隣の空き家が倒れそうなとき、苦情はどこに?──相談先と使える制度の整理

この記事の要点 隣の空き家が危険な状態のとき、最初の相談先は市区町村の空き家担当窓口です。空家等対策特別措置法にもとづき、市区町村が所有者への助言・指導や勧告などを行う仕組みがあります 空き家の所有者(名義人)は、法務局で登記事項証明書を取れば手がかりがつかめます。手数料を払えば誰でも取得できます 所有者が分からない場合や、分かっていても管理してもらえない場合には、裁判所に管理人を選んでもらう民法上の管理制度(所有者不明建物管理制度・管理不全建物管理制度)が使える可能性があります 実際に被害が出た・出そうな場合の損害賠償請求や差止め、所有者との交渉は、弁護士に相談するのが確実です 「どの窓口に何を相談するか」をまず整理するのが、解決への近道です 台風のたびに、隣の空き家の屋根材が飛んでこないか不安になる。壁が傾いてきて、いつ倒れてもおかしくない──。そんなとき、「苦情はどこに言えばいいのか」「そもそも誰に言えばいいのか」が分からず、悩んでいる方は少なくありません。 ...

2026年8月27日 · ひぐらしさとし

管理不全土地・建物管理制度とは──荒れ放題の隣地に裁判所から管理人

この記事の要点 持ち主は分かっているのに管理が行き届かず、他人の権利・利益が侵害されている(またはそのおそれがある)とき、裁判所に管理人を選んでもらえる制度があります(民法264条の9・264条の14。2023年4月1日施行) 申立てができるのは「利害関係人」。被害を受けている(受けるおそれのある)隣地の所有者などが該当し得ます 管理人が処分(売却など)を行うには、裁判所の許可に加えて所有者本人の同意が必要です。所有者が分からない場合の制度とは、この点が大きく異なります 裁判所は原則として、対象となる土地・建物の所有者の言い分(陳述)を聴いたうえで判断します 申立てにあたっては、管理費用に充てるお金(予納金)を納めるのが通常です 隣の土地が何年も手入れされず、雑草や枝が敷地にはみ出し、建物は今にも崩れそう。持ち主が誰かは分かっている、あるいは連絡もつく。それでも管理をしてもらえない──そのような場合に使える可能性があるのが、この記事で解説する「管理不全土地・建物管理制度」です。 ...

2026年8月26日 · ひぐらしさとし

所有者不明土地管理制度とは──持ち主がわからない隣の土地に管理人を付けてもらう方法

この記事の要点 持ち主がわからない土地について、裁判所に「所有者不明土地管理人」という管理人を選んでもらえる制度があります(民法264条の2。2023年4月1日施行) 申立てができるのは「利害関係人」。管理されないことで不利益を受けるおそれのある隣地の所有者も、事案によっては該当し得ます 管理人は、土地の保存や、性質を変えない範囲での利用・改良にあたる行為を行うことができ、売却などの処分には裁判所の許可が必要です 申立先は、その土地の所在地を管轄する地方裁判所。申立てにあたっては、管理費用に充てるお金(予納金)を納めるのが通常です 「人」ではなく「土地」の単位で管理人が付く点が、従来からある不在者財産管理人との大きな違いです 隣の土地が長年放置されていて、草木が伸び放題、塀は崩れかけ。何とかしたくても、登記簿を調べても持ち主にたどり着けない──。そのようなときに使える可能性があるのが、この記事で解説する「所有者不明土地管理制度」です。裁判所が土地の管理人を選び、その管理人が持ち主に代わって土地を管理してくれる、2023年4月に始まった比較的新しい制度です。 ...

2026年8月25日 · ひぐらしさとし