所有者不明土地管理制度とは──持ち主がわからない隣の土地に管理人を付けてもらう方法

この記事の要点 持ち主がわからない土地について、裁判所に「所有者不明土地管理人」という管理人を選んでもらえる制度があります(民法264条の2。2023年4月1日施行) 申立てができるのは「利害関係人」。管理されないことで不利益を受けるおそれのある隣地の所有者も、事案によっては該当し得ます 管理人は、土地の保存や、性質を変えない範囲での利用・改良にあたる行為を行うことができ、売却などの処分には裁判所の許可が必要です 申立先は、その土地の所在地を管轄する地方裁判所。申立てにあたっては、管理費用に充てるお金(予納金)を納めるのが通常です 「人」ではなく「土地」の単位で管理人が付く点が、従来からある不在者財産管理人との大きな違いです 隣の土地が長年放置されていて、草木が伸び放題、塀は崩れかけ。何とかしたくても、登記簿を調べても持ち主にたどり着けない──。そのようなときに使える可能性があるのが、この記事で解説する「所有者不明土地管理制度」です。裁判所が土地の管理人を選び、その管理人が持ち主に代わって土地を管理してくれる、2023年4月に始まった比較的新しい制度です。 ...

2026年8月25日 · ひぐらしさとし

山林を相続したら──90日以内の森林法の届出、管理の負担、そして手放すという選択肢

この記事の要点 山林を相続すると、期限の異なる2つの手続きが並行して走ることがある。相続登記は3年以内(不動産登記法第76条の2第1項)、森林法の届出は相続開始の日から90日以内(届出義務の根拠は森林法第10条の7の2第1項、90日という期限を定めているのは同法施行規則第7条第1項) 森林法の届出先は「市町村の長」。ただし対象は地域森林計画の対象となっている民有林に限られ、相続した山林がすべて届出の対象になるわけではない。まず市町村の林務担当窓口で対象かどうかを確認する 届出をせず、または虚偽の届出をすると10万円以下の過料(森林法第213条)。相続登記を怠った場合の10万円以下の過料(不動産登記法第164条第1項)とは別の制度 固定資産税は課税標準額が30万円未満なら課されないのが原則(地方税法第351条)。ただし「税金がかからない」ことと「管理の責任がなくなる」ことは別 手放す方法は国庫帰属・売却・自治体への寄付だが、いずれもハードルがある。特に境界が明らかでない土地は国庫帰属の申請そのものができない(相続土地国庫帰属法第2条第3項第5号) 親から山林を相続した、という相談は珍しくありません。ここで最初に押さえておきたいのは、山林の相続には、宅地の相続にはない別ルートの手続きが加わることがあるという点です。法務局への相続登記とは別に、市町村への届出が必要になる場合があり、しかもその期限は相続登記よりずっと短い90日です。 ...

2026年7月28日 · ひぐらしさとし