遺言執行者って何をする人?──遺言を確実に実現する「実行係」の決め方

この記事の要点 遺言執行者は、遺言の内容を実際に実現する「実行係」。未成年者・破産者以外なら誰でもなれる 遺贈・認知・推定相続人の廃除がある場合、遺言執行者の指定は事実上必須 誰を選ぶか・報酬の決め方などは、お近くの司法書士にご相談ください 「遺言を書いた」だけで安心していませんか?実は、書かれた内容を実際に動かす人——遺言執行者(いごんしっこうしゃ)——を決めておくかどうかで、相続手続きの進みやすさは大きく変わります。 ...

2026年5月9日 · ひぐらしさとし

養子縁組と相続──「普通」と「特別」で何が違う?

この記事の要点 普通養子は実親・養親の両方の相続権を持つ「二重の相続権」。特別養子は実親との縁が切れ、養親側のみ相続権を持つ 相続税の基礎控除では、普通養子は実子がいれば1人まで・いなければ2人までしかカウントされない(特別養子・連れ子養子は制限対象外) 再婚や事業承継で養子縁組を検討する際は、相続全体への影響を踏まえお近くの司法書士にご相談ください 養子縁組と聞くと、テレビドラマの世界の話のように感じるかもしれません。しかし実際には、「再婚相手の連れ子と養子縁組する」「孫を養子にして相続人を増やす」「子のいない夫婦が親族の子を引き取る」といった場面で、いまも珍しくない手続きです。 ...

2026年5月6日 · ひぐらしさとし

数次相続(すうじそうぞく)の落とし穴──親の相続を放っておくと、なぜ厄介になるのか

この記事の要点 数次相続(すうじそうぞく)とは、相続を放置している間に次の相続が連鎖して発生した状態 相続人がねずみ算式に増え、戸籍収集も遺産分割協議もハードルが上がる 相続登記義務化の経過措置期限は2027年3月31日まで。気になる不動産があればお近くの司法書士にご相談ください 「父が亡くなったとき、田舎の土地は誰も使わないからそのままにしておこう」──そう先延ばしにしているうちに、母も祖父母も亡くなってしまった。気づけば、相続人がいとこやその子どもまで広がっていた。 ...

2026年5月5日 · ひぐらしさとし

義理の親を介護したのに相続では何ももらえない?──特別寄与料制度の基本

この記事の要点 相続人でない嫁や甥姪でも、無償で被相続人を介護し「特別の寄与」をしていれば、特別寄与料(民法1050条)を相続人に請求できる 請求期限は相続の開始・相続人を知った時から6か月、または相続開始から1年と短い 介護の事実を裏付ける記録が重要。早めにお近くの司法書士にご相談ください 「義理の父(夫の父)を10年以上介護してきたのに、相続では一切財産をもらえない」──こうした相談は、相続の現場でしばしば聞かれます。なぜなら、嫁や婿は法律上の「相続人」ではないため、原則として相続財産を受け取る権利がないからです。 ...

2026年5月4日 · ひぐらしさとし

戸籍の収集が大変で、途中で止まっている人へ ― 詰まりポイントと突破口

この記事の要点 戸籍収集は専門家でも大変な作業。止まって当然、まずは焦らないこと 本籍が転々としている場合は、2024年3月開始の広域交付制度でお近くの窓口にまとめて請求できる 読めない戸籍・廃棄証明書が出てきたら、無理せずお近くの司法書士にご相談ください 「親が亡くなって、相続手続きのために戸籍を集め始めた。でも、途中で本籍が転々としていて遡れない」「役所から届いた古い戸籍が手書きで、何が書いてあるのか読めない」「『廃棄済証明書』というものが出てきて、その先が分からなくなった」――。 ...

2026年5月3日 · ひぐらしさとし

自筆証書遺言と公正証書遺言、どちらを選ぶべきか|要件・費用・検認・訴訟リスクを徹底比較

この記事の要点 確実性を重視するなら公正証書遺言、手軽さとコストを重視するなら自筆証書遺言(法務局保管制度の併用がおすすめ) 自筆証書遺言は要件を一つでも欠くと無効になるリスクがあるが、公正証書遺言は公証人が関与するためほぼ起こらない 検認の要否・費用・遺言能力争いへの強さが選択の分かれ目になる 「遺言を書こうと思うが、自分で書く方法と公証役場で作る方法、どちらがよいのか」――この質問は、遺言相談の現場で最も多く寄せられるものの一つです。結論から言えば、確実性を重視するなら公正証書遺言、手軽さとコストを重視するなら自筆証書遺言(できれば法務局保管制度を併用)、というのが実務上の一般的な整理です。 ...

2026年5月3日 · ひぐらしさとし

相続人が5〜6人いて遺産分割がまとまらない|連絡先の調べ方から家裁の調停・審判への進み方まで

この記事の要点 兄弟姉妹相続・代襲相続では相続人が5〜10人以上に増えやすい。まず戸籍と戸籍の附票で相続人と連絡先を確定する 話し合いがまとまらなければ、家庭裁判所の遺産分割調停・審判に進む 2023年4月からの「10年ルール」で特別受益・寄与分の主張には期限がある。早めにお近くの司法書士にご相談ください 「亡くなった伯父には子どもがいなかったので、兄弟姉妹6人で相続することになった」 「そのうち2人は既に亡くなっており、その子ども(甥・姪)が代わりに相続人になった」 「結果として相続人は8人を超え、何十年も会っていない人や、住所すら知らない人もいる」 ...

2026年5月3日 · ひぐらしさとし

相続登記の義務化、放置すると過料10万円の落とし穴 ― 実際に過料が科されるのはどんなとき?

この記事の要点 期限を過ぎても即座に10万円取られるわけではなく、登記官の催告を経てなお放置した場合に裁判所が過料を決定する 数次相続で相続人が多数・訴訟係属中・重病など「正当な理由」があれば過料を免れる余地がある 分割協議が長引きそうなときは「相続人申告登記」でひとまず義務を履行できる 「相続登記が義務になったのは知っているけれど、放っておいたら本当に10万円取られるの?」 最近、こうしたご質問をよくいただくようになりました。 ...

2026年5月3日 · ひぐらしさとし

相続放棄、3ヶ月過ぎたら借金を背負う?──熟慮期間を過ぎてしまった後の救済

この記事の要点 熟慮期間(3ヶ月)を過ぎていても、最判昭和59年4月27日により救済される余地がある 「財産が全く存在しないと信じ、そう信じたことに相当な理由がある」ことを上申書で丁寧に説明する必要がある 預金の引き出しや不動産の処分など「単純承認」とみなされる行為をしてしまうと、救済の道が閉ざされる 「父が亡くなって半年。すっかり落ち着いた頃に、見知らぬ消費者金融から『お父様の借金を相続人として支払ってください』という請求書が届いた──」 ...

2026年5月3日 · ひぐらしさとし

相続登記で兄弟の一人だけ協力しない場合の対処法──段階的な解決の進め方

この記事の要点 遺産分割協議に協力しない相続人がいても「話し合い→調停→審判」と段階的な解決手段が用意されている 法定相続分どおりの相続登記なら、相続人1人でも単独申請できる(不動産登記法63条2項) 相続登記義務化の「3年」の期限は待ってくれないため、協議が長引きそうなら相続人申告登記で義務違反を先に回避しておく 亡くなった親の家を相続するため遺産分割協議を進めようとしても、兄弟姉妹のうち一人だけが話し合いに応じてくれない——これは相続実務でもっとも多く見られる悩みのひとつです。 ...

2026年4月30日 · ひぐらしさとし