名義株とは──設立時に名前を借りた株主が残っているときの整理
この記事の要点 名義株とは、株主名簿に載っている人(名義人)と、実際にお金を出して株式を引き受けた人が食い違っている株式のことです。他人の承諾を得てその名義で株式を引き受けた場合は、名前を貸した人ではなく実際の引受人が株主になる、とした最高裁判決があります(最高裁判所昭和42年11月17日第二小法廷判決)。ただし、これは会社の設立後に発行された株式の事案で、設立のときの株式については、名義人を株主とみる見解もなお有力とされています 平成2年の商法改正(平成3年4月1日施行)までは、株式会社をつくるのに発起人(会社をつくる人)が7人以上必要でした。その頃に設立された会社には、人数合わせで名前を借りた株主が残っていることがあります 放置すると、後継者に株を集める場面、株主総会の招集や決議、登記の申請に添付する「株主リスト」の作成で、「誰が株主か」があいまいになります 株主が誰かは登記事項ではありません。整理の中心は、事実関係の確認、名義人の側との認識のすり合わせ、株主名簿の整備です 誰が本当の株主かで争いがあれば弁護士、相続税・贈与税の扱いは税理士の領域です 経営者の方に知っておいてほしいのは、「設立のときに親戚や知人に名前だけ借りて株主になってもらった」という株式は、会社が続くかぎり自然に消えることはない、ということです。名前を貸した人が高齢になったり亡くなったりすると、事情を知る人がいなくなり、整理はどんどん難しくなります。 ...