相続人申告登記を自分で申し出る手順──申出書の書き方・添付書類・費用がかからない理由

この記事の要点 相続人申告登記の申出は、①戸籍の証明書を集める→②申出書を作る→③不動産の所在地を管轄する法務局に出す→④完了の通知書を受け取る、の4ステップで進みます 申出書に書くのは、亡くなった方の氏名と相続開始の日、申出人の住所・氏名、連絡先、添付書類、不動産の表示などです。押印は不要とされています 添付する戸籍は「申出人が登記上の所有者の相続人であること」が分かる範囲で足りるとされていますが、数次相続(相続が二重三重に重なっている状態)などでは範囲が広がります 登録免許税はかかりません。申出はWebブラウザの「かんたん登記・供託申請」からもできます 戸籍の範囲の判断に迷う、相続人が多い、相続が何代も重なっているといった場合は、お近くの司法書士にご相談ください 相続人申告登記は、法務局に「自分は登記上の所有者の相続人です」と申し出ることで、相続登記の申請義務を果たしたものとみなしてもらう手続です(不動産登記法76条の3第1項・第2項)。結論から言うと、亡くなった方と申出人の関係がシンプルな相続であれば、法務省が公開している申出書の様式と記載例に沿って、ご自身で申し出ることも想定された手続になっています。 ...

2026年10月14日 · ひぐらしさとし

登記簿に「死亡」の符号が付く──所有者が亡くなったことを法務局が表示する新しい仕組み

この記事の要点 不動産の名義人(登記名義人)が亡くなったことを、法務局の登記官が職権で登記簿に「符号」で表示できる制度ができた(不動産登記法76条の4・2026年4月1日施行) 符号は、登記簿の名義人の氏名の横に付く「◇」の記号。付くのは個人の名義人だけで、会社などの法人は対象外 符号が付いても、相続人の相続登記の申請義務(相続を知った日などから3年以内)はそのまま残る。符号は相続登記の代わりにはならない 法務局が実際に符号の表示を始める時期は、執筆時点では法務省から案内されていない。いずれにしても申請義務の期限は符号の有無と関係なく進むので、符号が付くのを待たずに、相続登記(または相続人申告登記)を進めるのが基本 結論からお伝えします。2026年4月1日施行の法改正で、不動産の名義人(登記簿に所有者として記録されている人。「登記名義人」といいます)が亡くなったことを、法務局の登記官が自分の判断で(職権で)登記簿に表示できる仕組みが設けられました(不動産登記法76条の4)。表示されるのは「◇」という記号で、名義人の氏名の横に付きます。 ...

2026年9月25日 · ひぐらしさとし

相続登記義務化の経過措置、期限まであと半年──2027年3月31日までにやること

この記事の要点 相続登記義務化の経過措置は2027年3月31日が期限。残り半年でやることを順番に整理する ①登記簿で今の名義を確認する→②戸籍を集めて相続人を確定する→③協議がまとまれば相続登記へ→④まとまらない・間に合わないなら相続人申告登記で期限を守る 相続人申告登記は義務を履行したことにはなるが、権利の登記ではないため、その後の遺産分割で不動産を取得した場合は、改めて相続登記が必要になる 相続登記の義務化には、2024年4月より前に発生していた相続(過去の相続)を対象とする経過措置があり、その期限は2027年3月31日です。経過措置そのものの内容はこちらの記事で、3年の期限の数え方(起算日)はこちらの記事で解説していますので、この記事では繰り返しません。 ...

2026年9月21日 · ひぐらしさとし

実家の登記簿を取ってみよう──帰省中にできる「実家の健康診断」5つのチェック

この記事の要点 帰省中に実家の登記事項証明書(登記簿)を1通取れば、名義・共有・担保は短時間で点検できる(私道の持分とほかの不動産の有無は、別に証明書を取って確かめます) 見るのは5か所──①名義は今も親のままか ②いつの間にか共有になっていないか ③完済した抵当権が残っていないか ④私道の持分が漏れていないか ⑤ほかにも名義の不動産がないか 名義が親や祖父母のままなら、相続で取得したことを知った日から3年以内に登記を申請する義務があります(不動産登記法76条の2第1項) 費用は登記事項証明書が1通600円(オンライン申請なら490円から)、所有不動産記録証明書が1通1,600円(オンライン申請なら1,470円から。いずれも登記手数料令) 気になる点が見つかったら、名義のことは司法書士、境界や面積のことは土地家屋調査士へ 帰省で実家に戻る機会があるなら、登記事項証明書(登記簿)を取って、5か所だけ目を通しておくことをおすすめします。名義・共有・担保という、あとになって手続きが必要だと分かりやすいポイントは、実家の宅地・建物の証明書1通でおおよその見当がつきます。残る私道の持分とほかの不動産の有無は、別に証明書を取ることになりますが、その必要に気づくきっかけになるのも、やはりこの1通です。 ...

