戸籍の上では生きている超高齢の人がいたら?──「高齢者消除」の意味と、相続人から外せない理由

この記事の要点 いわゆる「高齢者消除」は、戸籍上の整理をするための行政上の措置で、これによって死亡の効果が直ちに生じるものではないと、法務省の資料で説明されている そのため、高齢者消除だけを理由に、その人の相続が始まったと扱ったり、ほかの人の相続で相続人から外したりすることはできない 相続の手続きを進めるには、失踪宣告や不在者財産管理人の選任など、家庭裁判所の手続きが必要になる場合がある 戸籍に残る「生きているはずのない年齢」の人 相続人を確定するために戸籍をさかのぼっていくと、生まれた年から数えるとかなりの高齢になるのに、死亡の記載がないまま戸籍に残っている人が見つかることがあります。死亡届が出されないまま年月が過ぎると、戸籍の上では生きている状態が続くためです。 ...

2026年10月8日 · ひぐらしさとし

戸籍の死亡事項の読み方──「推定」「頃」の記載と、亡くなった順番が分からないときの同時死亡の推定

この記事の要点 戸籍の死亡の記載は【死亡日】【死亡時分】【死亡地】【届出日】【届出人】の順に並ぶ。相続の開始の時点を示すのは【死亡日】【死亡時分】で、【届出日】ではない 亡くなった日時がはっきりしない場合、戸籍の死亡日時に「推定」「頃」といった言葉が添えられていることがある 亡くなった順番が分からないときは同時に死亡したものと推定され(民法32条の2)、その人どうしは相続し合わない一方、代襲相続は起こりうる 結論から言うと、戸籍の死亡の記載のうち、相続人の範囲を左右するのは【死亡日】と【死亡時分】です。家族が同じ日に相次いで亡くなった場合には、何時何分に亡くなったかによって、だれが相続人になるかが変わることがあります。 ...

2026年9月30日 · ひぐらしさとし

遺体が見つからなくても戸籍に「死亡」と載る?──認定死亡のしくみと、失踪宣告との違い

この記事の要点 水難・火災その他の事変で亡くなった人がいる場合、取り調べをした官庁・公署が市町村長に死亡の報告をし、その報告に基づいて戸籍に死亡が記載される(戸籍法89条・15条)。一般に「認定死亡」と呼ばれる 失踪宣告は、家庭裁判所が利害関係人の請求で行うもので、法律上「死亡したものとみなす」(民法30条・31条)。認定死亡は、官公署の報告に基づく戸籍の記載であり、しくみも効果も異なる 相続人確定では、どちらも戸籍に記載された死亡の日(失踪宣告では死亡とみなされる時)が基準になる。特に失踪宣告は、宣告の日ではなく期間満了時・危難が去った時に死亡とみなされる点に注意する 報告によって戸籍に死亡が記載されるしくみ 結論から言うと、ご遺体が見つからない場合でも、戸籍に死亡が記載されることがあります。その根拠となるのが戸籍法89条です。 ...

2026年9月22日 · ひぐらしさとし

戸籍の「再製」とは?──作り直された戸籍に、前の記載が載らないことがある理由

この記事の要点 戸籍の「再製」には、滅失したとき・滅失のおそれがあるときの再製(戸籍法11条)と、本人の申出による再製(同法11条の2)の2種類がある 申出による再製では、訂正された事項の記載のない戸籍が作られるため、再製後の戸籍を見ても、そこに何が記載され、どう訂正されたのかは読み取れない 相続人を確定するときは、戸籍事項欄の再製の記載(戸籍法施行規則34条6号)を確認し、その戸籍だけで完結しない前提で出生まで遡る 「再製」は戸籍を作り直す手続き──2つの種類がある 戸籍の「再製」とは、すでにある戸籍を作り直す手続きのことです。戸籍法は、次の2つの場面を定めています。 ...

2026年9月18日 · ひぐらしさとし

改製原戸籍の読み方──「はらこせき」で手が止まったら見るポイント

この記事の要点 改製原戸籍は「戸籍事項欄 → 筆頭者・戸主 → 各人の身分事項欄」の順に見ると読みやすくなります。最初に見るのは名前ではなく日付です。 線が引かれて消してある記載こそ読んでください。 その線は「この人はこの戸籍から抜けました」という印で、消された内容自体は有効な情報です。 改製のときに新しい戸籍へ書き写されるのは、決められた事項だけです。すでに終わった婚姻・養子縁組などは書き写されません(戸籍法施行規則39条1項)。だから改製原戸籍を見ないと相続人が漏れます。 手数料の標準額は改製原戸籍謄本1通750円(実際の額は各市区町村の条例によります)。 読めない、つながっているか分からない、と感じたらお近くの司法書士にご相談ください。 この記事は「読み方」の話です 結論から書きます。改製原戸籍(かいせいげんこせき)は、上から順に読もうとすると必ず迷子になります。見る順序を決めて、日付から入るのが早道です。 ...

2026年7月30日 · ひぐらしさとし