不動産の決済で司法書士は誰が選ぶ?──売主側・買主側・銀行指定の実際と費用負担の慣行

この記事の要点 不動産の売買で司法書士を誰が選ぶかは、法律で決まっているわけではありません。一般には、買主側(不動産会社の紹介や、住宅ローンを組む金融機関の手配を含む)で決まることが多いとされています 住宅ローンを使う場合、金融機関も抵当権の登記の当事者になるため、金融機関の手続きの都合が司法書士選びに関わります 登記費用を誰が負担するかは「誰が選んだか」ではなく、売買契約書の取り決めで決まります。名義変更は買主、売主の抵当権の抹消は売主が負担する形が一般的とされています 買主が自分で司法書士を選びたいときは、決済日が決まる前に、不動産会社と金融機関へ早めに伝えて相談しましょう 不動産を売り買いするとき、「司法書士は誰が頼むものなのか」「不動産会社に紹介された人に決まっているのか」と迷う方は少なくありません。 ...

2026年10月16日 · ひぐらしさとし

中古住宅を買う前に登記簿でチェックする5項目──所有者・抵当権・差押え・仮登記・共有

この記事の要点 中古住宅を買う前は、土地と建物の登記簿(登記事項証明書)で5項目を確認する──①売主と所有者(登記名義人)は一致しているか ②抵当権が残っていないか ③差押え・仮差押えが入っていないか ④仮登記がないか ⑤共有になっていないか 登記された権利の内容と登記名義人は、不動産会社(宅地建物取引業者)の重要事項説明でも説明される事項です(宅地建物取引業法35条1項1号)。説明に代わるものではなく、説明とあわせて自分の目でも確かめるためのチェックです 登記事項証明書は1通600円、オンラインで請求すれば窓口受取490円・郵送520円(登記手数料令2条1項・3条1項) 気になる登記を見つけたら、それが何を意味するかを確かめ、決済(代金の支払いと引き渡し)までに抹消されるのか、どういう段取りなのかを契約前に確認します 中古住宅を買う前に、登記簿で確認しておきたいのは「所有者」「抵当権」「差押え」「仮登記」「共有」の5項目です。どれも登記事項証明書(いわゆる登記簿謄本)の甲区(こうく=所有権に関する欄)と乙区(おつく=所有権以外の権利に関する欄)を見れば分かります。 ...

2026年10月15日 · ひぐらしさとし

家を買うときの登記費用の内訳──登録免許税の軽減・住宅用家屋証明書・実費と報酬の考え方

この記事の要点 家を買うときの登記費用は、大きく「登録免許税(国に納める税金)」「証明書の取得などの実費」「司法書士の報酬」の3つに分かれます 登録免許税は登記の種類ごとに別々にかかります。土地の名義変更・建物の名義の登記・住宅ローンの抵当権設定で、それぞれ税率が違います 自分が住む家で一定の要件を満たせば、建物と住宅ローンの登記の税率が軽くなる措置があり、その入場券が住宅用家屋証明書です。土地の売買にも別の軽減措置があります 軽減措置には適用期限があり、税制改正で変わることがあります。登記の時点の条文で確認するのが基本です 報酬は事務所ごとに決めるものなので、見積書で「何が含まれているか」を確かめましょう 家を買うときの登記費用は、「登記1件いくら」という決まった料金があるわけではありません。どんな登記をいくつするかによって積み上がる、足し算の費用です。 ...

2026年10月12日 · ひぐらしさとし

不動産登記の全体マップ──場面別(買う・借りる・返し終わる・相続する・手放す)

この記事の要点 不動産の登記は、種類の名前から探すより「いまどんな場面か」から探すと迷いにくくなります。この記事では、買う・借りる・返し終わる・相続する・贈与や財産分与・手放す・住所や氏名が変わった、の場面別に並べています 建物の新築・取壊し、土地の地目変更・分筆など、土地や建物の形や使い方を記録する「表示に関する登記」は土地家屋調査士の業務です。名義や抵当権を記録する「権利に関する登記」は司法書士の分野です(どちらも、所有者本人が自分で申請することもできます) 申請の期限があるのは主に、相続登記(原則3年以内)、住所・氏名の変更登記(2年以内)、新築・取壊しなどの表示に関する登記(1か月以内)です 自分の場面を下の一覧で見つけたら、リンク先の詳しい記事へ進んでください 不動産の登記にはいくつもの種類がありますが、ふだんの暮らしで出てくる場面はある程度決まっています。この記事は、不動産登記に関する解説記事をまとめて案内する場面別の目次です。制度のしくみはそれぞれの記事にゆずり、ここでは「どの場面で、どの登記が出てきて、どの記事を読めばよいか」だけを並べます。本記事は、執筆時点(2026年09月)の法令に基づく一般的な解説です。 ...