2026年8月11日 · ひぐらしさとし

私道の相続登記を忘れずに──宅地だけ登記して私道持分が漏れる典型パターン

この記事の要点 家と敷地の相続登記が済んでいても、進入路の私道持分だけ別地番で漏れていることがよくある 私道持分も相続登記の義務化(令和6年4月〜)の対象で、放置すると過料10万円のリスクもある 名寄帳・公図・購入時の重要事項説明書を確認すれば、たいてい見つけられる 「実家の名義変更は終わったから、もう相続登記は大丈夫」──そう思っていたら、家の前の道路(私道)の持分だけ、亡くなった親の名義のまま何十年も残っていた。こうした見落としは、決して珍しいケースではありません。 ...

2026年7月25日 · ひぐらしさとし

相続登記の登録免許税が『ゼロ』になる土地──100万円以下の免税措置を見落とさないために

この記事の要点 固定資産税評価額100万円以下の土地は、相続登記の登録免許税が免税になる(令和9年3月31日まで) 数次相続で中間の相続人が登記をしないまま亡くなった場合の中間登記も、土地であれば価額制限なく免税 免税は自動適用されず、申請書に根拠条文(租税特別措置法第84条の2の2)を書かないと課税されてしまう 「相続登記をすると登録免許税はいくらかかるの?」──相続登記の義務化(令和6年4月施行)をきっかけに、気になっている方も多いのではないでしょうか。 ...

2026年5月10日 · ひぐらしさとし

数次相続(すうじそうぞく)の落とし穴──親の相続を放っておくと、なぜ厄介になるのか

この記事の要点 数次相続(すうじそうぞく)とは、相続を放置している間に次の相続が連鎖して発生した状態 相続人がねずみ算式に増え、戸籍収集も遺産分割協議もハードルが上がる 相続登記義務化の経過措置期限は2027年3月31日まで。気になる不動産があればお近くの司法書士にご相談ください 「父が亡くなったとき、田舎の土地は誰も使わないからそのままにしておこう」──そう先延ばしにしているうちに、母も祖父母も亡くなってしまった。気づけば、相続人がいとこやその子どもまで広がっていた。 ...

2026年5月5日 · ひぐらしさとし

相続人申告登記とは何か — 相続登記の期限に間に合わないときの応急策

この記事の要点 相続人申告登記は「自分が相続人の一人です」と法務局に申し出るだけの応急策で、過料(10万円以下)を回避できる 所有権の移転を証明するものではなく、最終的には遺産分割成立後に本来の相続登記が必要になる 登録免許税は非課税で、単独申出・戸籍の簡略化ができる まずは結論から 「期限までに通常の相続登記ができない」「遺産分割協議がまとまらない」「相続人の一部と連絡がつかない」── そういうときに、ひとまず相続登記義務を果たしたものとみなしてもらえるしくみが、令和6年(2024年)4月1日にスタートしました。これが「相続人申告登記」です。 ...

2026年5月3日 · ひぐらしさとし

相続登記の義務化、放置すると過料10万円の落とし穴 ― 実際に過料が科されるのはどんなとき?

この記事の要点 期限を過ぎても即座に10万円取られるわけではなく、登記官の催告を経てなお放置した場合に裁判所が過料を決定する 数次相続で相続人が多数・訴訟係属中・重病など「正当な理由」があれば過料を免れる余地がある 分割協議が長引きそうなときは「相続人申告登記」でひとまず義務を履行できる 「相続登記が義務になったのは知っているけれど、放っておいたら本当に10万円取られるの?」 最近、こうしたご質問をよくいただくようになりました。 ...

2026年5月3日 · ひぐらしさとし

亡くなった父名義の家、どうやって名義変更する?相続登記の流れを最初から最後までやさしく解説

この記事の要点 相続登記は「戸籍集め→相続関係図→遺産分割協議書→申請書→添付書類→法務局へ申請→識別情報受領」の7ステップ 費用の目安は固定資産税評価額×0.4%の登録免許税。2024年4月から3年以内の申請が義務 戦前の戸籍まで遡る・相続人が多い・数次相続など複雑なケースは、お近くの司法書士にご相談ください 「父が亡くなって何年も経つけれど、家の名義はまだ父のまま」 「そろそろ名義を変えなきゃと思いつつ、何から手をつけていいかわからない」 ...

2026年5月3日 · ひぐらしさとし