途中で入れ替えた取締役の任期はいつまで?──任期10年の会社で起きる「任期のずれ」と、そろえる定款の定め

この記事の要点 任期の途中で選ばれた取締役(増員・辞めた人の後任)の任期は、原則としてその人自身が選ばれた時から数えます(会社法332条1項)。前の人の任期の残りを引き継ぐわけではありません 定款で任期を10年にしている会社では、このずれが大きくなりやすく、取締役ごとに改選と登記の時期がばらばらになりがちです 定款や、選任する株主総会の決議で任期を短くすれば、ほかの取締役と満了の時期をそろえられます(会社法332条1項ただし書) 役員変更の登記は変更から2週間以内(会社法915条1項)。登録免許税は資本金1億円以下の会社で1件1万円です まずは自社の定款に「任期をそろえる定め」があるかと、各取締役が選ばれた時期を確かめましょう 結論からお伝えします。会社の取締役を任期の途中で増やしたり、辞めた人の代わりを選んだりした場合、新しく加わった取締役の任期は、ほかの取締役の任期の残りではなく、その人が選ばれた時から改めて数え始めます。 ...

2026年10月11日 · ひぐらしさとし

定款・議事録・株主名簿はどこにある?──会社が備え置くべき書類と保存期間

この記事の要点 会社法は、株式会社に対して、定款・議事録・株主名簿・計算書類などを本店(一部は支店にも)に備え置くことを求めています 期間は書類ごとに違います。株主総会議事録と取締役会議事録は10年(本店)、計算書類等は5年(本店)、定款・株主名簿・新株予約権原簿は期間の定めがなく、常に備え置きます 支店を置いている会社では、定款、株主総会議事録の写し(5年)、計算書類等の写し(3年)を支店にも置きます(電子データで作成し、一定の措置をとっている場合は不要) 株主や債権者は、書類ごとに定められた範囲で閲覧などを請求できます。取締役会議事録は、監査役の有無などで請求の仕方が変わります まずは下の一覧表で、自社の書類がそろっているかを確かめるところから始めましょう 「定款を出してくださいと言われたが、どこにしまったかわからない」「議事録はいつまで取っておけばいいのか」──会社の書類について、こうした疑問を持つ経営者の方は少なくありません。結論からいうと、会社法は、主な書類についてどこに(本店・支店)、いつまで(何年)置いておくかを、書類ごとに決めています。 ...

2026年10月7日 · ひぐらしさとし

定款をなくした──原始定款の謄本・再作成・「現行定款」の作り方

この記事の要点 定款には、設立のときに公証人の認証を受けた原始定款と、その後の変更をすべて反映した現行定款があります。手続で求められるのは、多くの場合「いまの内容」である現行定款です 書面で作った原始定款は、認証した公証人が1通を保存しています。認証を頼んだ人(嘱託人)やその承継人、利害関係のある人は、謄本を請求できます(手数料は1枚250円)。保存期間は、現行の規則では20年です 電子定款は、認証のときに保存の請求をしていれば、あとから同一の情報の提供(700円。書面で受け取るときは1枚20円加算)を受けられます 現行定款は、公証役場では出してもらえません。原始定款に、株主総会の決議などによる変更を時系列で反映して、会社自身が作り直します 会社には定款を本店と支店に備え置く義務があります。見つからないときは、まず原始定款の確保から始めます 「銀行から定款を出してくださいと言われたが、どこにあるかわからない」「設立のときの書類が一式見当たらない」──会社を続けていると、こうした場面に出会うことがあります。定款は、会社の目的や機関の形など、会社の基本的なルールを定めたものです。なくした場合でも、手がかりを順にたどれば、内容を整え直すことができます。 ...

2026年10月3日 · ひぐらしさとし

一般社団法人の設立登記──株式会社との違いと使いどころ

この記事の要点 一般社団法人も、株式会社と同じく「設立の登記」をすることで法人として成立します。根拠になる法律は会社法ではなく「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」(一般法人法)です。 株式会社の「株主」「株主総会」「取締役」にあたるのが、一般社団法人では「社員」「社員総会」「理事」です。理事は必ず置きますが、理事会・監事・会計監査人は定款で任意に設置できます。 定款に社員への利益(剰余金)の分配を認める定めを置いても無効とされる点が、株式会社との最大の制度上の違いです。 出資・資本金の払込みという手続きがなく、設立登記の登録免許税は定額6万円です。 この記事は登記手続き・機関設計の違いという制度面の整理にとどめます。税務上どちらが有利かという比較や、事業判断としてどちらを選ぶべきかの助言は範囲外です。 「一般社団法人」という名前を目にする機会が増えたと感じる方も多いのではないでしょうか。業界団体や同窓会、地域の任意団体などが、法人格を持つために一般社団法人を選ぶ例が増えています。 ...

2026年8月2日 · ひぐらしさとし

合同会社(LLC)をつくるときの登記──株式会社との違い・費用・必要書類の全体像

この記事の要点 合同会社(LLC)の設立にかかる登録免許税は「資本金の0.7%・最低6万円」。株式会社(最低15万円)より安く、定款の認証も不要なので初期費用を抑えやすい。 出資者(社員)がそのまま経営に加わる会社で、決算公告の義務もない。一方で「株式会社」という信用や、株式による資金調達には向かない。 設立の登記は本店所在地を管轄する法務局へ。登記が完了して初めて会社が成立する(会社法579条)。 迷ったら、株式会社と合同会社どちらが合うかも含めて、お近くの司法書士にご相談ください。 会社をつくると聞くと「株式会社」を思い浮かべる方が多いですが、近年は**合同会社(ごうどうがいしゃ、LLC)**を選ぶ起業家も増えています。合同会社は、株式会社にくらべて設立費用が安く、手続きもシンプルなのが特徴です。 ...

2026年7月7日 · ひぐらしさとし