土地家屋調査士試験 試験対策 第98回──登記の申請の却下/公共嘱託登記土地家屋調査士協会/共有物の分割/前方交会法による新点の座標計算/建物所在図

問題: 登記の申請の却下に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。 ア. 登記官は、申請に係る不動産の所在地が当該申請を受けた登記所の管轄に属しないときは、理由を付した決定で、登記の申請を却下しなければならない。 ...

2026年7月30日 · ひぐらしさとし

改製原戸籍の読み方──「はらこせき」で手が止まったら見るポイント

この記事の要点 改製原戸籍は「戸籍事項欄 → 筆頭者・戸主 → 各人の身分事項欄」の順に見ると読みやすくなります。最初に見るのは名前ではなく日付です。 線が引かれて消してある記載こそ読んでください。 その線は「この人はこの戸籍から抜けました」という印で、消された内容自体は有効な情報です。 改製のときに新しい戸籍へ書き写されるのは、決められた事項だけです。すでに終わった婚姻・養子縁組などは書き写されません(戸籍法施行規則39条1項)。だから改製原戸籍を見ないと相続人が漏れます。 手数料の標準額は改製原戸籍謄本1通750円(実際の額は各市区町村の条例によります)。 読めない、つながっているか分からない、と感じたらお近くの司法書士にご相談ください。 この記事は「読み方」の話です 結論から書きます。改製原戸籍(かいせいげんこせき)は、上から順に読もうとすると必ず迷子になります。見る順序を決めて、日付から入るのが早道です。 ...

2026年7月30日 · ひぐらしさとし

境界がはっきりしない土地の相続・売却──筆界と所有権界、土地家屋調査士の出番

この記事の要点 土地の境界がわからなくても、相続登記そのものは申請できる。境界を確定させてからでないと名義が変えられない、という仕組みにはなっていない ただし相続登記には期限がある。取得を知った日から3年以内(不動産登記法第76条の2第1項)、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料(同法第164条第1項) 境界の問題が表に出るのは売るとき。測量や筆界特定は土地家屋調査士、隣地の方との争いは弁護士、名義変更は司法書士と、相談先が分かれる 親から受け継いだ土地について「どこまでが自分の土地なのかはっきりしない」というご相談は珍しくありません。塀の位置と登記簿の面積が合わない、境界を示す杭が見当たらない、そもそも測量図が見つからない——こうした状況は各地で生じています。 ...

2026年7月30日 · ひぐらしさとし

亡くなった方の財産がどこにあるか分からない|手がかりになる書類と、そこから分かること

この記事の要点 財産の所在は「手元の書類」と「亡くなった方あての郵便物」からたどれることが多い 通帳の引き落とし記録は、保険や不動産など別の財産の存在に気づく手がかりになる 手がかりが少なくても、不動産については一覧で調べられる制度がある 「親が亡くなったが、どこに何があるのか分からない」という状態から相続手続きが始まることは珍しくありません。結論から言えば、まずは手元にある書類と、亡くなった方あてに届く郵便物を種類ごとに分けてみるところからで十分です。以下は、ご自身の手元でできる範囲の確認方法です。 ...

2026年7月29日 · ひぐらしさとし

相続税の基礎控除とは──「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の意味と数え方

この記事の要点 相続税には「遺産に係る基礎控除額」という枠があり、その額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算される(相続税法15条1項) 人数の数え方には独自のルールがあり、相続放棄をした人も「放棄がなかったもの」として数に含める 養子は、実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までしか人数に算入できない 「うちは相続税がかかるのか」を考えるときの入口が基礎控除という枠です。相続税は、亡くなった方の財産すべてにいきなり課される税金ではなく、一定額までは課税されない部分が設けられています。相続税法ではこれを「遺産に係る基礎控除額」と呼びます。 ...

2026年7月29日 · ひぐらしさとし

土地家屋調査士試験 試験対策 第97回──建物の表題登記の申請/業務を行い得ない事件/地役権の効力及び消滅/定積分割による分割点の座標計算/建物の床面積の定め方

問題: 建物の表題登記の申請に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。 ア. 新築した建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。 ...

