相続した土地に古い抵当権が残っていたら──「休眠担保権」の抹消という手続き

この記事の要点 完済しても抹消登記をしなければ、抵当権は登記簿に残り続ける 相手(抵当権者)と連絡が取れなくても、供託・公示催告・解散会社向けの特別ルートで単独抹消できる まずは登記事項証明書で抵当権の内容(弁済期・抵当権者の種類)を確認するところから 相続で土地を引き継いだとき、登記簿(登記事項証明書)を見て驚くことがあります。「親の代、いや祖父母の代よりさらに前に設定された、見たこともない古い抵当権が残っていた」――そんなケースです。中には、明治時代や大正時代に設定されたものが、そのまま100年近く残っていることもあります。 ...

2026年5月22日 · ひぐらしさとし

相続人への遺贈は一人で登記できる──令和5年4月施行・遺贈登記の単独申請化

この記事の要点 令和5年4月施行の不動産登記法63条3項により、相続人への遺贈は受遺者が単独で登記申請できる 相続人以外への遺贈は従来通り共同申請(遺言執行者または相続人全員との共同)のまま 相続人への遺贈による取得も相続登記の申請義務化(3年以内・10万円以下の過料)の対象 「遺贈する」と書かれた遺言で、長男が直面した壁 亡くなったお父さんが、こんな遺言を残していたとします。 ...

2026年5月19日 · ひぐらしさとし

相続登記の登録免許税が『ゼロ』になる土地──100万円以下の免税措置を見落とさないために

この記事の要点 固定資産税評価額100万円以下の土地は、相続登記の登録免許税が免税になる(令和9年3月31日まで) 数次相続で中間の相続人が登記をしないまま亡くなった場合の中間登記も、土地であれば価額制限なく免税 免税は自動適用されず、申請書に根拠条文(租税特別措置法第84条の2の2)を書かないと課税されてしまう 「相続登記をすると登録免許税はいくらかかるの?」──相続登記の義務化(令和6年4月施行)をきっかけに、気になっている方も多いのではないでしょうか。 ...

2026年5月10日 · ひぐらしさとし

数次相続(すうじそうぞく)の落とし穴──親の相続を放っておくと、なぜ厄介になるのか

この記事の要点 数次相続(すうじそうぞく)とは、相続を放置している間に次の相続が連鎖して発生した状態 相続人がねずみ算式に増え、戸籍収集も遺産分割協議もハードルが上がる 相続登記義務化の経過措置期限は2027年3月31日まで。気になる不動産があればお近くの司法書士にご相談ください 「父が亡くなったとき、田舎の土地は誰も使わないからそのままにしておこう」──そう先延ばしにしているうちに、母も祖父母も亡くなってしまった。気づけば、相続人がいとこやその子どもまで広がっていた。 ...

2026年5月5日 · ひぐらしさとし

相続人申告登記とは何か — 相続登記の期限に間に合わないときの応急策

この記事の要点 相続人申告登記は「自分が相続人の一人です」と法務局に申し出るだけの応急策で、過料(10万円以下)を回避できる 所有権の移転を証明するものではなく、最終的には遺産分割成立後に本来の相続登記が必要になる 登録免許税は非課税で、単独申出・戸籍の簡略化ができる まずは結論から 「期限までに通常の相続登記ができない」「遺産分割協議がまとまらない」「相続人の一部と連絡がつかない」── そういうときに、ひとまず相続登記義務を果たしたものとみなしてもらえるしくみが、令和6年(2024年)4月1日にスタートしました。これが「相続人申告登記」です。 ...

2026年5月3日 · ひぐらしさとし

相続登記の義務化、放置すると過料10万円の落とし穴 ― 実際に過料が科されるのはどんなとき?

この記事の要点 期限を過ぎても即座に10万円取られるわけではなく、登記官の催告を経てなお放置した場合に裁判所が過料を決定する 数次相続で相続人が多数・訴訟係属中・重病など「正当な理由」があれば過料を免れる余地がある 分割協議が長引きそうなときは「相続人申告登記」でひとまず義務を履行できる 「相続登記が義務になったのは知っているけれど、放っておいたら本当に10万円取られるの?」 最近、こうしたご質問をよくいただくようになりました。 ...

2026年5月3日 · ひぐらしさとし

亡くなった父名義の家、どうやって名義変更する?相続登記の流れを最初から最後までやさしく解説

この記事の要点 相続登記は「戸籍集め→相続関係図→遺産分割協議書→申請書→添付書類→法務局へ申請→識別情報受領」の7ステップ 費用の目安は固定資産税評価額×0.4%の登録免許税。2024年4月から3年以内の申請が義務 戦前の戸籍まで遡る・相続人が多い・数次相続など複雑なケースは、お近くの司法書士にご相談ください 「父が亡くなって何年も経つけれど、家の名義はまだ父のまま」 「そろそろ名義を変えなきゃと思いつつ、何から手をつけていいかわからない」 ...

2026年5月3日 · ひぐらしさとし

相続登記で兄弟の一人だけ協力しない場合の対処法──段階的な解決の進め方

この記事の要点 遺産分割協議に協力しない相続人がいても「話し合い→調停→審判」と段階的な解決手段が用意されている 法定相続分どおりの相続登記なら、相続人1人でも単独申請できる(不動産登記法63条2項) 相続登記義務化の「3年」の期限は待ってくれないため、協議が長引きそうなら相続人申告登記で義務違反を先に回避しておく 亡くなった親の家を相続するため遺産分割協議を進めようとしても、兄弟姉妹のうち一人だけが話し合いに応じてくれない——これは相続実務でもっとも多く見られる悩みのひとつです。 ...

2026年4月30日 · ひぐらしさとし

「親の不動産、どこにあるかわからない」を解決する新制度──所有不動産記録証明制度が始まりました

この記事の要点 2026年2月2日開始の所有不動産記録証明制度で、全国の法務局を横断検索し特定の人名義の不動産を一覧にした証明書を取得できる 費用は証明書1通1,600円(オンライン申請はやや安い)で、相続人は戸籍謄本等を添えて請求できる 登記簿上の氏名・住所と請求時の氏名・住所が一致しないと検索にひっかからないため、旧住所・旧姓でも確認が必要 「父が亡くなって、不動産を相続することになったけれど、土地がどこにあるかよくわからない」 ...

2026年4月25日 · ひぐらしさとし

デジタル遺品・暗号資産の相続──見えない財産をどう引き継ぐか

この記事の要点 ネット銀行・暗号資産などの「デジタル遺品」は相続財産として扱われるが、通帳のように目に見えないため家族が気づかず引き継げないリスクがある 自己管理していた暗号資産は秘密鍵がなければ相続人でも事実上取り出せないため、生前の一覧化が重要 財産の一覧やパスコードのメモを元気なうちに残しておくことが、家族が困らない最大の備えになる ネット証券の口座、スマホの中の写真、SNSアカウント、そして暗号資産(仮想通貨)。 形のない「デジタル遺品」は、今や相続の現場で避けて通れないテーマになっています。 ...

2026年4月19日 · ひぐらしさとし