連絡の取れない株主がいる──「所在不明株主」の株式を売却・整理する制度
この記事の要点 会社からの通知・催告が5年以上続けて届かず、かつ5年間剰余金の配当も受け取っていない株主の株式は、会社が競売するか、裁判所の許可を得て売却(会社自身による買取りを含む)することができる(会社法197条) 売却の前には、異議を述べる機会を与えるための公告と、株主への個別の催告が必要で、異議を述べる期間は3か月以上(会社法198条1項) 一定の要件を満たす非上場の中小企業は、都道府県知事の認定を受けると「5年」を「1年」に短縮できる特例がある(経営承継円滑化法15条) 制度を使うには何年分もの通知と返送されてきた郵便物が必要になるため、まずは株主名簿の確認と記録の保管から始める 「昔からの株主のひとりと、もう何年も連絡がつかない」──創業から年月を経た中小企業では、こうした悩みを抱えることがあります。株主総会の招集通知を送っても「あて所に尋ねあたりません」で戻ってくる、配当の送金通知も返ってくる。そうした株主(いわゆる所在不明株主)の株式は、放っておくと会社の意思決定や事業承継の足かせになりかねません。 ...