2026年7月29日 · ひぐらしさとし

戸籍の附票の使いどころ──登記簿の住所がつながらないとき、行方のわからない相続人を探すとき

この記事の要点 戸籍の附票は「住所の履歴」を証明する書類で、市区町村をまたいだ転居も一枚で追えるのが強み 使いどころは大きく2つ。登記簿の住所と今の住所がつながらないときの住所変更登記と、行方のわからない相続人の住所をたどるとき 附票でも追えないときは、家庭裁判所の不在者財産管理人(民法25条)や失踪宣告(民法30条)が受け皿になる 戸籍の附票(こせきのふひょう)は、「住所の履歴をたどるための書類」です。使う場面はいろいろありますが、実際によく効くのは次の2つに絞られます。 ...

2026年7月29日 · ひぐらしさとし

リゾートマンション・別荘を相続したら──「いらない不動産」に残された現実的な選択肢

この記事の要点 リゾートマンションや別荘は、使わなくても管理費・修繕積立金・固定資産税が毎年かかり続けるため、「もらっても困る不動産」になりやすい それでも相続登記は義務で、取得を知った日から3年以内に申請しないと過料の対象になり得る(不動産登記法第76条の2、第164条第1項) 亡くなった方が管理費を滞納していた場合、その支払義務は原則として相続人に引き継がれる。売買などで部屋を取得した人にも請求できる仕組みがある(建物の区分所有等に関する法律第8条) 「いらない土地を国に引き取ってもらう制度」は土地だけの制度で、建物であるリゾートマンションは対象にならない リゾートマンションや別荘を相続することになったとき、多くの方が最初に直面するのは「使う予定がないのに、費用だけが出ていく」という現実です。結論から言えば、受け取らないという判断(相続放棄)をしない限り、名義を引き継いだ人が、手放すまで費用を負担する立場になります。そして相続登記は義務であり、「使わないから放っておく」という選択は、法律上は用意されていません。 ...

2026年7月29日 · ひぐらしさとし

遺産分割協議書と遺産分割協議証明書──1通に全員が押すか、1人1通ずつ出すか

この記事の要点 中身の合意は同じ。違いは「1通の紙に全員が署名押印する(協議書)」か、「相続人が1人1通ずつ同じ内容を証明する(協議証明書)」かという書面の作り方だけ 相続登記では、相続人全員分がそろえば、どちらの方式でも使えるのが実務の扱い 相続人が多い・遠方に散っている・郵送で持ち回ると何か月もかかる、というときは協議証明書が向いている ただし全員分そろわないと使えない点は両方式で同じ。1人でも欠ければ、その分け方どおりの登記も預貯金の解約もできない 相続の手続きを進めていると、「遺産分割協議書」という言葉と並んで、「遺産分割協議証明書」という書類が出てくることがあります。名前がよく似ていて、司法書士から「今回は協議証明書の形で作りましょう」と言われても、何がどう違うのか分かりにくいものです。 ...

2026年7月29日 · ひぐらしさとし

遺留分侵害額請求の「1年」はいつから数える?──起算日と期限の数え方

この記事の要点 遺留分侵害額請求の期限は、「相続の開始」と「遺留分を侵害する贈与または遺贈があったこと」の両方を知った時から1年です(民法1048条前段) それを知らないままでも、相続開始の時から10年を経過すると同じく消滅します(民法1048条後段) 期間は初日を数に入れず、1年後の応当する日の前日に満了します(民法140条・143条2項) 期限を過ぎると、請求できなくなります 遺留分(いりゅうぶん=一定の相続人に保障された最低限の取り分)が侵害されているとき、その分に相当するお金の支払いを請求できる権利があります(民法1046条1項)。2019年7月1日以降に開始した相続からは、財産そのものを取り戻す「遺留分減殺請求」ではなく、金銭の支払いを求める「遺留分侵害額請求」という形に改められました(制度の全体像はこちらの記事で整理しています)。 ...

2026年7月28日 · ひぐらしさとし