ゴルフ会員権・リゾート会員権の相続──引き継ぐ?退会する?

この記事の要点 ゴルフ会員権・リゾート会員権は原則として相続財産に含まれるが、多くのクラブの会則では死亡により会員資格が当然に消滅すると定められており、相続人が引き継ぐには改めて名義書換の手続きが必要になることが多い 引き継がず退会する場合は預託金の返還を請求できることがあるが、据置期間の定めやクラブの経営状況によって、すぐに全額が戻るとは限らない リゾート会員権のうち、施設の不動産について共有持分を持つタイプのものは、相続登記の対象にもなる 会則の内容はクラブ・施設ごとに異なるため、まずは運営会社に会則と亡くなった方の会員資格の状況を確認するのが出発点 ゴルフ会員権やリゾートクラブの会員権は、預貯金や不動産のように扱いが一律に決まっているわけではありません。結論から言うと、会員権を相続財産としてどう扱うかは、クラブ・施設ごとの会則(規約)次第という部分が大きく、まずは亡くなった方が持っていた会員権の種類と、そのクラブの会則を確認することが最初の一歩になります。 ...

2026年8月20日 · ひぐらしさとし

遺品整理はいつから?──相続放棄を考えているなら「処分」に要注意

この記事の要点 相続放棄を考えているなら、遺品を勝手に処分すると「相続を認めた」とみなされ、放棄できなくなるおそれがある(法定単純承認) 経済的価値のない形見を分ける程度は一般的に問題にならないとされるが、高価な遺品の処分・換金は避ける 賃貸物件の明け渡しを急かされても、遺品はまず保管し、処分は先延ばしにする 遺品整理業者と契約する場合、契約の当事者や作業範囲を慎重に見極める必要がある 個別の判断が難しい場合は、遺品を処分する前にお近くの司法書士にご相談ください 親が亡くなり、賃貸アパートの明け渡しや実家の片付けに追われる中で、「遺品整理は早く終わらせたい」と考えるのは自然なことです。しかし、相続放棄を検討している場合、遺品の扱い方を誤ると、放棄そのものができなくなることがあります。 ...

2026年8月20日 · ひぐらしさとし

自動車の相続手続き――普通車と軽自動車で違う名義変更

この記事の要点 亡くなった方名義の自動車は、名義変更(移転登録)をしないと、廃車も売却もできません 普通車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会と、手続きの窓口が異なります 遺産分割協議書のほか、価額100万円以下の自動車には「遺産分割協議成立申立書」という簡易な書式が使えることがあります 名義変更をしないまま放置すると、自動車税・軽自動車税の納税通知が亡くなった方宛てに届き続けるなど、後々の負担が増えます 次の一歩は、車検証で「普通車か軽自動車か」を確認し、それぞれの窓口(運輸支局・軽自動車検査協会)または行政書士に相談することです 自動車も相続財産の一つです。不動産の相続登記や預貯金の解約と並んで、「乗るにしても、売るにしても、廃車にするにしても、まずは名義変更が必要」という点は見落とされがちです。この記事では、亡くなった方名義の自動車の名義変更について、普通車と軽自動車で何が違うのかを整理します。 ...

2026年8月19日 · ひぐらしさとし

世帯主変更届と住民票の手続き――死亡後14日以内にすること

この記事の要点 世帯主変更届は、亡くなった方が世帯主で、残る世帯員が2人以上いる場合に必要になるのが一般的です。残る世帯員が1人だけになる場合は、住民基本台帳法施行令25条によって届出を要しないものとされています 届出の期限は死亡日から14日以内とされています(住民基本台帳法25条) 国民健康保険・介護保険の資格喪失届、印鑑登録の廃止(死亡により自動的に失効する市区町村も多い)など、同じタイミングで窓口に行く手続きがまとまっています 手続きは亡くなった方が住んでいた市区町村の窓口で、届出人本人(同一世帯の方など)が行うのが基本です 死亡後の手続き全体の流れは死亡後の手続き全体像で時系列に整理していますので、あわせてご確認ください 身内が亡くなったとき、葬儀の手配や関係者への連絡で慌ただしいなかにも、住民票の「世帯主」を書き換える届出には期限があります。亡くなった方が世帯主だった場合、死亡日から14日以内に世帯主変更届(住民異動届の一種で、「世帯主変更届」「世帯変更届」などと呼ばれます)を市区町村の窓口に出す必要があるとされています。 ...

2026年8月19日 · ひぐらしさとし

非上場株式を相続したら──取引相場のない株の名義書換と少数株主の現実

この記事の要点 非上場株式を相続しても会社の承認は不要だが、会社が定款で定めていれば「売渡請求」を受けることがある 株主としての権利を会社に主張するには、株主名簿の名義書換(めいぎかきかえ)が必要 配当も売却先もないまま少数株主になるケースは珍しくなく、対応は早めの整理が肝心 「親が中小企業の株を少し持っていた。相続財産の一覧に出てきたが、上場株のように証券会社に問い合わせれば済む話ではないらしい」──非上場株式(取引相場のない株式)の相続で、こうした戸惑いを抱える方は少なくありません。 ...

