自己破産すると持ち家はどうなる──登記簿から見た破産手続きの流れ

この記事の要点 自己破産をしても、持ち家の名義はすぐには変わらない。所有権移転登記が入るのは、破産管財人による任意売却または競売が実際に成立した時点 財産がほとんどない「同時廃止」では破産管財人が選任されず、不動産を売却する手続き自体が生じないことが多い(管財事件になるかどうかは個別事情による) 住宅ローンの残高が不動産の評価額を上回る「オーバーローン」の場合、破産財団としての価値がないと判断され、破産管財人の手を離れて抵当権者による競売に委ねられることがある 破産法258条1項2号にもとづき、裁判所書記官が破産財団に属する不動産の登記があることを知ったときは「破産手続開始」の登記が嘱託されるが、これは所有権移転そのものではなく処分に注意を促す公示にとどまる 破産手続の代理は弁護士の業務であり、司法書士が関われるのは裁判所提出書類の作成援助まで 自己破産をすると、持ち家は必ずすぐに人手に渡ってしまう──そう思われがちですが、結論から言うと、破産手続開始の決定が出た時点で登記簿の名義がただちに書き換わるわけではありません。破産手続開始の決定によって生じるのは、破産者の財産を管理し処分する権限が破産管財人の手に移ることであって、所有権そのものが破産管財人や債権者に移るわけではないからです。名義(所有権)が移転する登記が入るのは、破産管財人による任意売却、または競売によって、その不動産が実際に買主・買受人へ売却された段階です。この記事では、自己破産の手続きが登記簿の上でどのように現れるのかを、一般的な流れとして整理します。 ...

2026年9月8日 · ひぐらしさとし

住宅ローンを滞納するとどうなる──競売までの時系列と任意売却の入口

この記事の要点 滞納から競売までは、督促・催告 → 期限の利益の喪失 → 保証会社の代位弁済 → 一括請求 → 競売の申立て、という順で段階を踏んで進むのが一般的です 競売の開始決定が出ると、登記簿の甲区(所有権の欄)に「差押」が入り、乙区の抵当権は代位弁済をした保証会社へ移ります。登記簿を見れば手続がどこまで進んだかが分かります 任意売却は競売より高く売れる可能性がある一方、債権者の同意が必要で、売っても残った借金(残債)が消えるわけではありません 返済の交渉や債務整理は弁護士、抵当権抹消や名義の登記は司法書士と、相談先が分かれます 住宅ローンを滞納すると、ある日突然家を失うわけではありません。滞納から競売による明渡しまでには、督促・催告、期限の利益の喪失、保証会社の代位弁済、一括請求、競売の申立て、差押えの登記、期間入札、売却許可、代金納付、明渡しという段階があり、それぞれに数週間から数か月の時間がかかります。そして、その進み具合の多くは登記簿(登記事項証明書)に記録されます。 ...

2026年9月3日 · ひぐらしさとし