一人会社の社長が亡くなったら──後継者がいない会社はどうなる?

この記事の要点 取締役1名・株主1名の「一人会社」で社長が亡くなると、会社には取締役も代表者も誰もいない状態が生じる 緊急の対応策として、裁判所に一時取締役・一時代表取締役の選任を申し立てる方法がある(会社法346条2項・351条2項)。申立ての代理は弁護士、裁判所へ提出する書類の作成は司法書士という役割分担がある 株式は相続人に引き継がれるため、相続人が株主として新しい取締役を選ぶ道筋もある 誰も引き継がない場合は解散・清算という選択肢になるが、清算人も自動的には決まらない点に注意が必要 放置すると役員変更登記の懈怠で過料の対象になり、最終的には休眠会社として強制的に解散させられることもある 「社長がすべてを兼ねている」会社は、中小企業では珍しくありません。取締役が1人だけで、その人がほぼ全部の株式も持っている──いわゆる一人会社です。効率的に経営できる反面、その1人に万一のことがあったとき、会社の意思決定を担う人が文字どおり誰もいなくなるという弱点を抱えています。 ...

2026年8月26日 · ひぐらしさとし

「有限会社」のままでいい? 株式会社へ変えるべき?――特例有限会社の続け方と移行登記の基本

この記事の要点 有限会社は今は新設できず、既存の有限会社は「特例有限会社」として株式会社の一種で存続している 役員に任期がない・みなし解散の対象外・決算公告不要という利点があり、無理に変える必要はない 株式会社へ移行したい場合は「商号変更による移行」で、解散・設立の登記を同時申請。登録免許税は最低でも6万円程度から 「うちの会社、いまだに『有限会社』なんだけど、このままで大丈夫なの?」「株式会社に変えたほうが見栄えがいいと聞いたけれど、手続きが大変そう」――長く会社を続けてこられた方から、こうした声をよく耳にします。 ...

2026年6月22日 · ひぐらしさとし

「会社が勝手に解散させられていた」――登記の放置と『会社の継続』で元に戻す手続き

この記事の要点 最後の登記から12年が経過すると、官報公告後2か月以内に届出・登記をしなければ「みなし解散」となる 解散したとみなされた時から3年以内なら、株主総会の特別決議+役員選任+登記で「会社の継続」ができる 継続の登録免許税は3万円(役員変更等をあわせて行う場合は別途加算)。3年を過ぎると継続はできない 「久しぶりに会社の登記簿(登記事項証明書)を取ってみたら、『解散』と書かれていた」――そんな相談は、決して珍しいものではありません。会社をたたんだ覚えはないのに、いつのまにか解散したことになっている。これは多くの場合、登記を長く放置していたために、国の手続きで解散したものと扱われてしまったケースです。 ...

2026年6月19日 · ひぐらしさとし

会社をたたむときの登記の流れ──解散登記から清算結了まで、費用と期間の全体像

この記事の要点 会社の終わり方は「解散」と「清算結了」の2段階。解散しただけでは会社は消えない 官報の債権者保護公告に2か月以上かかるため、最短でも全体で2か月超が必要 実費(登録免許税+官報公告)で7〜8万円程度が目安。お近くの司法書士にご相談ください 中小企業の経営者の間で、ここ数年で関心が高まっているテーマのひとつが「会社をきれいにたたむ手続き」です。後継者がいない、事業の主軸を別法人に移したので旧法人は閉じたい、コロナ後の事業整理で複数あった子会社をひとつに絞りたい──理由はさまざまだとされています。 ...

2026年5月11日 · ひぐらしさとし

合同会社から株式会社への組織変更──手続きの流れ・必要書類・費用の全体像

この記事の要点 合同会社から株式会社への「組織変更」は、新しい会社を作り直すのではなく同じ法人格のまま形態だけを変える手続き 社員全員一致の同意+1ヶ月以上の債権者保護手続(官報公告・個別催告)が必要で、最短でも1.5〜2ヶ月かかる 登録免許税は「合同会社の解散30,000円」+「株式会社の設立(資本金×0.15%、最低30,000円)」の合計 「合同会社で起業したけれど、信用力を考えて株式会社に変えたい」「取引先から『株式会社にしないと取引できない』と言われた」──こうした悩みは、設立から数年経った合同会社の経営者によくある相談の一つです。 ...

2026年5月2日 · ひぐらしさとし

12年そのままだと会社が消える──休眠会社のみなし解散にご注意を

「会社を作ったけれど、ここ数年は活動していない」 「昔の会社を、いつか使おうと思ってそのままにしている」 こうした休眠会社には、毎年秋になるとある危険が忍び寄ります。それが 「みなし解散」 です。 ...

2026年4月19日 · ひぐらしさとし