法定相続分どおりに登記するときの申請書──協議書なしでできる場合と、一人で申請できる理由

この記事の要点 法定相続分(民法が定めている各相続人の取り分)どおりに登記するなら、遺産分割協議書は要りません。登記の根拠になるのは、亡くなった方と相続人の関係を示す戸籍の証明書などです。 この登記は、共同相続人のうちの一人が、全員のために申請できます。法務局の記載例は、これを「保存行為」として案内しています。ただし、自分の持分だけを登記することはできません。 一人で申請した場合、申請人にならなかった相続人には「登記識別情報」(登記名義人の本人確認に使う12桁の符号)が通知されません。 申請書で遺産分割の場合と大きく違うのは、相続人全員の氏名とあわせて「持分」を書く点と、遺産分割協議書・印鑑証明書が添付書類に入らない点です。 登記の結果は共有名義になります。後から遺産分割がまとまって法定相続分を超えて取得した人は、遺産分割の日から3年以内に、その結果の登記を申請する義務があります。 この記事は、不動産を相続人みんなで「法定相続分どおり」に登記するときの申請書について、遺産分割で相続する場合との違いを中心に説明します。申請書の各欄の一般的な埋め方(原因の日付、不動産の表示、課税価格の計算など)は、前回の相続登記申請書の書き方で説明していますので、ここでは繰り返しません。法定相続分の割合そのものは法定相続分とは?をご覧ください。 ...

2026年10月2日 · ひぐらしさとし

子どものいない夫婦の相続──配偶者が全部もらえるわけではない

この記事の要点 子どもがいない夫婦では、配偶者だけでなく亡くなった人の親や兄弟姉妹が相続人になることがある 配偶者と親(直系尊属)が相続人のときは配偶者3分の2・親3分の1、配偶者と兄弟姉妹が相続人のときは配偶者4分の3・兄弟姉妹4分の1が目安の割合 配偶者にすべて残したいなら、生前の遺言が最も確実な備え 「子どもがいないから、財産は全部配偶者のものになる」——そう思い込んでいる方は少なくありません。ですが、これは正確ではありません。子どもがいない夫婦の一方が亡くなったとき、亡くなった人の親(存命であれば)や兄弟姉妹も、配偶者と一緒に相続人になる場合があります。 ...

2026年7月18日 · ひぐらしさとし