遺言で不動産を特定する書き方──「自宅」や住所だけでは相続登記で困ることがある

この記事の要点 遺言書の中で不動産を書くときは、「自宅」や住所(住居表示)だけで済ませず、登記事項証明書の表題部に書かれているとおりに書くのが基本です。土地は所在・地番・地目・地積、建物は所在・家屋番号・種類・構造・床面積です。 ふだん使う住所と、登記で使う「地番」は別の番号です。自宅の敷地が何筆にも分かれていたり、私道の持分があったりすると、住所だけでは書き漏れが起きやすくなります。 持分だけを持っている不動産、マンション(敷地権付きの区分建物)、登記されていない建物は、それぞれ書き方に注意点があります。 「その他一切の財産」と書く条項は書き漏れへの備えにはなりますが、個々の不動産をきちんと書くことの代わりにはなりません。 書いた遺言書で実際に登記ができるかどうかは、法務局の判断と個別の事情によります。書く前・書き直す前に、最新の登記事項証明書を取り寄せて照らし合わせるところから始めましょう。 遺言書に「自宅は長男に相続させる」と書いておけば、家族には気持ちが伝わります。けれども、亡くなった後に名義を変える手続き(相続登記)では、遺言書に書かれた内容からどの土地・どの建物なのかを読み取れるかが問われます。 ...

2026年10月17日 · ひぐらしさとし

自筆証書遺言が無効になる典型例──日付・押印・加除訂正・共同遺言・パソコン本文

この記事の要点 自筆証書遺言は、全文・日付・氏名を自分の手で書き、印を押すのが法律の定める方式です(民法968条1項)。1つでも欠けると、遺言として効力が認められないおそれがあります 失敗しやすいのは「日付」「押印」「書き間違いの訂正」「夫婦で1枚に書く」「本文をパソコンで作る」の5つです 押印を不要にする改正法(令和8年法律第45号)は公布されていますが、2026年10月の執筆時点では施行されていません。今書くなら押印が必要です 書き終えたら、方式どおりかどうかを第三者に確認してもらうと安心です 自筆証書遺言は、紙とペンと印鑑があれば自分ひとりで作れます。その手軽さの一方で、民法が決めた書き方(方式)を1つでも外すと、遺言として扱われないおそれがあります。民法960条は「遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない」と定めているからです。 ...

2026年10月16日 · ひぐらしさとし