2026年8月18日 · ひぐらしさとし

電気・ガス・携帯・サブスク──亡くなった方の契約の解約と名義変更

この記事の要点 電気・ガス・水道は名義変更、携帯電話・サブスクは解約が基本的な流れです 解約は、相続放棄を予定している場合に法定単純承認の「処分」に当たり得るため注意が必要です サブスクは口座引き落としの明細やメールを確認しないと見つからないことが多く、デジタル遺品の整理とあわせて進めるのが次の一歩です 身内が亡くなると、公共料金や携帯電話、動画配信サービスなど、さまざまな契約の後始末が必要になります。しかし「そのまま使い続けられる契約」と「解約しないといけない契約」が混ざっているため、何から手をつければよいか迷う方は少なくありません。 ...

2026年8月18日 · ひぐらしさとし

相続回復請求権の期限――「知った時から5年」「相続開始から20年」で消える権利

この記事の要点 「相続回復請求権」は、本当は相続人でない人(表見相続人)が財産を持ち去っている状態を、真正な相続人が正すための権利 期限は侵害の事実を知った時から5年、知らなくても相続開始の時から20年で時効消滅する(民法884条) 遺留分侵害額請求の「1年・10年」とは別の期限であり、混同すると手遅れになりやすい 「知らないうちに時効」が起こりうる権利です 相続回復請求権とは、相続人でない人(表見相続人)に対して、真正な相続人が相続財産の返還を求める権利です(民法884条)。共同相続人の一人が本来の持分を超えて財産を握っている場面をこの権利の問題として扱うかどうかは、後述のとおり考え方が分かれています。たとえば、疎遠になっていた親族が独断で被相続人の財産を管理・処分していた、あるいは自分が相続人であることを知らされないまま長期間が過ぎていた、といった場面で問題になり得ます。 ...

2026年8月17日 · ひぐらしさとし

本籍地がわからないときの調べ方──相続の戸籍集めで最初につまずいたら

この記事の要点 本籍地がわからないときは、まず「本籍地の記載を希望した」住民票の写し(または除票)を取り寄せる 自分の本籍地は自分の住民票、亡くなった方の本籍地はその方の最後の住所地の住民票の除票からたどれる 除票の保存期間は延長されているが、古い除票はすでに廃棄されている場合もある 本文 戸籍を集めようとして最初につまずくのが、「そもそも本籍地がどこかわからない」という壁です。結論から言うと、本籍地を調べる最も確実な方法は、本籍地の記載を希望した住民票の写し(亡くなった方の場合は住民票の除票)を取り寄せることです。 ...

2026年8月17日 · ひぐらしさとし

上場株式・投資信託の相続手続き──証券口座の移管と「準共有」の注意点

この記事の要点 亡くなった方の証券口座にある上場株式・投資信託は、遺産分割が確定するまで相続人全員の準共有という状態になります。 証券会社での相続手続きは、原則として相続人名義の証券口座に株式や投資信託そのものを移す移管が基本で、証券会社が代わりに売却して現金で分けてくれるわけではありません。 移管を受けるには、相続人自身が同じ証券会社(または別の証券会社)に口座を新たに開設する必要がある場合が多くなります。 単元未満株・端株は通常の市場では売買できず、発行会社や特別口座の管理機関への買取請求など、別ルートでの現金化になります。 遺産分割協議書の作成や、預貯金口座の解約とあわせて進めると効率的です。 本記事は執筆時点(2026年8月)の制度に基づく一般的な解説です。実際の必要書類や手続き方法は証券会社ごとに異なるため、詳細は各証券会社にご確認ください。 ...

2026年8月17日 · ひぐらしさとし

葬祭費・埋葬料はもらい忘れやすい──健康保険の死亡後手続きと請求できる人

この記事の要点 葬儀のあとに受け取れる公的なお金には、国民健康保険・後期高齢者医療の葬祭費と、会社員などが加入する健康保険の埋葬料があります。名称も窓口も請求できる人も別々です。 葬祭費は市区町村、埋葬料は協会けんぽまたは健康保険組合が窓口で、いずれもこちらから申請しないと支給されません。 葬祭費は葬儀を行った人(喪主)が、埋葬料は亡くなった方に生計を維持されていて埋葬を行った人が請求できるとされ、対象者の決まり方が制度ごとに異なります(葬祭費は条例・規約、埋葬料は法律の条文で定められています)。 亡くなった方が健康保険の被扶養者(家族として扶養に入っていた方)だった場合は、被保険者に対して家族埋葬料が支給されます(健康保険法113条)。「本人が加入者ではなかったから何もない」と思い込みやすいところです。 これらの給付は相続財産そのものではなく、請求できる人が固有に受け取るお金という位置づけです。葬儀費用と相続財産の関係も、あわせて整理しておくと安心です。 本記事は執筆時点(2026年8月)の制度に基づく一般的な解説です。個別の請求書作成や金額計算は、各窓口にご確認ください。 ...

2026年8月17日 · ひぐらしさとし