図面で原則500分の1、各階平面図は各階の形状と床面積を示す図面で原則250分の1である。両者の役割と縮尺を取り違えないよう整理しておきたい。
出題分野の振り分け
| 問題 | 科目 | 主な根拠条文・事項 |
|---|---|---|
| 第1問 | 不動産登記法(表示) | 不動産登記規則100条(地積=水平投影面積・平方メートル・端数処理) |
| 第2問 | 土地家屋調査士法 | 懲戒(処分権者=法務大臣・令和元年法律第29号による一元化/処分3種/欠格事由=同法5条) |
| 第3問 | 民法(取得時効) | 民法162条1項・2項、186条1項、187条1項・2項 |
| 第4問 | 測量計算(方向角) | 方向角の計算:次測線の方向角=前測線の方向角+180°+夾角 |
| 第5問 | 作図・書式(建物図面・各階平面図) | 不動産登記規則82条(建物図面・500分の1)・83条(各階平面図・250分の1) |