2026年9月29日 · ひぐらしさとし

自分でできる登記・専門家に頼んだほうがいい登記──難易度マップ

この記事の要点 登記は、制度上は本人が自分で申請できます。難しさを分けるのは主に「書類が定型か」「相手方や関係者が多いか」「税金・測量・争いが絡むか」の3点です 自分でも取り組みやすい目安は、住宅ローン完済後の抵当権抹消、住所・氏名の変更登記、相続人申告登記など。専門家向きの目安は、売買の決済、住宅ローンの設定、財産分与、休眠担保権の抹消、家族信託など 建物の滅失・表題登記・分筆・地積更正などの「表示に関する登記」は土地家屋調査士の業務です。人に頼むときの依頼先は土地家屋調査士になります ここでの難易度はあくまで一般的な目安で、同じ種類の登記でも個別の事情で大きく変わります。まずは下の一覧で自分の登記の位置を確かめ、詳しい記事へ進んでください 「この登記、自分でできるだろうか」と迷ったときに、どの登記が比較的取り組みやすく、どの登記に専門知識や段取りが必要になりやすいのかを一覧にしたのがこの記事です。制度の説明はそれぞれの詳しい記事に任せ、ここでは「どの記事を読めばよいか」の目次に徹します。 ...

2026年9月28日 · ひぐらしさとし

共同担保目録とは──家と土地がセットで担保になっている印

共同担保目録(きょうどうたんぽもくろく)とは、一つの借入れの担保として複数の不動産に同じ担保権がついているときに、その不動産の一覧を法務局が作る目録のことです。登記簿の乙区(おつく=抵当権など、担保の登記が記載される欄)に「共同担保目録(け)第〇号」といった記号番号が載っていたら、「この抵当権は、この不動産だけでなく、ほかの不動産にもついています」という印だと考えてください。 ...

2026年8月8日 · ひぐらしさとし

登記簿の『乙区』を読み解く──抵当権の記載事項は何を意味するか

住宅ローンを組んだ家の登記事項証明書(登記簿)を取り寄せてみると、乙区(おつく)に「債権額」「利息」「損害金」「債務者」といった見慣れない言葉がずらりと並んでいます。それぞれが何を意味しているのか、パッと見て分かる方は多くありません。 ...

2026年8月5日 · ひぐらしさとし

亡くなった親のローンは完済済み──相続登記と抵当権抹消、どちらが先?

この記事の要点 住宅ローンを完済していても、登記簿上の抵当権(担保の記録)は自動では消えず、抹消登記の申請が別途必要 相続登記と抵当権抹消登記の順番に「これしかない」という決まりはなく、実務上は2つの進め方がある 相続登記は2024年4月から申請が義務化されているため、いずれにせよ必要な手続き 抵当権抹消登記は、原則として抵当権者(金融機関)と所有者(登記名義人)が共同で申請する 団体信用生命保険(団信)で完済された場合は、抹消の前に別途の手続きが必要になることがある 親名義の住宅が残っていて、住宅ローンはすでに完済していた──というケースはめずらしくありません。ここで迷いやすいのが、「相続登記(名義変更)」と「抵当権抹消登記」のどちらを先にすればよいのか、という順番の問題です。 ...

2026年8月4日 · ひぐらしさとし

抵当権抹消をしようとしたら銀行が合併・消滅していた──どこに何を頼む?

この記事の要点 登記簿上の抵当権者である銀行の名前が今と違っていても、承継先さえ分かれば抵当権抹消登記はできる 抹消登記の登録免許税は通常どおり不動産1個につき1,000円(完済より前に合併があった場合は、前提となる抵当権移転登記の分が別途かかる)。承継先の特定や書類収集に数週間〜数か月かかることがある まずは登記事項証明書で抵当権者の名称を確認し、承継先を調べるところからスタート 住宅ローンを完済し、いざ抵当権抹消登記の手続きを、と登記事項証明書(登記簿謄本)を確認したら、そこに書かれている抵当権者の銀行名が、なんだか聞き覚えのない名前だった――。あるいは「この銀行、まだあったっけ?」と不安になった。そんな経験はないでしょうか。 ...

2026年8月3日 · ひぐらしさとし

登記簿に残った古い「買戻特約」──2023年から所有者だけで消せるようになりました

この記事の要点 買戻特約は「売った人が代金などを返せば買い戻せる」という約束で、期間は最長10年(定めがなければ5年) 契約の日から10年を経過していれば、所有者ひとりの申請で抹消できる(2023年4月1日施行の不動産登記法69条の2) 登録免許税は抹消登記として不動産1個につき1,000円が目安 「土地を売ろうと思って登記簿(登記事項証明書)を取り寄せたら、何十年も前の『買戻特約(かいもどしとくやく)』という見慣れない登記が残っていた」——。相続した不動産や、昔に公的機関から購入した土地で、こうした古い登記に気づく方は少なくありません。 ...

2026年6月15日 · ひぐらしさとし